ドル高基調継続も目先は再び調整局面入りか
〇本日のドル円、積極的な動意に欠け、134円台後半を中心とした一進一退
〇2日にわたり、FRB議長は積極的な利上げを続ける姿勢を示したうえ、事実上のドル高容認発言も
〇中期的なドル高基調は変わらないが、短期的にはドル高一服、再び調整局面入りの可能性
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは134.00-135.30、135.20-30が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、134.27が目先のサポート
<< 東京市場の動き >>
24日の東京市場はドルが小安い。基本は134円台後半を中心とした一進一退をたどるなか、終盤はややドル売りが目に付いた。
ドル/円は134.95円レベルで寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。日米金利や株価の動きをにらみつつ、一時135円台前半へとドル高が進展するも、勢いは続かなかった。再び134円台へと押し戻されると、終盤掛けてはドルの下げが加速。16時現在ではドル安値圏、134.55-60円で推移し欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「FRB議長の議会証言」と「中国情勢」について。
前者は、22日の半期に一度の米上院議会証言で、パウエルFRB議長は「景気後退の可能性はある」と認めつつも、積極的な利上げを続ける姿勢を示し話題となったことに続き、23日には下院金融サービス委で「利上げを背景とした外国為替市場でのドル高にインフレを緩和する効果がある」と述べ、思惑を呼んでいたようだ。実質的なドル高容認発言であり、今後折に付け市場ではドル買い安心感を醸したものとして話題となる可能性もある。
対して後者は、台湾国防部が「中国軍機22機が今週2度目の防空識別圏に侵入した」と発表。また日本に対しても、防衛省の発表で「中国軍の爆撃機3機が沖縄本島と宮古島のあいだの上空を往復した」ことが明らかになっている。威嚇行為とみられる「力による現状変更」への圧力が強まるなか、日中は海洋会議開催し、領海侵入の「懸念」を伝達するとともに対応を求めたという。
<< 欧米市場の見通し >>
ようやく調整局入りかも、と気を許すなか逆に間隙を突く格好でドルは高値更新という展開もあるが、チャートなどを見ると市場は少し落ち着いてきた感があり、短期的にはドルの上値トライも仕切り直しか。しかし、その場合でも価格ではなく時間的な調整が予想されており、ドルは底堅いイメージだ。ただし、16日安値131.49円を起点とした上昇のフィボナッチによると、134.10円あるいは133円半ばを下回った場合にはその限りでない。
2日間にわたって実施された半期議会証言で、パウエルFRB議長からは積極的な利上げを続ける姿勢が示されたうえ、事実上のドル高容認発言も聞かれていた。つまり、ドル買い・円売りへのお墨付きが与えられ、基本的な部分でのドル買い安心感が高まった感もある。足もとについては、性急な米利上げなどによる景気減速懸念も聞かれており、それが一方的な円売りに歯止めをかけているものの、落ち着きを取り戻せば再びドル高・円安方向への動きを強めることにもなりかねない。
テクニカルに見た場合、中期的なドル高基調は変わらないが、短期的にはドル/円のドル高も一服し、再び調整局面入りをうかがわせている。基本的には価格ではなく時間調整が予想され、大きく下落するイメージに乏しいものの油断は禁物。16日安値131.49円を起点としたフィボナッチでは、上昇幅の半値押しが134.10円、そして61.8%押しが133円半ばとなる。それらを下回った場合には100%戻しも否定できない。
一方、本日は米経済指標として、6月のミシガン大学消費者信頼感指数確報や5月の新築住宅販売件数が発表されるほか、米サンフランシスコ連銀総裁の講演なども実施される見込みだ。そのほか本日まで実施されるEU首脳会議、週末開催されるG7首脳会議に先立ち行われるG7外相会合などにも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは134.00-135.30円。ドル高・円安方向は本日東京時間のドル高値圏に当たる135.20-30円が最初の抵抗。抜ければ136円に向かうが目先の上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日安値134.27円が目先のサポート。また、その少し下には前述したフィボナッチポイントが位置している。なかなか底堅いイメージだが、それでも133円に突入すれば深めの押しが入る危険性もあるだろう。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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