FOMCにらむ展開、ただ米株の動きが波乱要因(6/14夕)

14日の東京市場はドルが小高い。ただ、前日記録した135円台を一度も回復できないなど、やや上値の重さも感じられた。

FOMCにらむ展開、ただ米株の動きが波乱要因(6/14夕)

FOMCにらむ展開、ただ米株の動きが波乱要因

〇本日のドル円、日中133.85-90まで下落後、一時は1円近い戻りを記録するも、135円台回復できず
〇本日欧米時間は基本的に明日のFOMC待ちだが、米株価の動き次第ではリスク回避志向強まる可能性も
〇3週間足らずで9円近い上昇となったことから、調整の動きを警戒する声も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは133.70-134.90、134.80-85が最初のターゲット
〇ドル安・円高方向は、東京安値の133.85-90をめぐる攻防に注目

<< 東京市場の動き >>

14日の東京市場はドルが小高い。ただ、前日記録した135円台を一度も回復できないなど、やや上値の重さも感じられた。

ドル/円は134.40円レベルで寄り付いたのち、当初はドル売り先行。日米株価の動きなどをにらみつつ134円を割り込むと、日中安値の133.85-90円まで値を下げている。調整の動きに加え、一部輸出メーカーからまとまったオーダーが出たとの指摘も。しかし、目先底値を付けたのちは急反発に転じ、一時は1円近い戻りを記録。16時現在でもそのままドルは高値圏、134.55-60円で推移し欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ほかの金融市場の動き」と「新型コロナ」について。
前者のうち、NYダウがザラ場ベースで一時1000ドルを超える下落を記録(終値ベースでは876ドル安)。またS&P500も過去最高値から20%超の下げで、ロイターでは「弱気相場入りが確認された」と報じていた。また、それとは別に暗号資産(仮想通貨)ビットコインは1年半ぶりの安値を示現。大手融資サービスのセルシウス・ネットワークが出金や送金などを一時停止したことが嫌気され、売りがかさんでいたという。
対して後者は、徐々にニュースにならなくなってきたと思うなか、時折気になるニュースが伝えられ、まだ完全に過去の事象になっていないことが改めて思い起こされる。昨日も、バイデン米大統領らと最近面会したとされるベセラ米厚生長官、そしてカナダのトルドー首相がコロナに罹患したとして一部で話題に。ただ、バイデン氏らは濃厚接触者に当たらない見込みだという。一方、中国では孫副首相が、新型コロナの集団感染が発生した北京市中心部を視察し、「感染者をひとりも漏れなく確保せよ」と指示したと伝えられていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は昨日ついに135円台へ。定着はできなかったが、2002年高値135.20円に一時面合わせしている。リスクという点ではドル高方向にバイアが掛かることは間違いなく、前述した135.20円を超えれば、再びドルの上値は青天井となりかねない。ドルの大幅続伸懸念も聞かれるなか、日経新聞をはじめとする主要全国紙などで「円安」が大々的に報じられたことで、「反落へのフラッグが立った」などといった声も一部で取り沙汰されていたようだ。
日銀と、FRBやECBといった欧米通貨当局とのスタンスの違いは明白ながら、市場では明日の米FOMCによる金融政策の発表を見極めたいとの向きがある。そのため、本日の欧米時間には材料がいくつかものの、基本的には明日のFOMC待ちで動意の乏しい展開となる可能性もある。ただ、不確定要素は前段でも取り上げた米株価。大幅続落をたどれば、為替市場でさらなるリスク回避志向が強まる展開も。

テクニカルに見た場合、ドル/円は引き続きドル高・円安方向にリスクが高いものの、明日の米FOMC結果発表を前にした調整の動きを警戒する声もある。5月24日安値126.36円を起点と考えても、3週間足らずで9円近い上昇をたどっており、ポジション的にかなりの偏りがあることは確かだろう。少し遠いが、ここ数日ドルが下げ止まっている133円前半から半ばを下回ると、さらなるドルの下押しもあるだろう。

一方、本日は米経済指標として、5月の生産者物価指数などが発表されるほか、明日までの日程で米FOMCが開始される予定となっている。ただ、決まり物という意味では幾分材料が少ないようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは133.70-134.90円。ドル高・円安方向は、東京高値にあたる134.80-85円が最初のターゲット。超えると昨日記録した135.19円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、東京安値の133.85-90円をめぐる攻防に注目。また、割り込んでも133円台のサポートは多く、短期的には意外に底堅いイメージか。

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ドル円日足


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