ドル円、一時128円台半ばへ急落。パウエルFRB議長記者会見がドル売りを誘発(5/5朝)

4日(水)のドル円相場は大幅下落。

ドル円、一時128円台半ばへ急落。パウエルFRB議長記者会見がドル売りを誘発(5/5朝)

ドル円、一時128円台半ばへ急落。パウエルFRB議長記者会見がドル売りを誘発

〇未明のFOMC結果公表、0.5%利上げ実施、バランスシート縮小計画発表等ほぼ予想通りの内容
〇ドル円、パウエル議長会見での「インフレはあまりにも高い」発言に一時130.38まで上伸
〇その後「75bpの利上げは積極的に検討しているものではない」との発言に128.65まで急落
〇材料出尽くし感、予想ほどタカ派ではないとの解釈が為替市場の反応か
〇ユーロドルFOMC受け1.0627まで急伸後、小反落1.06近辺で推移
〇ドル円材料出尽くし感等で反落するも、テクニカルの地合い引き続き強く、
〇ファンダメンタルズもFOMCでFRBの強いインフレ警戒感示されるなどドル買い材料多い
〇ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想、本日の予想レンジ:128.00ー130.00

海外時間のレビュー

4日(水)のドル円相場は大幅下落。アジア時間帯・欧州時間帯は米FOMCを控え様子見ムードが広がる中、心理的節目130.00を挟んでのもみ合い推移に終始しました。注目された米FOMCでは、@FFレート誘導目標レンジを50bp引き上げられる(0.75%ー1.00%)と共に、Aバランスシート縮小計画(6月から8月までは月475億ドルペース、9月以降は最大950億ドルペースで縮小予定)の発表も行われました。

また、パウエルFRB議長は会合後の記者会見で、B「インフレはあまりにも高い」、C「今後2回の会合で50bpの利上げ議題を想定」、D「75bpの利上げは積極的に検討しているものではない」と発言しました。ドル円は上記Bの発言を材料に一時130.38まで上値を伸ばす場面も見られましたが、上記@Aが市場予想通りの結果となったこと(材料出尽くし感)や、上記CDが予想ほどタカ派的では無いと市場に解釈されたこと(次回6月FOMCでの75bp利上げ観測が後退→米長期金利急低下→米ドル売り)などが重石となり、米国時間午後にかけて、安値128.65まで急落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5/5午前4時50分現在)では、129.17前後で推移しております。

4日(水)のユーロドル相場は大幅上昇。アジア時間帯・欧州時間帯は米FOMCを控え様子見ムードが広がる中、1.05台前半でのもみ合い推移に終始しました。しかし、@注目された米FOMCが無風通過となったこと(材料出尽くし感)や、AパウエルFRB議長が「75bpの利上げは積極的に検討しているものではない」と発言したこと、B上記Aを背景に米長期金利が低下したこと(米10年債利回りは3.00%から2.91%へ急低下)、C株式市場の堅調推移(75bp利上げ観測後退→リスク選好ムード→株高)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0627まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5/5午前4時50分現在)では、1.0607前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は米FOMC後の材料出尽くし感と次回FOMCでの75bp利上げ観測後退を通じて一時128.65まで急落しました。しかし、ダウンサイドに複数のサポートポイントを控えていること、日足・週足・月足の全てで強い買いシグナル(一目均衡表三役好転やパーフェクトオーダーなど)が点灯していることなどを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは崩れていないと判断できます(昨日の下落はあくまで重要イベント通過後のポジション調整の範囲内。一巡後は再び上昇トレンドに戻る公算大)。ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派スタンスの明確化(パウエルFRB議長は「75bpの利上げは積極的に検討しているものではない」と発言しましたが、声明文には、“the committee is highly attentive to inflation risks”と記載されており、米FRBがインフレ抑制を最重要視していることを示唆)や、A日銀による金融緩和の継続方針(日銀は先週の金融政策決定会合および黒田総裁記者会見で金融緩和スタンスの明確化と円安容認姿勢を強調)、

B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違いなど、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(本日アジア時間帯は本邦休場で市場参加者に乏しい中、米FOMC後のドル売りの流れが続く可能性がありますが、欧州勢参入後は再びドル高地合いに戻ると予想。米長期金利が心理的節目3.00%を超えてくれば、ドル円も再び130円台に戻す可能性あり)。

本日の予想レンジ:128.00ー130.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、一時128円台半ばへ急落。パウエルFRB議長記者会見がドル売りを誘発

ドル円日足

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