ドル円115円台前半、ウクライナ原発の火災報道に一時急落 (3/4午前)

4日午前の東京市場でドル円は115円台前半を中心としたもみあい。

ドル円115円台前半、ウクライナ原発の火災報道に一時急落 (3/4午前)

ドル円115円台前半、ウクライナ原発の火災報道に一時急落 

4日午前の東京市場でドル円は115円台前半を中心としたもみあい。朝方、115.44レベルで取引が始まったドル円は、ウクライナ南東部のザポリージャ原子力発電所で4日未明、ロシア軍の攻撃によって火災が発生したとの報道で急落、一時115.26まで値を下げる場面がありました。しかし、その後、原子炉自体に火災は発生していないこと、一時報道された放射線量の上昇が否定されたこと等から方向感を失い、もみ合いながら115.55まで戻した後、東京時間正午現在は115.36レベルで取引されています。
日経平均株価は、昨晩欧米株が下げた流れを受けて売り先行で始まりましたが、ウクライナの原発の砲撃による火災の報道を受け下げ足を速め、一時下げ幅は800円を超えました。その後はやや買い戻され、556円安で午前の取引を終了しています。

昨晩海外市場では、欧州序盤に第2回のロシア、ウクライナ停戦協議への期待感からリスク選好ムードが強まり、115.82まで上昇。しかし、停戦協議が不調に終わったこと、ロシア軍の攻撃激化、プーチン大統領のマクロン仏大統領とのテレビ会談での強硬姿勢、米2月ISM非製造業指数の不冴え等を背景に115円台前半に反落、115.40レベルでアジア時間につないでいます。

テクニカルにはドル円は、引き続き21日線(本日115.31レベル)に絡む動き。昨晩一時115.82をつけたことによりレンジ上限を試すかと思われましたが、結局114.50-116レンジでの持ち合いが継続することとなりました。

原発への攻撃は、プーチン大統領の意図なのか、あるいは統制の取れなくなった現地のロシア軍の暴走なのか現在のところは不明ですが、いずれにせよ危機の度合いが新たな段階に進んだと考えざるを得ません。
今のところ火災は周辺施設のようですが、欧州最大規模の原子力発電所が火災による危機にさらされ、消火活動も思うようにできていない状況は、電源喪失により炉心融解、水素爆発と最悪の事態に進んだ福島原発を思い起こさせるものがあります。
万が一原子炉爆発等の事態となった場合、ロシアを含む近隣諸国への影響も大きく、今後の関連報道や、欧州諸国の対応が注視されます。

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