ドル円、日銀による指し値オペ実施を材料に急上昇。節目125円の大台を突破(3/29朝)

週明け28日(月)のドル円相場は急上昇。

ドル円、日銀による指し値オペ実施を材料に急上昇。節目125円の大台を突破(3/29朝)

ドル円、日銀による指し値オペ実施を材料に急上昇。節目125円の大台を突破

〇ドル円、日銀による10年物国債の指し値オペに急上昇、アジア時間に125.08まで急伸
〇海外時間は反動の売り優勢、123円台まで押し戻される
〇ユーロドル対円でのユーロ買い、停戦協議進展期待と欧州株の堅調に米国時間に1.1000に上昇
〇ドル円、6年7ヵ月ぶり高値に急伸、1か月未満で約10円の上昇、テクニカルの地合い極めて強い
〇ファンダメンタルズも日米金融政策の方向性の違いはじめドル円続伸を連想させる材料多い
〇引き続き、ドル高・円安トレンドの継続を予想
〇但し、125円台は日米当局者からドル高牽制や円安牽制発言に要警戒
〇本日の予想レンジ:123.00ー125.00

海外時間のレビュー

週明け28日(月)のドル円相場は急上昇。@日銀による10年物国債の指し値オペ(0.25%で無制限買い入れ)実施や、Aその後の連続指値オペ(3/29から3/31まで連続で無制限買い入れ実施)の通告発表、B上記@Aを背景とした日米金融政策格差(大幅利上げが見込まれる米国と金融緩和の長期化および円安容認が見込まれる日本との金融政策格差)、Cロシア・ウクライナを巡る停戦協議の進展期待(3/29から3/30にかけてトルコのイスタンブールでロシアとウクライナの停戦交渉が開催される予定)、D上記Cを背景とした株式市場の底堅い動き(リスク選好の円売り圧力)、E心理的節目123.00、124.00、125.00の大台突破に伴う大規模ストップBUYが支援材料となり、アジア時間夕方にかけて、2015年8月12日以来、約6年7ヵ月ぶり高値となる125.08まで急伸しました。

もっとも、海外勢参入後は、短期間で高騰した反動から利食い売りが優勢となり、本稿執筆時点(日本時間3/29午前5時45分現在)では、123.90前後で推移しております。尚、昨日は強烈な円安進行を受けて松野官房長官(最近の円安進行を含め、日本経済の動向を注視。為替はファンダメンタルズを反映し安定的な推移が望ましい)や、榊原元財務官(130円までの円安は問題が生じる。130円まで円安が進むならば、為替介入や利上げでの円安阻止もオプションに入る)より円安牽制と思しき発言が見られましたが、ドル円相場の反応は限定的となりました。

週明け28日(月)のユーロドル相場は底堅い動き。@対円でのユーロ買い圧力(日銀による指し値オペ実施および連続指値オペの通行発表を受けてユーロ円急騰→ユーロドル連れ高)や、Aロシア・ウクライナを巡る停戦協議の進展期待、B欧州株の底堅い動き、CECBによる根強い利上げ観測(今週4/1に予定されているユーロ圏3月CPIへの警戒感→短期金融市場が複数回の利上げを織り込む動き→欧州債利回り上昇→ユーロ高)が支援材料となり、米国時間にかけて、高値1.1000まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/29午前5時45分現在)では、1.0985前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は短期間で次々と大台を突破し、昨日は約6年7ヵ月ぶり高値(2015年8月12日以来)となる125.08まで急伸しました。今月の始値が115.00であったことに鑑みると、わずか1ヵ月経たない間に約10円もの値幅で高騰した計算となります。日足・週足・月足の全てにおいて強い買いシグナルが点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測(5月および7月FOMCでの連続大幅利上げを織り込む展開)や、A日銀による金融緩和の長期化観測(連続指値オペの通告→円安容認)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大に伴うドル高・円安)、Cロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの後退(トルコで開催される停戦協議の進展期待→リスク回避ムード後退→リスク選好の円売り)、

D本邦貿易赤字の拡大懸念(円安と資源高で本邦経常収支悪化)、E本邦輸入企業の焦りのドル買い(急ピッチで進むドル高・円安を受けて本邦輸入企業による実需のドル買いが活発化)など、ドル円相場の続伸を連想させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続を予想いたします。但し、125円台は2015年6月に当時のオバマ大統領によるドル高牽制発言(ドル高は問題である)や、黒田総裁による円安牽制発言(さらに実質実効為替レートが円安に振れていくということはありそうにない)が出てきた水準でもあるため、高値圏での上値追いには注意が必要(日米首脳・日米政府関係者・日米当局者からドル高牽制や円安牽制発言が出てくる場合にはドル円相場が短期間で急落に転じる恐れもあるため、本日は要人発言に係るヘッドラインに要警戒)。

本日の予想レンジ:123.00ー125.00

ドル円、日銀による指し値オペ実施を材料に急上昇。節目125円の大台を突破

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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