ドル円、ポジション調整一巡後に持ち直す展開。世界的な円安黙認が支援材料(4/22朝)

21日(木)のドル円相場は底堅い動き。

ドル円、ポジション調整一巡後に持ち直す展開。世界的な円安黙認が支援材料(4/22朝)

ドル円、ポジション調整一巡後に持ち直す展開。世界的な円安黙認が支援材料

〇ドル円、日米財務相会談でのドル高牽制への警戒感から欧州時間に127.81まで下落
〇その後はパウエルFRB議長の次回0.5%利上げ検討発言等に128円台前半に戻す
〇ユーロドル、デギンドスECB副総裁のタカ派発言等に欧州時間朝方にかけて高値1.0936に上昇
〇米国終盤にかけては、米長期金利上昇、ロシアのマウリポリ掌握宣言等に1.08台前半に反落
〇ドル円ポジション調整主体の反落から持ち直し、128円台で底堅く推移
〇テクニカル、ファンダメンタルズともドル買い地合いをサポート、世界的円安黙認観測に円独歩安加速も
〇ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想、本日の予想レンジ:127.50ー129.50

海外時間のレビュー

21日(木)のドル円相場は底堅い動き。@米FRBによるタカ派傾斜観測(サンフランシスコ連銀デイリー総裁は前日海外時間に「5月にバランスシート縮小を発表することも可能」と発言)や、A日銀による金融緩和の継続方針(指値オペを連日で実施)、B上記@Aを背景とした日米金融政策格差、Cロシア・ウクライナを巡る地政学的リスク(資源価格上昇→本邦貿易赤字の拡大懸念)、D日経平均株価の堅調推移(市場心理改善→クロス円上昇)が支援材料となり、アジア時間にかけて、高値128.63まで上昇しました。しかし、E日米財務相会談を前にドル高牽制への警戒感が高まると、Fポジション調整主導で反落し、一時127.81まで下落する場面も見られました。

もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、G国内輸入企業による実需のドル買い(下がったところでは押し目買い圧力が強まる展開)や、HパウエルFRB議長による「5月FOMCで50bpの利上げを検討する」とのタカ派的な発言、Iセントルイス連銀ブラード総裁による「75bpの利上げは過去にある」とのタカ派的な発言、J米金利上昇に伴うドル高圧力、K世界的な円安黙認観測(鈴木財務相によるG7財務相・中央銀行総裁会議での円安に対する訴えにも係わらず各国からの反応はなし→共同声明に為替の安定が盛り込まれず)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間4/22午前5時00分現在)では、128.30前後まで持ち直す底堅い動きとなっております。

21日(木)のユーロドル相場は上昇後に急反落。@デギンドスECB副総裁による「7月利上げの可能性はデータ次第」とのタカ派発言や、A上記@を背景としたECBによる利上げ観測(欧州債利回り上昇→ユーロ買い)、B短期筋のショートカバーが支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.0936(4/11以来の高値圏)まで急伸しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと(4/11高値1.0951をバックに戻り売り圧力が強まると)、C米金利上昇に伴うドル高圧力や、Dロシア・ウクライナを巡る地政学的リスク(ロシア軍がウクライナ南東部の都市マリウポリの掌握を宣言)、E上記Dを背景とした欧州経済の先行き不透明感(ラガルドECB総裁は「成長見通しをさらに引き下げなくてはならない」と悲観的な発言)が重石となり、米国時間午後にかけて、一時1.0831まで反落する場面も見られました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/22午前5時00分現在)では、1.0836前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は4/20に記録した約20年ぶり高値129.40をトップに反落に転じると、ポジション調整主導で一時127.47まで下落しましたが、昨日は再び128円台に値を戻すなど、底堅い動きが続いております。日足・週足・月足の全てで強い買いシグナル(一目均衡表三役好転や強気のパーフェクトオーダーなど)が点灯しており、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます(前日の急落劇は心理的節目130円を目前に控えた一時的なポジション調整。一巡後に再び130円を試す展開に戻ると想定)。ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測(5月FOMCでの75bp利上げやバランスシート縮小発表の可能性。米当局者は軒並みタカ派的な発言)や、A日銀による金融緩和の長期化方針(指値オペを継続中。G20財務相・中央銀行総裁会議を経て本邦による円買い介入の可能性も後退)、

B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大に伴うドル高・円安)、C資源価格上昇に伴う貿易赤字の拡大懸念(構造的な円売り圧力)、D国内輸入企業による実需のドル買い(急ピッチなドル円上昇を受けて買い遅れた輸入筋による根強いドル買い・円売り)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(鈴木財務相はこれまで足元の急速な円安について「G7の合意に沿って緊密な意思疎通を図っていく」との協調姿勢を滲ませてきましたが、今回のG20財務相・中央銀行総裁会議では為替の安定が共同声明に盛り込まれず→世界的な円安黙認観測→円独歩安のシナリオに要警戒)。

本日の予想レンジ:127.50ー129.50

ドル円、ポジション調整一巡後に持ち直す展開。世界的な円安黙認が支援材料

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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