ドル円、心理的節目115円を割り込み下落。ウクライナ情勢に一喜一憂の展開(2/18朝)

17日(木)のドル円相場は大幅下落。

ドル円、心理的節目115円を割り込み下落。ウクライナ情勢に一喜一憂の展開(2/18朝)

ドル円、心理的節目115円を割り込み下落。ウクライナ情勢に一喜一憂の展開

〇ドル円、ウクライナ情勢緊迫化と米指標悪化、米長期金利低下に114.85まで急落
〇米国防長官、ロシア部隊の国境近くへの移動や輸血用血液備蓄、飛行する戦闘機の増加を指摘
〇バイデン大統領「ロシアがウクライナに侵攻する可能性はかなり高い」と発言
〇ユーロドル、ウクライナ情勢緊迫化にアジア時間に安値1.1324まで急落後、1.1360前後に反発
〇ドル円約2週間ぶり安値となる114.85まで急落するも、同水準近辺にサポート多く下げは限定的か
〇目先はウクライナ情勢に関するヘッドラインに一喜一憂する相場展開か
〇本日の予想レンジ:114.60ー115.60

海外時間のレビュー

17日(木)のドル円相場は大幅下落。@オースティン米国防長官による「ロシアが軍部隊をウクライナ国境近くに移動させ、輸血用血液を備蓄している」「周辺を飛行する戦闘機も増えている」との発言や、Aバイデン米大統領による「ロシアがウクライナに侵攻する可能性はかなり高い」との発言、Bウクライナ東部ドンバス地方の砲撃報道、C上記@ABを背景とした世界的なリスクオフ(地政学的リスク再燃→株式市場急落→リスク回避のクロス円下落→ドル円連れ安)、D米2月フィラデルフィア連銀製造業景気指数(結果16.0、予想20.0、前回23.2)の急低下、E米新規失業保険申請件数(結果24.8万件、予想21.9万件)の冴えない結果、F米長期金利の急低下(米10年債利回りは2.00%の大台を割り込み一時1.95%へ急低下→米ドル売り)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値114.85まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間2/18午前5時20分現在)では、114.92前後で推移しております。

17日(木)のユーロドル相場は上値の重い展開。@フォンデアライエン欧州委員長による「ロシアは軍事施設にさらに多くの兵士を追加している」との発言や、Aウクライナ東部ドンバス地方の砲撃報道、B上記@Aを背景とした世界的なリスクオフ(地政学的リスク再燃→株式市場急落)が重石となり、アジア時間午後にかけて、安値1.1324まで急落しました。もっとも、海外勢参入後は、C米経済指標の冴えない結果や、D米金利低下に伴うドル売り圧力、EレーンECB専務理事による「利上げの規模や頻度はインフレ動向次第」「0.25%の利上げが悪いとは言わないが、他の利上げ幅もあり得る」との発言が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間2/18午前5時20分現在)では、1.1360前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は心理的節目115.00を割り込むと、2/4以来、約2週間ぶり安値となる114.85まで急落しましたが、同水準付近には、一目均衡表雲上限(114.96)や、21日移動平均線(114.92)、一目均衡表基準線(114.91)など主要サポートラインが密集しているため、ここからの更なる下落は容易では無いと考えられます(ウクライナ情勢を巡るヘッドラインを睨みながらも、ひとまず下げ渋る展開を想定)。ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派スタンス(セントルイス連銀ブラード総裁は「緊急FOMCは迫っていないが考えても良い」「できるだけ早期のバランスシート調整を望む」と発言)や、A日銀による金融緩和の長期化姿勢(黒田日銀総裁は今週、金融緩和の長期化方針を改めて強調すると共に、指し値オペを通じて上限金利の抑制も実行)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大に伴うドル買い・円売り圧力)など、ドル高・円安を連想させる材料が揃っています。

目先はウクライナ情勢に関するヘッドラインに一喜一憂する相場展開が見込まれますが、リスク回避局面では、「リスク回避の円買い」の後に「リスク回避のドル買い」が時間差で押し寄せてくる傾向にあるため、ドル円相場の一方向の下落も想定しづらいと考えられます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の持ち直しをメインシナリオとして予想いたします(尚、本日は米1月中古住宅販売件数や米1月景気先行指数に加えて、シカゴ連銀エバンス総裁発言、ウォラーFRB理事発言、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁発言などに注目が集まる他、週末にインドネシアのジャカルタで開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議にも警戒が必要でしょう。草案によるとインフレ高進と地政学的リスクが景気回復における脅威であるとの認識を共有する見通し)。

本日の予想レンジ:114.60ー115.60

注:ポイント要約は編集部

ドル円、心理的節目115円を割り込み下落。ウクライナ情勢に一喜一憂の展開

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る