ドル円、127円台前半で冴えない動き。リスクオフ到来でクロス円は全面安
〇ドル円、本邦からの実需のドル売り、中国経済の失速懸念等に米国時間に127.03まで急落
〇ユーロドル、ロシア・ウクライナを巡る根強い地政学的リスク等に1.0638まで急落
〇ドル円、ダウンサイドに主要なサポートポイントが複数控えてる等、テクニカルの地合い崩れておらず
〇ファンダメンタルズもドル円相場の上昇を意識させる材料揃う
〇引き続き、中長期的なドル高・円安をメインシナリオとして予想
〇短期的にはリスクオフの本格到来を意識させる値動き、ドル円急落リスクの発生要警戒
〇本日の予想レンジ:126.25ー128.25
海外時間のレビュー
26日(火)のドル円相場は軟調推移。アジア時間朝方にかけて、高値128.23まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、@本邦輸出筋によるスポ末絡みのドル売り・円買いや、A新型コロナウイルス感染再拡大に端を発した中国経済の失速懸念(ロックダウンの長期化懸念→チャイナショック再来への警戒感→原油価格や鉄鉱石価格下落)、B米FRBによるタカ派傾斜観測(過剰流動性相場逆流への警戒感)、C上記ABを背景とした世界的なリスクオフ再燃(市場心理悪化→株安→リスク回避の円買いと、市場心理悪化→質への逃避の米債買い→米金利低下→米ドル売りの組み合わせ)、D上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売りが重石となり、米国時間にかけて、安値127.03まで急落しました。引けにかけて反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/27午前5時10分現在)では、127.40前後で推移しております。尚、昨日は渡辺博史元財務官より「1ドル=135円まで円安が進んでも、日本経済にとって非常に悪い水準ということはない」との見解が示されましたが、市場の反応は限定的となりました。
26日(火)のユーロドル相場は軟調推移。アジア時間朝方にかけて、高値1.0738まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、@先週末のフランス大統領選でマクロン大統領が勝利しつつも、ルペン氏との得票率の差が大幅に縮まったことに対する失望感や、Aロシア・ウクライナを巡る根強い地政学的リスク、Bリスクオフ再燃に伴うドル買い圧力(資産現金化需要のドル買い圧力と、欧州株・欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力の組み合わせ)、C上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売りが重石となり、米国時間にかけて、2020年3月以来、約2年1ヵ月ぶり安値となる1.0638まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/27午前5時10分現在)においても、1.0639前後の安値圏での推移が続いております。尚、昨日はラトビア中銀カザークス総裁による「早期に利上げを実施する必要があり、年内に最大3回行う余地がある」とのタカ派的な発言が見られましたが、市場の反応は限定的となりました。
本日の見通し
ドル円は4/20に記録した約20年ぶり高値129.40をトップに反落に転じると、昨日は一時127.03まで急落しました。但し、ダウンサイドに主要なサポートポイントが複数控えていること、日足・週足・月足の全てのテナーで強い買いシグナルが成立していることなどを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは崩れていないと判断できます(あくまで上昇トレンドの過程で見られる一時的なポジション調整の範囲内)。また、ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測や、A日銀による金融緩和の長期化方針、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大に伴うドル買い・円売り)など、ドル円相場の上昇を意識させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、中長期的なドル高・円安をメインシナリオとして予想いたします。
但し、短期的に見れば、新型コロナウイルスの感染再拡大に端を発した中国経済の失速懸念に留意が必要でしょう。中国依存度の高い国々への影響も出てくることから、世界的なリスクオフに繋がる恐れがあります。事実、ここ数日は「JPY」「USD」「CHF」が対主要通貨で上昇するなど、リスクオフの本格到来を意識させる値動きが確認されます。チャイナショック到来時は(中国からの需要減退懸念を通じて)、資源価格が下落する傾向にあるため、本邦側の視点で見ても、貿易赤字拡大懸念後退→円売り圧力後退の波及経路に繋がり易いと考えられます。ゴールデンウィーク期間中は歴史的高水準に膨らんだ円ショートのアンワインドが生じる恐れもあるため、短期的なドル円急落リスクの発生に警戒しておきたいと思っています(米ドルと円は共にリスク回避局面で選好される傾向にあるものの、クロス円急落が引き金となってドル円連れ安を招くシナリオに要警戒)。
本日の予想レンジ:126.25ー128.25
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2022.04.27
ドル円見通し クロス円全面安と米長期債利回り低下で127円を割り込む(22/4/27)
クロス円全般が一段安となったため円の買い戻し優勢となり、米長期債利回りも上昇一服で低下したことで円高へ傾斜、26日夜安値127.01円へ下落し20日深夜安値を割り込んだ。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2022.04.26
円安再燃を警戒しつつも、基本は調整継続か(4/26夕)
26日の東京市場は往来相場。日米株価の動きなどに一喜一憂、128円挟みの乱高下で明確な方向性は乏しかった。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。