ドル円、狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。本日は重要イベント目白押し(7/21朝)

20日(水)のドル円相場は狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。

ドル円、狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。本日は重要イベント目白押し(7/21朝)

ドル円、狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。本日は重要イベント目白押し

〇ドル円、重要イベント控え、海外時間も138円台前半で方向感に欠ける展開
〇ユーロドル、ノルドストリーム1再開と伊政局の先行き不透明感に一時1.0156まで急落
〇ドル円、転換線に下支えされ底堅く、テクニカルの地合い強い
〇本日、日銀金融政策決定会合、ECB理事会、ノルドストリーム定期点検終了の3イベントに注目
〇引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:137.50ー139.50

海外時間のレビュー

20日(水)のドル円相場は狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。@5・10日要因を背景とした公表相場決定にかけてのドル買い・円売り(ドル不足)や、A日経平均株価の急上昇(リスク選好の円売り圧力)が支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、高値138.38まで上昇しました。しかし、前日高値138.40をバックに伸び悩むと、B重要イベントを控えたポジション調整(7/21に予定されている日銀金融政策決定会合やECB理事会を控えた警戒感)が重石となり、アジア時間午後にかけて、安値137.90まで反落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、海外勢参入後に持ち直し、本稿執筆時点(日本時間7/21午前5時30分現在)では、138.27前後で推移しております。尚、昨日発表された米6月中古住宅販売件数(結果512万件、予想536万件、前回541万件)は冴えない結果となりましたが、ドル円相場への影響は限定的となりました。

20日(水)のユーロドル相場は上昇後に急反落。@株式市場の堅調推移(リスク選好のドル売り圧力)や、Aイタリアを巡る政局不透明感後退(ドラギ首相は議会上院演説で「連立与党の支持が得られれば首相に留まる用意がある」との前向きな発言)、B7/21に予定されているECB理事会での50bp利上げ観測が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.0273まで上昇しました。

しかし、一目均衡表基準線やボリンジャーミッドバンドに続伸を阻まれると、C急ピッチな上昇に対する反動売りや、D欧州経済の先行き不透明感(スタグフレーション懸念が燻る中での金融引き締めは経済への逆風)、Eロシアと欧州を結ぶ主要ガスパイプラインである「ノルドストリーム1」再開への不確実性(一部通信社より予定通り再開されると伝えられているが、本当に再開されるのか否か不透明)、F上記Eを背景とした天然ガス先物価格の急上昇、Gユーロ圏7月消費者信頼感指数(結果▲27.0、予想▲24.9、前回▲23.6)の冴えない結果、Hイタリアを巡る政局不透明感再燃(複数の政党がドラギ氏の支持を拒否)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0156まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間7/21午前5時30分現在)では、1.0179前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は前日(7/19)に一時137.38まで下げ幅を広げるも、結局わずか1日で138円台を回復する底堅い動きとなりました(一目均衡表転換線に下支えされる形で反発→下値の堅さを再確認)。ローソク足が全てのテクニカルポイントを上回っている他、日足・週足・月足の全てで強い買いシグナル(一目均衡表三役好転、強気のパーフェクトオーダー、ダウ理論の上昇トレンド)が点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いの強さを印象付けるチャート形状となっております。

こうした中、本日は、@日銀金融政策決定会合、AECB理事会、Bノルドストリーム定期点検終了の3つのイベントに注目が集まります。

まず、日銀金融政策決定会合および黒田日銀総裁記者会見については、大規模金融緩和の現状維持が見込まれます。展望レポートでは、2022年度コアCPI見通しの上方修正のみならず、同年度の経済成長率見通しの下方修正が予想されているため、こちらも日銀による金融緩和長期化の連想に繋がると推察されます(日本経済の先行き懸念→金融緩和からの脱却は時期尚早→金融緩和長期化観測→円全面安→ドル円上昇)。尚、安倍晋三元首相の死去や、参院選での与党大勝は、今会合における政策判断へ影響を与えないと考えられます。

次にECB理事会については、ここ数日で突如50bpの大幅利上げ観測が浮上しため、市場の関心は利上げ幅が25bpなのか50bpなのかに移っています。マーケットの織り込み度合は25bpと50bpで半々となっているため、25bpの場合であっても、50bpの場合でもあっても、相応にユーロドル相場に影響を与えそうです(当方は50bpの利上げを予想しているため、欧州経済への悲観的な見方を通じて、一巡後に資産現金化需要のドル買いに繋がるシナリオを想定→ドル円上昇)。

最後にノルドストリーム1の定期点検終了については、7/19に一部通信社より「予定通り再開される」との内容が伝えられ、一時的に安堵感に包まれましたが、本当に再開されるのか否かを巡る不確実性は根強く(仮に再開されたとしても供給量が大幅に絞られる恐れあり)、まだまだ予断を許さない状況が続いています(仮に供給がなされない場合には、市場心理の悪化を通じて、リスクオフが再燃する恐れがあり、対ユーロでドル買いが強まる可能性あり→ドル円上昇)。

ドル円、狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。本日は重要イベント目白押し

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(@日銀による金融緩和継続に伴う円売り圧力と、AECBによる大幅利上げを通じた過剰流動性相場逆流とそれに伴う資産現金化需要のドル買い圧力、B天然ガス供給懸念拡大に伴う対ユーロでのドル買い圧力の組み合わせ。状況次第で心理的節目140.00を試すシナリオも想定)。

本日の予想レンジ:137.50ー139.50

オーダー/ポジション状況

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