ドル高の調整局面か、ただ下値も堅そう
〇本日のドル円、日中安値138.05レベルまで一時下落、16時現在138.20-25で推移
〇先週高値139.39示現後は調整局面入りか、短期的にはドル続落に注意
〇 7月米FOMC、1%利上げ思惑から「0.75%の利上げ」へと若干トーンダウン
〇本日は7月NAHB住宅市場指数、5月対米証券投資、大手米金融決算発表を注視
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは137.50-138.60、138.60レベルの攻防に注目
<< アジア市場の動き >>
週明け18日のアジア市場はドルが小安い。東京休場が「海の日」で休場となるなか、一時ドル売りが進行し138円割れをうかがう局面も。
先週末は、実施されたG20財務相・中銀総裁会議が閉幕するも、ウクライナ侵攻をめぐり意見の相違が目立ち、結局共同声明の採択は出来ず。また、バイデン米大統領が中東を訪問するなど積極的な原油増産外交に動いたが、とくに目立った成果は挙げられなかったもようだ。
そうした状況下、ドル/円は138円半ばで寄り付いたのち、緩やかな右肩下がり。新規材料難のうえ、東京休場で参加者が乏しいなか、日中安値である138.05円レベルまで一時下落している。しかし138円は割り込めず、その後は低位揉み合いに。138円前半での一進一退をたどるなか、16時現在では138.20-25円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「米国の石油増産要請」について。
前者は、ウクライナ国防省から「ロシア軍の拠点を30ヵ所以上破壊した」との発表が聞かれた反面、ロシア国防省は米国供与の高機動ロケット砲システム「ハイマース」など「欧米供与の兵器などを破壊した」ことを明らかに。それぞれの言い分を鵜呑みにすれば、戦闘は五分であるのかもしれない。ただ、米シンクタンクである戦争研究所は、ロシア軍が一時的に休止していた本格的な攻撃を再開し始めたようだとの分析を公表しており、まだまだ予断を許さない。
対して後者は、サウジアラビア西部ジッダで開かれた湾岸協力会議(GCC)の拡大首脳会議出席に合わせてバイデン米大統領が中東諸国を訪問。そのなかで、サウジのムハンマド皇太子と個別に会談するなど、精力的な動意が観測されるも、具体的な成果はなしか。事実、先のGCC首脳会議で原油増産に関する新たな具体策への言及がなかったうえ、ロイターでは「イスラエルを含む地域の安全保障や原油の即時増産に関するコミットメントを得ることはできなかった」と伝えていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は先週14日に139.39円の高値を示現したものの、そののち本日に至る動きをみると再び調整局面入りした。ただ、その場合でもこれまで同様に基本的には価格ではなく時間調整か。まずは138円レベルが目先のサポートで、割り込んでも137円半ばそして137円前後などと下方向は50銭刻みでテクニカルポイントが。ドルの下値も取り敢えずは底堅そうだ。
7月26-27日に開催される米FOMCにおいて、一時「1.0%の利上げ実施」との見方が有力だったが、それが「0.75%の利上げ」へと若干トーンダウンしている。それもあり、「織り込み過ぎた」分のドルロングを吐き出す動きが、足もとの調整を誘発しているのかもしれない。したがって、ごく短期的にはさらなる調整の動きも否定できないものの、大きな流れはドル高・円安方向か。発表される米経済指標や株価の動きなどをにらみつつだが、調整一巡後は再びドル高へと振れる展開を予想する向きが多い。
テクニカルに見た場合、ドル高基調そのものは継続しているものの、足もとは調整局面入りか。その調整も、基本は価格ではなく時間調整と考えるが、一部からはいま一段の下押しを警戒する声も聞かれている。短期的にはドルの続落にも要注意。ちなみに、起点を6月半ば安値131.49円とした場合の上げ幅の23.6%押しは137円半ば、38.2%押しは136.35-40円だ。
一方、本日は米経済指標として、7月のNAHB住宅市場指数や5月の対米証券投資の発表が予定されている。またゴールドマンサックスをはじめとする大手米金融の決算発表にも要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは137.50-138.60円。ドル高・円安方向はまずアジア高値の138.60円レベルの攻防に注目で、抜ければ139円台を目指す。
対するドル安・円高方向は、本日アジアで抜けられなかった138円レベルが最初のサポート。割り込めばフィボナッチポイントの137円半ばがターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2022.07.19
ドル円、次回FOMCでの100bp利上げ観測後退で一時138円割れ(7/19朝)
週明け18日(月)のドル円相場は上値の重い展開。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:山中 康司
2022.07.18
ドル円 140円の大台を前に調整局面(週報7月第3週)
先週のドル円は、週初からユーロドルがパリティを試す動きが続き対ユーロでのドル買いがドル円も底堅くする流れが見られました。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。