米2月雇用統計の予想
本日は2月の米雇用統計関連数値が発表されます。前回1月数値はサンプル調査の限界を示すかの様な結果となり、予想数値から大きく乖離しました。ドル円相場は発表前114円80銭付近で推移していましたが、115円40銭越えまでドルが買われ115円台で引けました。10年債利回りも発表前日の1.83%が1.93%まで上昇しました。
さて、前回は下表の@失業率がやや悪化したものの改善傾向は続いており、ANFPは予想の+13.4万人(予想レンジ▼40万人〜+25万人)に対し+46.7万人、12月は当初の+19.9万人⇒+51万人、11月は同+24.9万人⇒+64.7万人への大幅上方修正、その結果1月の正味は+104.2万人増になりました。今週水曜日に発表されたADP社民間雇用者数も前回1月は当初の▼30.1万人⇒+50.1万人に改訂されましたので、修正幅が異常になっています。Bの時給も0.7%と大幅な伸びになりました。ベージュブックにもありましたが、労働者の引き留めなどもあり、給与アップが続いている模様です。
さて、今回2月は@がやや改善、Aは+42.3万人増、Bは前月比よりやや減少しますが、予想の+0.5%は非常に高い数値予想となっています。時給は年率で6%前後ですので、インフレ上昇よりはやや上回っています。
予想中央値とレンジは下表になっています。
今回予想
(3月4日9時現在)
ご参考までにCovid-19以降のNFPとADPの雇用推移を下記します。豪州やNZと比較してもCovid-19前の水準までは回復していません。
また、下図はコロナ発生以降の期間で、発表された当月から1年間遡っての年間数値の比較です。例えば今回2月では2021年3月〜2022年2月、1月分は2021年2月〜2021年1月のそれぞれ1年間の集計です。これを見ても概ねNFP>ADPになっています。前回の大幅な上方修正により、やや右肩上がりの改善度合いになっています。
下図はユーロドル円の週足チャートです。ウクライナ情勢の悪化に伴い、ユーロが非常に弱い状態が続いています。このユーロ下げが目先どこまであるのかを探ってみると、昨年5月高値からの抵抗線A(=1.1430)から平行に下したサポートB(=1.1010)とC(=1.0890)が目安として出てきます。Aは現在のスポット付近ですので、今日ここで止まるのか、それとも更に下値トライするか注目されます。また、BとC間に底値を結んだD(=1.0990)があります。もしAとDなら、ユーロ安ウェッジを形成することになります。尚、上値は今週の寄り値が1.1181ですので、停戦合意でも出ない限りここまでは戻せないと思いますが、もしそうなった場合は下ヒゲが非常に長くなりますので、要注意となります。
今日の雇用統計も数値次第ですが、数値結果が10年債金利に与える影響、その後の株価への影響を見てから対応した方が良いかと思います。その他、ウクライナ・ロシア間の停戦に向けた交渉次第でも大きく動く可能性が高くなっています。
(2022年3月4日10:40、1ユーロ=1.1020ドル)
オーダー/ポジション状況
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