日米財務相会談など注目、円安再燃なるか(4/21夕)

21日の東京市場はレンジ内での往来相場。80ポイントほどと若干広めのレンジ取引で、一時ドル高に振れるも続かなかった。

日米財務相会談など注目、円安再燃なるか(4/21夕)

日米財務相会談など注目、円安再燃なるか

〇ドル円、一時高値128.60-65まで値を上げるも続かず、夕方に128円を割り込む
〇本日実施される日米財務相会談、米国サイドからの「円安懸念」は予想しにくい状況
〇今晩米経済指標は、4月フィラデルフィア連銀景況指数、新規失業保険申請件数など発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは127.20-128.70
〇ドル安・円高方向は昨日安値の127.46が目先のサポート、割り込めば127円レベルがターゲット

<< 東京市場の動き >>

21日の東京市場はレンジ内での往来相場。80ポイントほどと若干広めのレンジ取引で、一時ドル高に振れるも続かなかった。

ドル/円は127.85-90円で寄り付いたのち、上値を試す展開。日米株価の動きをにらみつつ、米金利の上昇などもあり、昼ごろには日中高値の128.60-65円まで値を上げている。しかし勢いは続かず、結果として「行って来い」。夕方に掛けては再び128円を割り込むなど、上げ幅のほぼすべてを帳消しに。16時現在では127.95-00円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「米金融政策」について。
前者は、ロシア軍のウクライナ侵攻が引き続き取り沙汰されるなか、日本の防衛省から「ロシア海軍艦艇など6隻が対馬海峡を北上した」との発表が聞かれていた。また、ロシア国防省は極東カムチャツカ半島で、「次世代の重量級大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を行った」とも発表しており、日米などへの威嚇と思える動きも活発化していたようだ。なお、そうしたなか開催されたG20財務相・中銀総裁会議は、ロシア代表の発言時に米英加の代表が退席するなど、大荒れの様相だったという。

対して後者は、本日未明に発表された米地区連銀経済報告において、「インフレ圧力は前回報告以降も強いまま」としたうえで、「企業は急速に上昇する投入コストを引き続き顧客に転嫁している」などと指摘。根強いインフレリスクへの警戒を示すなか、シカゴ連銀総裁が「利上げを進めるべき」、「年末までに中立金利を達成すると予想」と発言したほか、サンフランシスコ連銀総裁からも、5月会合で0.5%の利上げを決定することは「完全」かつ「堅実」とのコメントが発せられている。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日東京時間に129.41円まで上値を伸ばしたドル/円だったが、その後は調整ともいえる動きが先行。一時127.46円まで2円近くも下落する局面も観測されていた。リスクは依然としてドル高方向だが、130円突破に向けたドルの上値トライは一旦出直しかもしれない。このあとの欧米時間に注目材料が控えているため予断を許さないものの、127-128円台を中心とした時間調整ともいえる動きが続く可能性もある。
ブルームバーグが「米国の5月0.5ポイント利上げ、短期金融市場は100%織り込む」などと報じる反面、世界の金利上昇の潮流から日本は取り残されており、為替市場においても基本的な円売り安心感は強い。そうしたなか、本日実施される「日米財務相会談」を注視している向きも少なくないが、米国サイドから突っ込んだ内容での「円安懸念」は予想しにくい状況だ。ただ、それでも「円安進行スピードがやや速い」といった程度のコメントが発せられることまでは否定できず、いずれにしても注意を要しておきたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日東京で130円を名実ともに意識した129.41円まで値を上げたものの、そののち失速。足もとはやや調整色の強い動きとなっている感を否めない。先月末安値121.28円を起点としても3週間で8円強もの上昇をたどっており、昨日安値の127.46円は、前記上げ幅の23.6%押しに近い。ちなみに割り込むと、フィボナッチの観点では38.2%押しの126.30円レベルがターゲットに。
また、基調そのものに変化はないことで、目先の調整を経たのち再トライするとの見方が有力だ。

材料的に見た場合、中長期的にはいまさら感もあるが全人代で「強制労働廃止条約」批准を決定したと伝えられている「中国情勢」。25日に軍事パレードそして場合によっては核実験を行うとの見方も一部で取り沙汰されている「北朝鮮情勢」、「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、4月のフィラデルフィア連銀景況指数や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表されるほか、引き続き米企業の決算発表も相次ぐ。また、前述した「日米財務相会談」のほか、世銀がウクライナ首相らを招いた会合を開催する見込みだ。本日も各種政治ファクターには要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは127.20-128.70円。ドル高・円安方向は、本日東京高値を含めた128.60-80円の攻防に注目。超えれば、昨日記録した129.41円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の127.46円が目先のサポート。割り込めば127円レベル、そして前述したフィボナッチポイントの126.30円などがターゲットに。

日米財務相会談など注目、円安再燃なるか

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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