ドル円、一時129円ミドルへ反落するも下値は堅い。米雇用統計がメインイベント
〇ドル円、雇用統計前ポジション調整とADP雇用統計の不冴えに米国朝方129.52まで下落
〇その後は米新規失業保険申請件数の良好な結果、米長期金利上昇に129.85レベルに持ち直す
〇ユーロドル、1.07台半ばに反発、株価の堅調、引き締め観測からの欧州債利回りの上昇等が背景
〇ドル円下値の堅さを再確認し、テクニカルの地合い強い
〇本日発表の米雇用統計、ポジティブサプライズに要注意
〇ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想、本日の予想レンジ:129.25ー130.75
海外時間のレビュー
2日(木)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。アジア時間朝方にかけて、高値130.24(5/11以来、約3週間ぶり高値圏)まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、@重要イベントを控えたポジション調整(急ピッチな上昇に伴う反動売り)や、A米5月ADP雇用統計(結果+12.8万人、予想+30.0万人)の冴えない結果、B上記Aを背景とした米長期金利の低下(米10年債利回りは一時2.89%へ低下)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値129.52まで反落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、C米新規失業保険申請件数(結果20.0万件、予想21.0万件)の良好な結果や、DブレイナードFRB副議長による「9月に利上げを休止する理由を見出すのは極めて難しい」とのタカ派的な発言、E上記Dを背景とした米長期金利の持ち直し(米10年債利回りは一時2.89%から2.92%へ上昇)、F米主要株価指数の堅調推移(リスク選好のクロス円買い→ドル円連れ高)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間6/3午前5時10分現在)では、129.85前後まで持ち直す動きとなっております。
2日(木)のユーロドル相場は急上昇。アジア時間朝方にかけて、安値1.0645まで下げ幅を広げるも、前日安値1.0626(5/23以来の安値圏)をバックに下げ渋ると、@米5月ADP雇用統計の冴えない結果や、A米金利低下に伴うドル売り圧力、B株式市場の堅調推移(リスク選好のユーロ円上昇→ユーロドル連れ高)、CECBによる金融政策・早期正常化観測(ドイツ10年債利回りは2014年7月以来、約8年ぶり高水準となる1.24%へ急上昇)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0751まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間6/3午前5時10分現在)では、1.0749前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時130.24(約3週間ぶり高値圏)まで上昇するなど、堅調推移が続いております(米5月ADP雇用統計後に一時129円ミドルへ反落するも、結局129円後半へと持ち直すなど下値の堅さを再確認)。ローソク足が主要テクニカルポイント(一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線など)を軒並み上回っていることや、強い買いシグナルを示唆するパーフェクトオーダーが成立していることなどを踏まえると、テクニカル的な見て地合いは強いと判断できます(5/9に記録した約20年ぶり高値131.36が射程圏内)。こうした中、本日は米国時間に発表される米5月雇用統計に注目が集まります。同指標の前哨戦として意識されていた米ADP雇用統計が冴えない結果となったことで、市場参加者の期待値が下がっているため、今晩は市場予想を上回るポジティブサプライズに注意が必要でしょう。
また、今回は非農業部門雇用者数や失業率に加えて、平均時給への関心度が高まっているため、堅調な労働市場と、賃金インフレが共に確認されれば、米主要株価指数の上昇と、米長期金利の上昇が組み合わさることから、ドル円には強い上昇圧力が加わるものと推察されます。今週はバイデン米大統領とパウエルFRB議長の会談を通じてインフレ抑制姿勢が明確化された他、米ISM製造業景気指数の力強い結果を受けて米経済の過度な悲観論が後退し、更に昨日はブレイナードFRB副議長による9月利上げ休止説の否定発言も加わるなど、ドル高・円安に繋がる材料が一気に増えました。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:129.25ー130.75
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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