米雇用統計注視、レンジ放れへの期待も
〇本日のドル円、当初はドル売り優勢で日中安値132円半ばを示現するも、その後切り返し133円台回復
〇8/2に130円割れを失敗した後は小康、132.30-134.50というレンジ内で次の方向性を探る展開
〇本日NY時間に7月米雇用統計発表、市場の関心高くレンジ放れの展開にも一応要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは132.50-134.00、ドル高・円安方向は133円半ばが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値132円半ばの攻防に注目
<< 東京市場の動き >>
5日の東京市場はドルが底堅い。米雇用統計待ちの様相ながら、133円台を中心にドルは小高いレベルで推移している。
ドル/円は132.85円レベルで寄り付いたのち、当初はドル売り優勢。日中安値となる132円半ばまで下落したものの大崩れはせず、目先底値を示現後は切り返しの動きをたどっていた。133円台を回復すると、そのまま大引けにかけても133円台を維持。16時現在、133.15円前後で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「ペロシ氏の訪台」と「英金融政策」について。
前者は、2日に台湾を訪問したペロシ米下院議長に関する動きが依然として相場の波乱要因に。昨日4日は日中外相会談が予定されていたものの、直前になって中国サイドがキャンセル。ちなみに、その理由が日本を含むG7が中国の軍事的な威嚇行動を批判したことに対する不満とされていた。その後も、中国軍は台湾周辺海域で11発もの弾道ミサイルを発射するなど、行動はさらにエスカレート。それに対して、台湾総統はビデオメッセージで「決して退かない」と結束を呼びかけたほか、米国務長官から「台湾めぐる一方的現状変更の試みに反対する」といったコメントが発せられている。
対して後者は、昨日英中銀は事前予想通り政策金利を「0.50%引き上げ」、1.75%とした。0.5%の利上げは1995年2月以来、約27年半ぶりのこと。しかし、利上げと同時に長期の景気後退を警告したことが嫌気されると、ポンドは利上げ前後の強気ムードが一転、急落をたどっている。対円では163円後半から161円台へと2円を超える暴落。そののち、本日東京に至るまで161円台を中心とした値動きでポンドは冴えない。
<< 欧米市場の見通し >>
2日に130円割れを失敗したドル/円相場は足もと小康。そののち2-3日は132.30-134.50円という2円強のレンジ内で、次の方向性を探る展開をたどっている。このあとも、そんなボックス相場が続く可能性も否定できないが、本日のNY時間には7月の米雇用統計発表という重要なイベントが予定されており、予断を許さない。もちろん数字次第といった面は否定できないものの、前後のマーケットは荒れ模様。レンジ放れの展開にも一応要注意だ。
各国金利情勢に対する市場の関心は依然として高いものの、前述した英国のように性急な利上げの悪影響、景気後退観測などへの警戒感もかなり根強いものがある。そうしたなか、本日はまず発表される7月の米雇用統計に注目。昨日、クリーブランド連銀総裁から発せられた「現在は景気後退ではない」との主張が、早々に確認されることになりそうだ。また、それとともにアジアの地政学リスク。台湾周辺で実施されている中国の演習や不穏な雰囲気が強まっている北朝鮮情勢などにも警戒を要したい。
テクニカルに見た場合、ドル/円は上下ともトライを失敗したこともあって、足もとは居心地のよい132-134円台を中心としたレンジ取引。明確な方向性はハッキリしないが、敢えて指摘するならば下方向と思われる。本日東京安値の132円半ばあるいは3日安値132.30円を下回ると、130円台を目指す展開か。対して、上方向は3日高値134.55円をめぐる攻防に注目しておきたい。
一方、本日は米経済指標として、7月の雇用統計や6月の消費者信用残高が発表される見込みで、とくに前者指標への関心は極めて高い。ちなみに、なかでも注目度の高い非農業部門雇用者数はプラス25万人程度が見込まれているものの、果たして実数値はどの程度か。乖離が大きくなれば、当然相場の波乱要因に。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは132.50-134.00円。ドル高・円安方向は本日東京高値133円半ばが最初の抵抗で、上抜ければ134円台回復も否定できず。
対するドル安・円高方向は、同じく本日東京安値132円半ばの攻防にまず注目。ただ、割り込んでもドルの下値は底堅そうなイメージだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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