ドル円、米金利急上昇で直近高値を再び更新。いよいよ注目のFOMCへ突入(6/15朝)

14日(火)のドル円相場は下落後に急上昇。

ドル円、米金利急上昇で直近高値を再び更新。いよいよ注目のFOMCへ突入(6/15朝)

ドル円、米金利急上昇で直近高値を再び更新。いよいよ注目のFOMCへ突入

〇ドル円、日銀による臨時国債買い入れオペの増額発表、米長期金利の急上昇に135.45まで急伸
〇ユーロドル、経済指標不冴え、欧州景気先行きの悲観、米長期金利の急上昇に1.0415まで反落
〇ドル円、1998年10月以来、約23年8ヵ月ぶり高値を更新、テクニカルの地合い極めて強い
〇明日未明のFOMC結果公表、パウエル議長記者会見要注視
〇引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:134.00ー137.00

海外時間のレビュー

14日(火)のドル円相場は下落後に急上昇。@世界的な金融引き締めに端を発したリスクアセットの大暴落や、A上記@を背景としたリスク回避の円買い圧力(クロス円下落→ドル円連れ安)、B日銀による金融緩和の修正観測(本邦10年債利回りが前日の円債市場でYCC目標レンジ上限の0.25%を超過→日銀が超過を容認したとの思惑台頭)が重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値133.88まで下落しました。しかし、前日安値133.60をバックに下げ渋ると、C日銀による臨時国債買い入れオペの増額発表(上記Bの観測後退)や、D米長期金利の急上昇(米FRBによる大幅利上げ観測→米10年債利回りが2011年4月1日、約11年2ヵ月ぶり高水準となる3.49%へ急上昇)、E直近高値突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売りが支援材料となり、米国時間午後にかけて、1998年10月以来、約23年8ヵ月ぶり高値となる135.45まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間6/15午前5時00分現在)では、135.20前後で推移しております。

14日(火)のユーロドル相場は冴えない動き。@世界的なリスクオフ(資産現金化需要のドル買い圧力)を背景に、アジア時間朝方にかけて、安値1.0397(5/16以来、約1カ月ぶり安値圏)まで下げ幅を広げるも、5/13に記録した約5年4カ月ぶり安値1.0350(2017年1月以来の安値圏)をバックに下げ渋ると、A米FOMCを控えたポジション調整(イベント前のショートカバー)や、B米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.0483まで反発しました。しかし、心理的節目1.0500をバックに伸び悩むと、Cドイツ6月ZEW景況感指数(結果▲28.0、予想▲27.5)の冴えない結果や、Dリントナー独財務相による「スタグフレーションはあり得るシナリオ」との悲観的な発言、E米長期金利の急上昇(米10年債利回りが3.27%から3.49%へ急上昇)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間6/15午前5時00分現在)では、1.0415前後まで反落する冴えない動きとなっております。

本日の見通し

ドル円は一時135.45まで急伸するなど、1998年10月以来、約23年8ヵ月ぶり高値を更新しました(5/24に記録した安値126.36をボトムにわずか3週間で9.09円の上昇幅)。上位足から下位足に至る全てのテナーで強い買いシグナル(一目均衡表三役好転や移動平均線の強気のパーフェクトオーダー、ボリンジャーバンドの強気のバンドウォーク、ダウ理論の上昇トレンドなど)が複数点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。こうした中、本日は日本時間16日午前3時00分に発表される米FOMCと、同3時30分から開始されるパウエルFRB議長記者会見に注目が集まります。先週末金曜日に発表された米5月消費者物価指数が前年同月比+8.6%と約40年5ヵ月ぶり高水準を記録したことで、米FRBがもう一段タカ派色を強めるとの観測が広がっています(米ゴールドマン・サックスや野村ホールディングス、JPモルガン・チェースやバークレイズなどのアナリストは今会合における利上げ幅の予想値を50bpから75bpへ急遽上方修正)。

利上げ幅が75bpに決定される場合や、同時公表される経済見通し(SEP)で米国のスタグフレーション懸念が示される場合、ドットチャートで9月以降の大幅利上げが示される場合、パウエルFRB議長よりインフレ退治に向けた強いコミットメントが示される場合などには、「米長期金利上昇→日米名目金利差拡大→ドル買い」の経路と、「米長期金利上昇→リスクアセット下落→資産現金化需要のドル買い」の経路が組み合わさることから、ドル円には強い上昇圧力が加わるものと推察されます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(本日は米FOMC後にボラティリティが著しく高まる展開が見込まれるため、予想レンジを3円幅に設定いたします。上値目途としては1998年10月に記録した高値136.90)。

本日の予想レンジ:134.00ー137.00

注:ポイント要約は編集部

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ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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