ドル円、心理的節目135円を挟んで一進一退。祝日明けの米国勢に要注目(6/21朝)

週明け20日(月)のドル円相場は上下しつつも方向感を見出しづらい展開。

ドル円、心理的節目135円を挟んで一進一退。祝日明けの米国勢に要注目(6/21朝)

ドル円、心理的節目135円を挟んで一進一退。祝日明けの米国勢に要注目

〇ドル円岸田首相・黒田総裁の円安牽制発言等に欧州時間に134.54まで下落
〇その後は株価の堅調等に135円台を回復
〇ユーロドル、欧州株堅調とECB関係者のタカ派発言に一時1.0546まで上昇し1.05台で推移
〇ドル円、下値の堅さ再確認し、テクニカルの地合い極めて強い
〇ファンダメンタルズも日米金融政策の方向性の違いや米国のドル高容認姿勢がドル円をサポート
〇目先は6/15に記録した約23年8ヵ月ぶり高値135.60を試すシナリオを想定
〇本日の予想レンジ:134.25ー135.75

海外時間のレビュー

週明け20日(月)のドル円相場は上下しつつも方向感を見出しづらい展開。アジア時間朝方にかけて、高値135.43まで上値を伸ばすも、先週6/15に記録した約23年8ヵ月ぶり高値135.60をバックに伸び悩むと、@日経平均株価の冴えない動き(リスク回避の円買い圧力)や、A岸田首相・黒田総裁会談における「急激な円安は憂慮すべき」との円安牽制発言(135円台が新たな黒田シーリングに設定されたとの思惑)などが重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値134.54まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、B欧米株の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)や、C米市場休場に伴うポジション調整(米国は奴隷解放記念日の振替休日で祝日)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間6/21午前5時00分現在)では、135.10前後まで持ち直す動きとなっております。

週明け20日(月)のユーロドル相場は堅調な値動き。@週末に実施されたフランス下院選挙の決選投票でマクロン大統領率いる与党連合が過半数を大きく割り込んだこと(前回の350議席に対して今回は過半数の289議席を大幅に割り込む245議席まで大幅減少)や、Aロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの悪化懸念(ウクライナのゼレンスキー大統領は「ロシアによる攻撃が今週以降激化する可能性がある」との見解を発表)が重石となり、アジア時間早朝にかけて、安値1.0472まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、B欧州株の堅調推移(リスク選好のドル売り圧力)や、Cラトビア中銀カザークス総裁による「今夏に合計75bpの利上げを支持する(7月に25bp、9月に50bp)」とのタカ派的な発言、Dポルトガル中銀センテノ総裁による「ECBは分断化リスクの防止にコミットしている」とのタカ派的な発言が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.0546まで上昇しました。その後も、EラガルドECB総裁による「7月に25bp利上げする意向」「9月にも追加利上げを実施する方針」とのタカ派的な発言などが下支えとなり、本稿執筆時点(日本時間6/21午前5時00分現在)では、1.0510前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は5/24に記録した直近安値126.36をボトムに反発に転じると、6/15に約23年8ヵ月ぶり高値135.60(1998年10月以来の高値圏)まで急伸しました。その後、翌6/16に一時131.49まで急落する場面が見られましたが、現在は再び135円絡みへ回復するなど、下値の堅さを再確認する結果となっております。ローソク足が全ての主要テクニカルポイントを上抜けしている他、強い買いシグナルを示唆する三役好転や強気のパーフェクトオーダーも成立するなど、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。

ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派姿勢の明確化(先週実施された米FOMCで75bpの利上げが行われると共にドットチャートも上方修正。米政府・当局は中間選挙に向けて「景気下支え」よりも「インフレ抑制」を重視する構え)や、A日銀による金融緩和の長期化姿勢(先週実施された日銀金融政策決定会合で金融政策の現状維持を発表。市場の度重なる緩和修正催促にも係わらず、黒田日銀総裁は記者会見でゼロ回答)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大に伴うドル買い・円売り)、C世界的な円独歩安のトレンド(米国のみならず、英国・カナダ・ニュージーランド・オーストラリア・南アフリカ・メキシコ・チリ・ポーランド・マレーシア・ペルー・フィリピン・ハンガリー・韓国・ユーロ圏・スイスなど殆どの国が金融引き締め政策に転換済み→日本と世界の金融政策格差拡大→クロス円上昇→ドル円連れ高)、

D米国によるドル高容認姿勢(先週発表された米財務省の半期為替報告書において最近の円安に対するけん制が入らず→米国はインフレ抑制に繋がり得るドル高を容認する構え→日銀は米国への配慮から事実上円買い為替介入には踏み切りにくい状態)など、ドル円相場の続伸を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(目先は6/15に記録した約23年8ヵ月ぶり高値135.60を試すシナリオを想定。135円台は「新・黒田シーリング(旧・黒田シーリングは125円)」として警戒されているため、同水準を上抜けて136円台に到達した場合は、黒田総裁による口先介入が効きづらくなっているとの悲観的な見方を通じて、失望の円売りに拍車がかかる恐れあり)。尚、本日は祝日明けの米国勢の動きや、米経済イベント(米5月シカゴ連銀全米活動指数、米5月中古住宅販売件数)および米当局者発言(クリーブランド連銀メスター総裁、リッチモンド連銀バーキン総裁など)に注目が集まりそうです。

本日の予想レンジ:134.25ー135.75

注:ポイント要約は編集部

ドル円、心理的節目135円を挟んで一進一退。祝日明けの米国勢に要注目

ドル円日足

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