ドル円見通し 米長期債利回り上昇再開で再び126円台、歴史的な円安基調継続(22/4/15)

4月15日午前序盤も126円台での推移で4月13日夕高値超えを伺う流れとなっている。

ドル円見通し 米長期債利回り上昇再開で再び126円台、歴史的な円安基調継続(22/4/15)

ドル円見通し 米長期債利回り上昇再開で再び126円台、歴史的な円安基調継続

〇ドル円、4/14は125円台序盤を買われ確りした展開、深夜126円到達、4/15午前序盤は126円台で推移
〇米連銀高官のタカ派発言、良好な米経済指標、ECBハト派見通しからのユーロ急落等、ドル高感強まる
〇米長期債利回りは大幅上昇、米株価は先行き不透明感から下落
〇125.50以上での推移中は上向きとし、4/13夕高値126.31超えからは127円を目指す上昇を想定する
〇125.50割れから続落の場合は125.07試し、底割れ回避で126円台を回復するところから上昇再開とする

【概況】

ドル円は4月13日に日銀黒田総裁の金融緩和政策継続発言をきっかけに126.31円へ上昇して2015年6月5日高値125.84円を超えたところからいったん調整安に入っていたが、14日は125円台序盤を買われて確りし、米連銀高官による金融引き締め強化へのタカ派発言が相次いだこと、米経済指標が良好だったこと、ECBの利上げ時期がまだ先とされてユーロが急落したことなどからドル高感が強まり深夜には126円に到達するところまで戻した。4月15日午前序盤も126円台での推移で4月13日夕高値超えを伺う流れとなっている。
ECBは7-9月期までに量的金融緩和を終了するとし、その後しばらくして利上げを行うという見通しを示したが、ラガルド総裁は「しばらくしてからというのは数週から数か月後」と緩い幅を持たせたため市場はハト派過ぎるとしてユーロ売りへ向かい、ユーロドルは安値で1.0756ドルまで下落して昨年1月天井1.2349ドル以降の最安値を更新した。

【米10年債利回り反騰、米連銀高官のタカ派発言相次ぐ】

4月14日の米長期債利回りは大幅上昇となった。10年債利回りは前日比0.13%高の2.83%へ上昇、12日に付けた昨年来最高値に並び2018年12月以来の高水準となっている。30年債利回りは0.11%高の2.92%を付けて昨年来高値を更新して2019年5月以来の高水準とし、2年債利回りは0.11%高の2.46%へ上昇、4月6日の2.60%から13日の2.27%へ下げたところから反騰入りしている。
一方で米国株は下落、米長期債利回り上昇とウクライナ情勢等の先行き不透明感からNYダウは前日比113.36ドル安(0.33%安)、ナスダック総合指数も同292.51ポイント安(2.14%安)となった。

米連銀高官による5月の大幅利上げ支持、量的金融引き締めへの支持発言も相次いだ。
NY連銀のウィリアムズ総裁は5月FOMCでの0.50%利上げについて「非常に合理的な選択肢だ」とし、「(量的緩和により膨らんだ)総資産の圧縮も始めるべきだ」と述べた。同総裁は「より中立的で正常な水準に政策金利を戻す必要がある」とし、中立水準は2.0〜2.5%程度を想定しているとし、到達時期は経済指標次第とした。
クリーブランド連銀のメスター総裁は「米連銀の二つの責務である物価安定と雇用最大化は現時点でトレードオフにない」、「インフレがあまりに高すぎる」とし、「インフレは雇用を損ねる」と述べた。
フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は「インフレ高進をひどく懸念している」、「年内に慎重で整然とした連続利上げを進める」とし、「すぐに国債、エージェンシー債、不動産ローン担保証券の保有を減らし始めるべき」とした。
3月後半から米連銀高官による0.50%利上げを複数回含めた連続利上げや量的金融引き締めの早期着手への支持発言が相次いでいる。

【米経済指標は総じて堅調】

4月14日発表の米経済指標は総じて堅調であり、輸出入物価の上昇が予想を超えてインフレ感を強めた。
米商務省による3月の小売売上高は全体の前月比が0.5%増で2月の0.8%から鈍化して市場予想の0.6%増も下回ったが、自動車を除くコア指数は前月比1.1%増となり2月の0.6%増から伸びて市場予想の1.0%増も上回った。
米労働省による新規失業保険申請件数は4月9日までの週間で前週比1万8000件増の18万5000件となり市場予想の17万1000件を上回ったが20万件を下回る良好な水準だった。失業保険受給者総数は4月2日までの週間で147万5000人となり前週比4万8000人減少して市場予想の150万人を下回った。
3月の輸入物価指数は前月比2.6%上昇で2月の1.6%及び市場予想の2.3%を上回り、輸出物価指数も4.5%上昇で2月の3.0%及び市場予想の2.2%を大幅に上回った。
米ミシガン大による4月の消費者信頼感指数速報値は65.7となり3月の59.4から上昇して市場予想の59.0を大幅に上回った。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルにおいては3月31日深夜安値を起点とした上昇基調を継続しており、現状は4月12日夜の反落時の安値を起点とした強気サイクルにおける上昇期と思われる。高値形成期は18日午後から20日夕にかけての間と想定するが、13日夕刻高値から14日夕刻にかけて1円を超える下落が入ってから反騰しているため、現在の強気サイクルの起点が14日夕安値となり高値形成期が18日から20日にかけての間へ延びる可能性も考えられる。弱気転換は14日夕安値125.07円割れからとする。

60分足の一目均衡表では14日夜の上昇で遅行スパンが好転、先行スパンから一時転落したところからも上抜き返す上昇となっているため遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパンから再び転落する場合はいったん下げに入るとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は40ポイント割れまで低下したところから60ポイント台回復へ戻しており、11日のピークから13日のピークへと切り下がった指数自身の抵抗線を上抜いているので上昇再開に入っているところとして80ポイント台を目指す上昇を想定する。弱気転換は50ポイント割れから続落するところからとする。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4月14日夕安値125.07円を下値支持線、13日夕高値126.31円を上値抵抗線とする。
(2)125.50円以上での推移中は上向きとし、13日夕高値超えからは127円を目指す上昇を想定する。127円到達では売りも出やすいとみるが、125.50円以上での推移なら週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)125.50円割れから続落の場合は14日夕安値試しとし、底割れ回避で126円台を回復するところからは上昇再開とするが、底割れの場合は3月31日深夜安値121.26円を起点とした上昇に対する修正安として124円前後を目指す下落を想定する。

【当面の主な予定】

4/15(金)
休場 米、英、独、仏、伊、カナダ、スイス、ノルウェー等(聖金曜日)
休場 香港、シンガポール、マレーシア、インド、豪、NZ、メキシコ、ブラジル、南ア等(聖金曜日)
※米国は債券、株式、商品休場、為替は通常取引、※マレーシアはゴム休場、株式、金融債券通常取引
休場 タイ(ソンクラーン)
21:30 (米) 4月 ニューヨーク連銀製造業景気指数 (3月 -11.8、予想 1.0)
22:15 (米) 3月 鉱工業生産 前月比 (2月 0.5%、予想 0.4%)
22:15 (米) 3月 設備稼働率 (2月 77.6%、予想 77.8%)

4/18(月)
休場 英、独、仏、伊、スイス、ノルウェー、香港、豪、NZ、南ア等(イースター)



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