米FOMCに注目、タカ派度合いの見極めへ
〇ドル円130円台前半、FOMC結果公表控え積極的な売買見送り
〇FOMC、0.5%の利上げは織り込み済み、先々の見通しがより注視されている模様
〇現状はドル円の中期ドル高基調継続のなかの時間調整局面
〇FOMC後に再びレンジ放れを試す展開を見込む声も
〇本日欧米時間のドル円予想レンジは129.50-131.00
<< アジア市場の動き >>
4日のアジア市場は横這い推移。東京休場に、NY時間の米FOMC発表が加わり、積極的な売買はほぼ見送られていた。
ドル/円は130.10-15円で寄り付いたものの、極めて狭いレンジ取引。ここ最近の為替市場は「動かない」といっても50-70ポイント程度は変動していたが、本日はベタ凪と言っても過言はない動きだった。130円前半、20ポイントにもとどかないほぼ横這い推移に終始。16時現在でも130.15-20円で推移、欧米市場を迎えている。
なお、ドル/円以外でも為替市場は全般的に動意が乏しいなか、豪ドルはやや活発な動意。対円などで一時買い進められる局面も。
一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、ウクライナにおける戦闘や、英国など西側諸国からのウクライナ支援に関する話題が引き続き取り沙汰されるなか、ロシアのラブロフ外相が先日発した「ドイツのヒトラー総統はユダヤ系だった」とのコメントが、別途場外乱闘のように本筋とは関係のないところで新たな火種になってきた。とくにイスラエルとの確執は強く、同国外務省が「許しがたい誤り」と反発したことに対し、ロシアサイドは「ウクライナのネオナチ政権を支持するイスラエル政府の方針を示している」とした声明を発表するなど、今後の情勢が懸念されている。
対して後者は、米国のトーマスグリーンフィールド国連大使が記者会見で、安全保障理事会で協議を続けている対北朝鮮制裁を強化する決議案について、今月中の採決を目指す考えを示すなか、北朝鮮外務省は「戦犯国が戦争に直接加担する行為」などとし、日本のウクライナ支援を非難する声明を発表している。また、そののち「北朝鮮が日本海に向けて何らかの飛翔体を発射」−−と報じられ、一部で話題に。ただ、為替をはじめとする金融市場への影響は限定的だった。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は先月28日に高値131.25円を付けたのち、ここ1週間ほどはレンジ取引。それも、ここにきて形成レンジは徐々に狭まってきており、実際本日アジア時間の変動は20ポイントにも満たないものだった。そんな小動きがいましばらく続く可能性も否定できないが、本日は今週最大の注目材料といってよい米FOMCの結果公表。足もとの小動きは、のちのち「嵐の前の静けさ」だった−−ということになりかねない。
今週は週末の米雇用統計発表をはじめ材料が多いが、そのなかでも本日の米FOMC結果公表がもっとも要注意。ただ、「0.5%の利上げ実施」はほぼ100%織り込まれていることで、実際の利上げよりも、先々どの程度強気の見通しを示すのかがより注視されているようだ。ちなみに、昨日ブルームバーグは元IMFチーフエコノミストのインタビューとして、「米国はインフレ抑制のために政策金利を最大5%まで引き上げる必要が生じるだろう」などと報じていたが、実際の会合でもそんな強気の見通しが示されれば、改めてドル高が進行しかねない。
テクニカルに見た場合、ドル/円の中期ドル高基調は継続のなかの調整局面。ただし、価格ではなく時間調整の様相で、足もとは下値もなかなか堅く下げ渋りの感も。
そうしたなか、次なる動意としてFOMC後に再びレンジ放れを試す展開を見込む声が多く、上方向であれば131.25円の年初来高値が再びターゲットに。対して、下方向に振れればまずは129.32円が意識されそうだ。
材料的に見た場合、中長期的には、5日に米国務長官が「対中戦略」演説を実施すると発表し思惑を呼んでいる「中国情勢」。米CDCが「義務ではなく推奨」としつつも公共交通機関でのマスク着用要請を発表している「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「北朝鮮情勢」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、4月のADP雇用統計や同ISM非製造業総合指数が発表される見込みのほか、米企業決算にも一応要注意。ただ、最大の材料は米FOMC、ならびにパウエルFRB議長の記者会見。発表前後の金融市場は乱高下も。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは129.50-131.00円。ドル高・円安方向は、直近高値130.47円が最初の抵抗。上抜けると131円、そして131.25円を再び目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期ベースでサポートとなっている129.70円レベルの攻防にまず注目。下回ると129.32円、さらには128円台も視界内にはいりかねない。
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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