ドル円、2015年12月以来、約6年3ヵ月ぶり高値圏へ続伸
〇ドル円、株価の堅調、本邦当局者の円安容認発言、米金利上昇に米国時間に122.40まで上昇
〇引けにかけて小幅反落するも底堅く、122円台を維持
〇ユーロドル、欧州時間にかけて安値1.0966まで下落するも持ち直し1.1000近辺で推移
〇ドル円約6年3ヵ月ぶり高値を記録、テクニカル的に見て「地合いは極めて強い」と判断
〇ファンダメンタルズも更なるドル高・円安を連想させる材料が増えつつある
〇ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:121.70ー123.00
海外時間のレビュー
24日(木)のドル円相場は大幅続伸。アジア時間朝方にかけて、安値120.96まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、@株式市場の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)や、A本邦当局者による円安容認発言(片岡審議委員による「円安の影響、全体的な効果はプラス」「円安のデメリットは非常に小さい」との発言)、B米金利上昇に伴うドル高圧力(米当局者による相次ぐタカ派発言を受けて、市場では5月FOMC、6月FOMCでの連続50bp利上げを織り込む動き)、C直近高値突破に伴う短期筋のロスカットが支援材料となり、米国時間午後にかけて、2015年12月18日以来、約6年3ヵ月ぶり高値となる122.40まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/25午前5時00分現在)では122.30前後で推移しております。尚、昨日発表された米新規失業保険申請件数は18万7000件となり、1969年9月以来、約52年半ぶり低水準を記録しました。
24日(木)のユーロドル相場は方向感に欠ける展開。@米金利上昇に伴うドル高圧力や、Aロシア・ウクライナを巡る地政学的リスク(米国及びNATOによる「ロシアが核兵器を使用する可能性に対して準備している」との発表など)、B欧州経済の先行き不透明感(エネルギー価格上昇→欧州経済のスタグフレーション懸念)が重石となり、欧州時間にかけて、安値1.0966まで下落しました。しかし、前日安値1.0963をバックに下げ渋ると、Cユーロ圏3月PMI速報値の良好な結果や、DエルダーソンECB専務理事による「ECBは年内に利上げを実施する可能性がある」とのタカ派的な発言が支援材料となり、米国勢参入後に高値1.1014まで反発しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、引けにかけて小反落し、本稿執筆時点(日本時間3/25午前5時00分現在)では、1.1000前後で推移しております(方向感を見出しづらい時間帯の継続)。
本日の見通し
ドル円は一時122.40まで急伸するなど、約6年3ヵ月ぶり高値(2015年12月18日以来)を記録しました。日足ローソク足が5日連続の「大陽線」を記録した他、「ダウ理論の上昇トレンド」「一目均衡表三役好転」「移動平均線のパーフェクトオーダー」「ボリンジャーバンドのバンドウォーク」も成立するなど、テクニカル的に見て「地合いは極めて強い」と判断できます(119.07から122.40まで上昇するなど、週足ベースで2円70銭の高騰劇)。ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測や、A日銀による金融緩和の長期化観測(含む円安容認スタンス)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米金利差拡大に伴うドル高・円安)、Cロシア・ウクライナを巡る地政学的リスク(停戦期待の剥落→G7首脳はロシアが生物兵器や化学兵器、もしくは核兵器を使用しないよう警告)、
D本邦貿易収支の赤字拡大懸念(原油価格高騰→本邦経常収支悪化→円売り圧力)、E本邦輸入企業による実需のドル買い圧力(急ピッチで進むドル高・円安を受けて本邦輸入企業によるドル買い・円売りが活発化)など、更なるドル高・円安を連想させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は5・10日となるため、日本時間9時55分に予定されている公表相場決定にかけてのドル買い・円売り(ドル不足)や、海外時間に発表される米当局者発言(ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁やリッチモンド連銀バーキン総裁など)、ロシア・ウクライナを巡るヘッドラインに注目が集まります(実需のドル買い、米金利上昇に伴うドル買い、地政学的リスク再燃に伴う有事のドル買いの組み合わせでドル円が123円の大台を試すシナリオを想定)。
本日の予想レンジ:121.70ー123.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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