円安再燃を警戒しつつも、基本は調整継続か(4/26夕)

26日の東京市場は往来相場。日米株価の動きなどに一喜一憂、128円挟みの乱高下で明確な方向性は乏しかった。

円安再燃を警戒しつつも、基本は調整継続か(4/26夕)

円安再燃を警戒しつつも、基本は調整継続か

〇本日のドル円、日米株価の動きや政府要人発言などを受け、128円挟みの乱高下、明確な方向性乏しい
〇4/20の年初来高値129.41示現後127.46-129.41というレンジ取引、本日東京時間に下限を一時下回る
〇引き続き127-128円台中心の時間調整の様相だが、ドルの下値余地拡大した感も、ドル続落にも注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは127.10-128.50、本日東京高値である128.20-25が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は東京安値の127.35レベルの攻防に注目、割り込めば127円割れの可能性も

<< 東京市場の動き >>

26日の東京市場は往来相場。日米株価の動きなどに一喜一憂、128円挟みの乱高下で明確な方向性は乏しかった。

ドル/円は128.10-15円で寄り付いたものの、上値も重くドルは上げ渋り。日米株価の動きや、鈴木財務相をはじめとする政府要人の発言などを受け、右往左往するなか一時は調整的なドル売り・円買いが先行。127円台前半まで値を崩したが勢いは続かず、そののち反転すると再び128円台を回復するなど「行って来い」に。16時現在では、127.95-00円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「円安けん制発言」について。
前者は、ロシア露国防省が「ドンバスの武器輸送インフラを爆破した」と明らかにするなど、ウクライナ国内での戦闘は依然として継続。そうしたなか、ラブロフ外相から「NATOなど西側からウクライナに供与された武器は正当な標的になる」、「第3次世界大戦の危険は現実のものであり、過小評価すべきでない」といった発言も聞かれている。停戦に向けた活動も観測されているものの、あまり明るい前途は描けない。
対して後者は、先週末にTBSが報じた「日米財務相会談で協調介入議論」との話を、週末にロイターが否定。財務省幹部の話として「TBSの報道は事実に反しており、当局として取材に応じた事実もない」と指摘していたが、本日になり鈴木財務相が改めて「為替介入議論あったとの報道は事実に反する」とコメントしていた。なお、その一方で安倍元首相から「いまの水準は日本経済にとって懸念ではなくプラスになる」、渡辺元財務官も「130円や135円は日本経済にとって悪い水準でない」と、従来とは一線を画す円安容認発言が聞かれていたという。

<< 欧米市場の見通し >>

20日に年初来高値129.41円を示現したのち、ドル/円は調整と思しき動きをたどっている。チャート的には127.46-129.41円というおよそ2円幅のレンジ取引で、価格ではなく時間調整の様相だったが、本日東京時間にレンジ下限を一時下回ってきた。ドル続落の可能性も否定できず、このあとはドル下値の攻防に注目だ。ちなみに、テクニカルには127円を割り込む危険性も取り沙汰されている。
来週3-4日に開催される米FOMCの「0.5%の利上げ」はほぼコンセンサスであり、日米金利差拡大観測を背景とした、基本的なドル高・円安傾向に変化は見られない。また、ドル高の調整を後押ししてきた本邦要人などによる「円安けん制発言」だが、前述したように若干風向きの変化もうかがえる状況だ。「円売り安心感」の再燃から、欧米投機筋などが再び積極的な円売りに動いても不思議はない。東京時間から流れが一変した動きにも一応要注意。

テクニカルに見た場合、ドル/円は引き続き127-128円台を中心とした時間調整の様相だが、本日東京時間にその下限を一時下回るなど、幾分ドルの下値余地が拡大した感もある。ドルの続落にも注意を払いたい。
しかし、逆に東京でドル下値トライを失敗したとの見方から、短期的には一転しての上値追い、再びドルの戻りをうかがう動きを見込む声も一部で聞かれていた。

材料的に見た場合、中長期的には新型コロナ感染が増加し、首都・北京で異例のロックダウン実施観測も取り沙汰されはじめた「中国情勢」。「Xデー」と言われた25日の夜に大規模パレードを実施したとされる「北朝鮮情勢」、「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、4月の消費者信頼感指数や同リッチモンド連銀製造業指数などが発表される見込みだ。また、本日はドイツにある米軍基地で、同盟国など20カ国以上が参加したウクライナへの軍事支援を主題とする国際会議を開催されるほか、国連事務総長とプーチン露大統領の会談などが予定されている。広義政治ファクターにも要注意か。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは127.10-128.50円。ドル高・円安方向は、本日東京高値である128.20-25円が最初の抵抗。上抜けても、短期的には129円は少し遠いイメージか。
対するドル安・円高方向は、やはり東京安値の127.35円レベルの攻防にまず注目。割り込めば127円割れも否定できない。

円安再燃を警戒しつつも、基本は調整継続か

ドル円日足


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