米雇用統計注視、荒い変動続く米株にも注意(5/6夕)

6日の東京市場はドルが続伸。一時130.80円レベルまで値を上げ、年初来高値(131.25円)を視界内に捉えた動きとなっている。

米雇用統計注視、荒い変動続く米株にも注意(5/6夕)

米雇用統計注視、荒い変動続く米株にも注意

〇ドル円続伸、一時130.80レベルを示現、下値は130円半ば程度までで底堅い
〇年初来高値131.25を視界内に捉えた動き、リスクは再びドル高方向、早ければ本日中に131.25トライか
〇米国が利上げに踏み切るなか、英国や欧州も利上げ基調、日本は異質な異次元緩和政策の継続
〇本日発表の4月米雇用統計に注目、値動きの荒っぽいNYダウなど米株価にも要注意
〇欧米時間のドル/円予想レンジは129.70-131.10、本日東京高値の130.80レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、130円前後をめぐる攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

6日の東京市場はドルが続伸。一時130.80円レベルまで値を上げ、年初来高値(131.25円)を視界内に捉えた動きとなっている。

ドル/円は130.20円前後で寄り付いたのち、当初からドル買い先行。昼前には日中高値130.80円レベルを示現している。その後はやや調整の動きが強まるも底堅く、下値は130円半ば程度まで。NY時間に予定されている米雇用統計待ちの様相を呈するなか、130.50-70円のレンジ取引となり、16時現在では130.55-60円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「英欧金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、4日に米国が22年ぶりの大幅利上げ、「FF金利の誘導目標を0.5%引き上げる」と発表したことに続き、5日には英国も0.25%の追随利上げを実施している。ただ、先行きについては「慎重な利上げが求められる」などとし、さらなる大幅利上げを示唆した米国とは一線を画した内容に。一方、欧州は複数の中銀関係者から金利に関する発言が出ており、たとえばフィンランド中銀総裁やオーストリア中銀総裁は利上げに前向きなコメントが聞かれていたものの、ECBのパネッタ専務理事は「7月に利上げすべきでない」と述べたとされ、意見の一本化がまだなされていないことがうかがえた。

対して後者は、前日にロシア国防省が独断で「ウクライナ南東部マリウポリのアゾフスターリ製鉄所で停戦を実施する」と発表したことに続き、プーチン氏が「マリウポリで人道回廊の用意」を表明。しかし、ウクライナ側の市長が、来週初め9日、「対独戦勝記念日前にロシア軍の攻撃強化」の可能性を指摘するなど、依然として予断を許さない。なお、ラブロフ外相が発した「ヒトラー発言」を受け、関係悪化が懸念されていた「露イスラエル関係」だが、プーチン大統領が謝罪したことでイスラエル側が取り敢えず矛を収めた格好に。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、米FOMC後のドル急落ショックから早くも立ち直ると、本日東京で130.80円レベルを示現するなど、逆に131.25円の年初来高値を再び視界内に捉えた動きとなっている。時間的な意味では調整も不十分だが、価格的には128.62円まで一時下落しており、最低限の調整を経たようだ。いずれにしても、リスクは再びドル高方向にバイアスが掛かりそうで、早ければ本日中にも前記した高値131.25円をトライする展開があっても不思議はないだろう。
先でも指摘したように、今週のFOMCで米国が利上げに踏み切るなか、英国や欧州も基調としては利上げ方向。それに対して、日本は異質な異次元緩和政策の継続となっている。つまり、ドル/円だけに限らず、金利差ということを考えると円は対ポンドでもユーロでもさらに売り進まれても不思議はなさそうだ。そうしたなか、本日は4月の米雇用統計が発表される予定で、まずはその内容に注目。また、今週以降だけでも一日の変動幅が1000ドルを超えることもあり、かなり値動きの荒っぽいNYダウをはじめとする米株の動きにも一応要注意。

テクニカルに見た場合、週足ドル/円は前週まで3週連続で記録していた、前週の年初来高値更新が今週も続くのかにまずは注目。先日128.62円まで下落した際には記録が途切れることは確実と思っていたのだが、そののち回復し逆に足もとは先週高値131.25円を視界内に捉えた動きとなっている。
また、それとともに週足陽線の連続有無にも注目。129.70円レベルをNYクローズで維持すれば、こちらは達成ということになりそうだ。

材料的に見た場合、中長期的には、昨日米USTR代表が「対中関税見直しは実のある協議プロセスをともなう」と発言していた「中国情勢」。WHOが「新型コロナ死者は公表数の3倍にのぼる可能性もある」と発表し思惑を呼ぶ「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「北朝鮮情勢」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、4月の雇用統計が発表される。市場の関心が高い非農業部門雇用者数は前月よりやや縮小するも、それでもプラス38万人程度が予想されているようだ。また、その後実施される米地区連銀総裁の講演も、あわせて注視されている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは129.70-131.10円。ドル高・円安方向は本日東京高値の130.80円レベルが最初の抵抗で、抜ければ131円、そして131.25円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期ベースで直近安値にあたる130円前後をめぐる攻防にまずは注目。割り込むと、下余地は意外に大きく最大では129円割れも否定できない。

米雇用統計注視、荒い変動続く米株にも注意

ドル円日足


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