ドル円、堅調推移が継続中。ユーロはハト派なECB理事会を受けて急落
〇ドル円、欧州時間朝方に125.11まで下落後米国時間午後にかけ126.00まで急伸
〇対ユーロでのドル買い圧力、好調な米指標、原油価格、米長期金利の急上昇が背景
〇ユーロドル、ECB理事会のハト派的な結果、米金利上昇に約2年ぶり安値となる1.0758まで急落
〇その後はイースター前ポジション調整に1.0829前後まで持ち直す動き
〇ドル円、テクニカルの地合いは極めて強く、ファンダメンタルズもドル円続伸の材料増える
〇ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日イースター休暇で英国や欧州主要国、米株式・債券市場など休場、動意薄か
〇本日の予想レンジ:125.60ー126.40
海外時間のレビュー
14日(木)のドル円相場は急上昇。@急ピッチな上昇に伴う反動売り(わずか3ヵ月弱で約13円の急騰劇)や、A米金利低下に伴うドル売り圧力、B政府高官による円安牽制への警戒感、Cイースター休暇入り前のポジション調整が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値125.11まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、D対ユーロでのドル買い圧力(ハト派なECB理事会を受けたユーロ売り・ドル買い圧力)や、E米経済指標の良好な結果(米小売売上高は前月分が大幅に上方修正された他、自動車を除く数値が市場予想を上回る結果。米4月ミシガン大消費者信頼感指数も市場予想を上回る力強い結果)、F原油先物価格の急上昇(本邦貿易赤字の拡大懸念→円売り圧力)、G米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りは2.65%から2.83%へ急上昇)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値126.00まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/15午前5時00分現在)では、125.94前後で推移しております。
14日(木)のユーロドル相場は軟調推移。@ロシア・ウクライナ情勢を巡る地政学的リスクの長期化懸念(対露制裁強化の思惑)や、A上記@を背景とした欧州経済の先行き不透明感(エネルギー価格上昇に伴う欧州経済への下押し圧力)、BECB理事会のハト派的な結果(ECBは政策金利の据え置きを決定すると共に、資産買い入れ終了時期についても従来方針を維持。さらに利上げについては資産買い入れ終了後一定期間が経ったあとに着手する方向性を示唆)、CラガルドECB総裁によるハト派的な発言(一定期間とは、資産買い入れ終了後「数週間から数カ月」になる可能性もある。量的引き締めについての議論は時期尚早)、D上記BCを背景とした金融政策の早期正常化観測の後退(利上げを急がない姿勢の明確化)、E米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時朝方にかけて、2020年4月以来、約2年ぶり安値となる1.0758まで急落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、Fイースター休暇入り前のポジション調整が発生し、本稿執筆時点(日本時間4/14午前5時00分現在)では、1.0829前後まで持ち直す動きとなっております。
本日の見通し
ドル円は一時125.11まで下げ幅を広げるも、米国勢参入後に126.00前後まで持ち直す動きとなりました。ローソク足が主要テクニカルポイントを軒並み突破していること(心理的節目として市場参加者に意識されていた黒田シーリングを4/13に上方ブレイク)、日足・週足・月足の全てにおいて強い買いシグナルが点灯していることなどを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測や、A日銀による金融緩和の長期化観測、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大を通じたドル買い・円売り圧力。昨日発表されたECB理事会がハト派的な結果となったことも、対ユーロでのドル買いを通じて、ドル円には上昇圧力が加わり易い状態)、
Cロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの長期化懸念(欧米諸国とロシアの対立激化懸念→有事のドル買い)、D原油先物価格上昇に伴う本邦貿易赤字の拡大懸念など、ドル円相場の続伸に繋がる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(市場では130円や135円レベルまで一気にドル高・円安が進むとの見方が増えつつある状況)。尚、本日は米財務省による半期に一度の為替報告書に警戒が集まるものの、イースター休暇で英国や欧州主要国など多くの国が休場となるため、海外時間帯は市場参加者減少で動意に欠ける値動きとなりそうです(米国も株式・債券市場が休場)。
本日の予想レンジ:125.60ー126.40
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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