ドルの下値トライも一服、目先は小康か(8/3夕)

3日の東京市場は、やや荒っぽい値動き。一時ドル安が進行するも続かず、そののち買い戻されている。

ドルの下値トライも一服、目先は小康か(8/3夕)

ドルの下値トライも一服、目先は小康か

〇本日のドル円、日中高値133.85-90を示現後、安値132.30レベルをつけたのち再びドル買い優勢に
〇8/2深夜ペロシ米下院議長が台湾入り、中国による反発の動き相次ぐ
〇昨日東京時間につけた130.40が目先のボトムになった感、短期的には132-135円のなかで小康か
〇本日は7月ISM非製造業総合指数・6月製造業受注指数など発表、欧米企業の決算発表にも要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは132.30-133.90、133.85-90が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値132.30レベルの攻防にまず注目

<< 東京市場の動き >>

3日の東京市場は、やや荒っぽい値動き。一時ドル安が進行するも続かず、そののち買い戻されている。

ドル/円は133.15円レベルで寄り付いたのち、ドルは小幅に上昇。日中高値の133.85-90円を示現したものの、その後は一転して下値を試す流れ。1円以上も値を崩し、132.30円レベルまで下落している。しかし、日中安値をつけたのちは再びドル買いが優勢に。133円台までドル高が進行するなど、さながら「行って来い」の様相。16時現在では133.20-25円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ペロシ氏の訪台」と「中国情勢」について。
前者は、「中国軍機21機が台湾南西部の防空識別圏に侵入」と伝えられるなど、中国による威嚇行動も目に付くなか、2日深夜に「ペロシ米下院議長は台湾入り」を果たしている。ただ、その後も中国による反発の動きは止まらず、「台湾東部の海域で2日からミサイル試射実施」、「4-8日に台湾周辺で軍事演習を行う」−−などとした発表や報道が相次ぎ観測されていた。また、ペロシ氏の訪台について中国はもちろん、ロシアや北朝鮮も同様に反発。たとえば、ロシア外務省は「訪台は明らかな挑発行為であり、中国には自国の主権を守る措置を講じる権利がある」と中国容認の姿勢を示している。

対して後者は、前述した「ペロシ氏の訪台」をめぐる中国の動きも特筆に値するが、それ以外でもなかなか興味深いニュースが多かった。いくつか例を挙げると、ブルームバーグが「中国指導部、5.5%の22年成長率目標は事実上達成困難との見方」と指摘していたほか、「中国当局、2025年までに人口が減少に転じるとの予測を公表」との報道も。また、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議に合わせ実施される日中外相会談は、「4日にも開催される見込み」になったという。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は昨日東京時間に130.40円まで下落した。年初来高値139.39円を起点とすればほぼ9円もの下押しが入った計算になる。リスクという意味では引き続きドル安方向へバイアスがかかりそうだが、その後の展開をみると前述した130.40円で目先の底入れをした感も否めない。やや広めのレンジになるものの、やや居心地がよさそうな132-135円といったなかで小康、一進一退を目先はたどることになるだろう。
日米を中心とした金利問題に対する市場の関心は決して低くなく、そうした意味では明日4日に予定されている英中銀の政策金利発表にも要注意だ。ただ、短期的には「ペロシ氏の訪台」をめぐる米中対立の深化、ならびに米景気減速懸念も根強い。後者に関しては、週末に発表される7月の米雇用統計の内容を見極めたいとの向きが多いうえ、本日も7月のISM非製造業総合指数などいくつかの重要指標が発表される予定だ。数字の内容如何では再び荒っぽい変動も。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日2ヵ月ぶりの130円台まで下落。移動平均では136円台に位置する21日線に次ぎ90日線(131.30円レベル)も一時下回ったが、後者についてはそののち回復している。リスクは引き続き下向きだが、昨日安値が目先のボトムになった感もあり、短期的には底堅いイメージも。
ただ、ドルの上値も重そうでまずは134円前後。そして134円後半、135円などが目先の抵抗として意識されそうだ。

一方、本日は米経済指標として、7月のISM非製造業総合指数や6月の製造業受注指数などが発表されるほか、欧米企業の決算発表なども予定されており、まずはそれらに要注意。
それ以外では目立った予定はないものの、依然としてペロシ氏が台湾にとどまるなか、中国が軍事演習などを活発化しているだけに、アジアの地政学リスクにも注意が必要かもしれない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは132.30-133.90円。ドル高・円安方向は本日東京高値にあたる133.85-90円が最初の抵抗。上抜ければ134円半ばを目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、同じく本日東京安値132.30円レベルの攻防にまず注目。ただ短期的に、ドルの下値は少し底堅くなっており132円割れでは下げ止まりそうだ。

ドルの下値トライも一服、目先は小康か

ドル円日足


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