来週FOMC等にらみつつ、ドルは底堅い値動き
〇本日のドル円、137.35-40で寄り付き137.05レベルまで下落するも反発、138円手前まで1円近く上昇
〇短期的なリスクはやや下向きながら、137.00-139.40といったレンジ取引続くか
〇昨日、日銀は金融政策現状維持、ECBは予想を上回る利上げを決定、来週開催の米FOMCは利上げの予想
〇ドル円は価格調整なのか時間調整なのか判断に迷うところ、137.05レベルを下回ると続落の可能性も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.80-138.10、138円前後の攻防に注目
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値の137.05レベルが最初のサポート
<< 東京市場の動き >>
22日の東京市場はドルが強含み。一時138円手前まで値を上げるなど、上値を意識した展開をたどっている。
ドル/円は137.35-40円で寄り付いたのち、下値を試す展開。前日NY終盤の流れを継ぐ格好から137.05円レベルまで下落した。しかし、137円を割り込めず反発に転じると、その後は一転してドルが緩やかな右肩上がり。138円手前まで1円近く上昇し、16時現在では若干値を崩した137.70円レベルで推移、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「欧州エネルギー問題」と「ECB金融政策」について。
前者は、定期保守点検のため今月11日に停止、21日から再開とされていたロシアと欧州を結ぶ主要ガスパイプライン「ノルドストリーム1」だが、ロイターによると「ロシアが輸送許可を出していないため、タービンがドイツ国内で足止めされていることがわかった」という。そのため、「供給量は輸送能力を下回る水準にとどまっている」(ロイター)ようで、少なくとも完全再開とはなっていないもよう。引き続き、このあとも追加や関連情報には要注意だ。
対して後者は、ECBが政策決定会合で「0.5%の利上げ」を決定すると同時に、市場安定化に向けた新たな債券買い入れ措置を承認したことを明らかにしている。また、今後についてラガルド総裁は会見で、「追加の利上げはデータ次第」としつつも、「インフレは当面は不快なほど高い水準が続く」、「インフレ期待が上昇する兆しは注視する必要がある」などとも発言。インフレにかなり敏感になっている感を否めず、追加利上げにも期待感を抱く向きが多かった。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は本日東京時間に137.05円レベルまで値を下げ、直近のレンジを一時下抜け。ただ、そののちドルは再び買い進まれると、結局元のレンジへと回帰している。これからすると、短期的なリスクはやや下向きながら、短期的にはこれまでの137.38-139.39円を若干広げただけの137.00-139.40円といったレンジ取引が続くことになるだろう。
昨日、日銀が「金融政策の現状維持」を決定するなか、ECBは予想を上回る「0.5%の利上げ」に踏み切った。そうしたなか、来週26-27日には米FOMCが開催され、一時取り沙汰されていた「1.0%」との見方は後退したが、それでも「0.75%」の利上げが実施されそうだ。つまり、金利差の観点からすると、依然として円を積極的に買う状況にはない。ただ、各国経済悪化懸念などファンダメンタルズへの警戒感も依然根強く、米国だけでなく欧州についてもその懸念が広がりつつある。発表される経済指標や企業決算などにも注意しておきたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円は引き続き価格調整なのか時間調整なのか判断に迷うところ。ただ、現状は価格調整に要注意だが、ギリギリ時間調整の範囲内にとどまっている。もっとも本日東京で下げ止まった137.05円レベルを下回ると、136.60-70円まで達している移動平均の21日線をターゲットにした続落も否定できない。一気に価格調整の色合いを強める可能性もある。
一方、本日は米経済指標として、7月の製造業や総合PMI速報が発表されるほか、米企業の決算発表も引き続き多い。ただ、米FOMC前のブラックアウト期間に入っていることもあり、これまでと比べると決定済みの材料はやや少なめか。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.80-138.10円。ドル高・円安方向は本日東京高値に近い138円前後の攻防に注目。抜ければ昨日高値138.88円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値である137.05円レベルが最初のサポートか。割り込めば21日線などが位置する136.60-70円を目指す展開となりそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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