ドル円、良好な米経済指標とタカ派な米当局者発言を材料に一時134円台を回復(8/4朝)

3日(水)のドル円相場は下落後に急上昇。

ドル円、良好な米経済指標とタカ派な米当局者発言を材料に一時134円台を回復(8/4朝)

ドル円、良好な米経済指標とタカ派な米当局者発言を材料に一時134円台を回復

○ドル円、米国時間午前にかけて高値134.53まで急伸
○ペロシ米下院議長が台湾を離れ韓国に無事到着したとの報道や、良好な米経済指標が支援材料
○ユーロドル、一端は上昇したものの安値1.0127まで急落、米長期金利の急上昇が重石
○ドル円、米利上げペース鈍化観測と米経済リセッション懸念が否定され、ドル円ロング再構築の動き
○目先はフィボナッチ半値戻し134.91を試すシナリオが想定
○ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想
○本日の予想レンジ:133.00ー135.00

海外時間のレビュー

3日(水)のドル円相場は下落後に急上昇。@台湾情勢を巡る米中対立激化懸念(ペロシ米下院議長は台湾の蔡英文総統と会談し「自身の訪台は米国が台湾を見捨てないことを明確に示すもの」と発言→中国軍の演習が台湾領内に侵入するなど中国による対立姿勢明確化)や、A上記@を背景としたリスク回避の円買い圧力が重石となり、日本時間13:00過ぎに、安値132.29まで急落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、Bペロシ米下院議長が台湾を離れ次の訪問先の韓国に無事到着したとの報道や、Cセントルイス連銀ブラード総裁による「米国のリセッション入りはないだろう」「年内にFF金利誘導目標を3.75-4.00%まで引き上げたい」とのタカ派的な発言、D米7月総合PMI改定値(結果47.7、前回47.5)の良好な結果、E米6月耐久財受注確報値(結果+2.0%、予想+1.9%、前回+1.9%、※前月比)の良好な結果、F米6月製造業受注(結果+2.0%、予想+1.2%、前回+1.8%、※前月比)の良好な結果、G米7月ISM非製造業景況指数(結果56.7、予想53.6、前回55.3)の力強い結果、H上記DEFGを背景とした米株高・米金利上昇の流れ(米ダウ平均は一時前日比500ドルを超える上昇。米10年債利回りも一時2.83%へ急上昇→リスク選好の円売りと、米金利上昇に伴うドル買いの組み合わせ)が支援材料となり、米国時間午前にかけて、高値134.53まで急伸しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間8/4午前4時40分現在)では、134.00前後で推移しております。

3日(水)のユーロドル相場は上昇後に急反落。@ドイツ6月貿易収支(結果64億ユーロの黒字、予想2億ユーロの黒字)の市場予想を上回る結果や、Aドイツ7月非製造業PMI確報値(結果49.7、予想49.2)の良好な結果、Bユーロ圏7月総合PMI確報値(結果49.9、予想49.4)の良好な結果、C米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0209まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、Dユーロ圏6月小売売上高(結果▲1.2%、予想+0.1%、前回+0.4%、※前月比)の冴えない結果や、Eセントルイス連銀ブラード総裁によるタカ派的な発言、F米経済指標の力強い結果(米7月総合PMI改定値、米6月耐久財受注確報値、米6月製造業受注指数、米7月ISM非製造業景況指数)、G上記EFを背景とした米長期金利の急上昇が重石となり、米国時間にかけて、安値1.0127まで急落しました。引けにかけて反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間8/4午前4時40分現在)では、1.0170前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は前日(8/2)記録した約2ヵ月ぶり安値130.43をボトムに反発に転じると、米当局者による相次ぐタカ派的な発言(サンフランシスコ連銀デイリー総裁、シカゴ連銀エバンス総裁、クリーブランド連銀メスター総裁、セントルイス連銀ブラード総裁など)や、米経済指標の良好な結果(米7月総合PMI改定値、米6月耐久財受注確報値、米6月製造業受注指数、米7月ISM非製造業景況指数など)を材料に、一時134.53まで急伸しました。

先週の米FOMC以降に強まった米利上げペース鈍化観測と米経済のリセッション懸念の双方が否定されたことに加えて、8/2に円ショートの大規模ロスカットが発生したこと(ポジションが軽くなったこと)などが、ドル円ロング再構築の動きを促していると考えられます。目先は7/14高値139.40と8/2安値130.43を起点としたフィボナッチ半値戻し134.91を試すシナリオが想定されます。同水準を上抜けられれば、FOMC前の水準である136.00円アッパーの水準が視野に入りそうです。本日発表される米新規失業保険申請件数が良好な結果を示す場合や、米当局者(クリーブランド連銀メスター総裁など)よりタカ派的な発言が見られる場合には、米株上昇→リスク選好の円売りの流れと、米金利上昇→米ドル買いの流れが組み合わさることで、ドル円がもう一段上値を伸ばすシナリオが想定されます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:133.00ー135.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、良好な米経済指標とタカ派な米当局者発言を材料に一時134円台を回復

ドル円日足

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