ドル円128円台で堅調推移、G7、日米財務相会談も円安懸念共有なく
22日午前の東京市場でドル円は堅調推移。朝方、128.38レベルで取引の始まったドル円は昨晩パウエルFRB議長が次回FOMCでの0.5%の利上げに肯定的な発言をしたことからの米長期金利上昇と、G7、日米財務相会談で日本側以外から特段のコメントも懸念の声も出なかったこと等を背景に徐々に値を上げ、一時128.69の高値をつけた後、東京時間正午現在は128.60レベルで取引されています。
日経平均株価は、パウエル議長発言を受けて、金融引き締め加速懸念から昨晩米主要株価指数が軒並み下げたことから、大きく売りが先行、下げ幅は一時600円を超えました。ほぼ全業種で売られ、519円安で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場では序盤は米長期金利上昇に伴いドル円も上昇し、深夜過ぎに128.70の高値をつけました。しかし、その後IMF主催のパネルディスカッションでFRBのパウエル議長が「現在のインフレの状況を鑑みれば少し早めに動いた方がいいかもしれない状況」「前倒しという考え方には一考の価値がある」「(FOMCの)5月会合では0.5ポイント(の利上げ)は選択肢に入るだろう」と述べましたが、これに株式市場が売りで反応。米長期金利、ドル円ともに反落する形となりました。ドル円は一時128.06まで下押しした後128.40近辺に戻してアジア時間につないでいます。
テクニカルにはドル円は引き続き強いドル買い地合いを維持しています。本日午前は昨晩高値に一歩届かない128.69で失速。とりあえず昨晩高値128.70をクリアできるか否かが午後の焦点です。
日足のテクニカルが連日大差ない状況ですので、本日は月足のチャートを下につけますが、これを見ると2002年1月高値135.15を起点とした巨大逆ヘッドアンドショルダーが完成しつつあるように見えます。
ネックラインは127.30-35付近にあり、長期のチャートなので月足、場合によっては四半期足で判定する必要はあるものの、現在値はすでに上抜けています。2011年のヘッド部分が75円と深いため、成立後のターゲットは174.62(!)。さすがにこの水準の円安までには様々な抵抗も予想され、実現可能性はやや疑問ながら、このまま日本だけが景気回復から取り残される状況が続けば、中長期では実現可能性皆無とも言えません。逆に言えば2011年の円最高値75.35からここまで50円を超える円安になっていることは頭に置いておいて損はないと思います。今週末、今月末の終値が127.35をクリアしているかも一応要チェックです。
ドル円日足
ドル円月足
オーダー/ポジション状況
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