露軍撤退報道あるもウクライナへの警戒感は強い(2/17夕)

17日の東京市場はドルが小安い。ただ、ここ1週間あまりドルの下値を支えている115円を割り込むことはなく、そうした意味では底堅かった。

露軍撤退報道あるもウクライナへの警戒感は強い(2/17夕)

露軍撤退報道あるもウクライナへの警戒感は強い

〇本日のドル円、一時115.10-15へ下げ幅拡大させるも続かず、16時現在115.30-35で推移
〇FOMC議事録発表、「政策金利引き上げが適切」と予想通りの内容でドル買いの材料にならず
〇短期的には「ウクライナ情勢」が市場のリスク要因、今晩岸田首相と露大統領が会談
〇本日は2月フィラデルフィア連銀景況指数や新規失業保険申請件数などの米経済指標が発表
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.80-115.70

<< 東京市場の動き >>

17日の東京市場はドルが小安い。ただ、ここ1週間あまりドルの下値を支えている115円を割り込むことはなく、そうした意味では底堅かった。

ドル/円は115.40-45円で寄り付いたのち、しばらくは横這い推移。寄り付きを中心としたトータル20ポイント程度のレンジ取引をたどっている。そうしたなか、昼過ぎに一時下押し機運が強まり、115.10-15円へと下げ幅を拡大させるも続かず。引けにかけてドルは小戻す展開となると、16時現在では115.30-35円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」と「米金融政策」について。
前者は、昨日欧米市場だけでなく本日東京時間も「ウクライナ情勢」に一喜一憂。前日伝えられた「ロシア軍の一部がウクライナから撤収」について、英首相やウクライナ国防相らが否定的な見解を示したほか、米国もバイデン政権の複数高官が「虚偽」だと指摘したうえで、「逆にロシアは最大7000人の兵士を増強している」との考えを示していたという。なお、そののち「親ロシア派武装勢力が、ウクライナ軍が停戦合意に違反し発砲」といった内容が伝えられるなど、一時緊迫したムードが高まった感を否めない。いずれにしても、このあとも予断を許さない。
対して後者は、昨日NY時間に1月25-26日分のFOMC議事録が発表され、その内容は「政策金利をまもなく引き上げることが適切」などといったものになった。強気ではあったが、ほぼ予想通りの内容で、少なくともドルの買い材料にはならず。しかし、そののちサンフランシスコ連銀総裁から「3月の利上げ開始が適切」といった発言が改めて取り沙汰されているたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

「ウクライナ侵攻のXデー」とされていた16日を過ぎたがとくに問題は起こらず。むしろ、「ロシア軍の一部がウクライナから撤収」といった報道が伝えられているものの、状況が改善したとはなかなか言えそうにない。それは実際、ドル/円の値動きにも示されており、形成している115.01-116.34円というレンジ内ながら、本日東京時間は「リスク回避」優勢で下限割れを意識した動きをたどっている。もちろん、ウクライナ情勢次第ではあるものの、115円を割り込み114円台へと入ってくる可能性も否定できない。
日米を中心とした金融政策および金利の動きに着目しつつも、短期的には依然として「ウクライナ情勢」が市場のリスク要因。果たして進展が見込めるのかという話もあるが、「今晩にも岸田首相とプーチン露大統領が会談を行う」−−といった報道も観測されるなど、まだまだ一波乱も二波乱もありそうだ。このあとも、伝えられるウクライナ関連のニュースに左右される神経質な動きが続く公算が大きい。

テクニカルに見た場合、ここ最近のドル/円はレンジ取引だが、ウクライナ情勢をめぐり短期的なトレンドは目まぐるしく変化している。昨日欧米時間まではレンジ上限が意識されていたものの、足もとは逆に同下限を視界内に捉えた値動きだ。ドルの続落があるのか否かにまずは注視したい。
また、地政学リスクという点からいえば、ロシアやウクライナに近いユーロの動きがより注意との指摘も少なくないようだ。価格変動の主役となる可能性もある。

材料的に見た場合、中長期的には香港行政長官がコロナ抑制策に市民の支持を呼び掛けるなど厳しい実情をたどる「中国情勢」、本日午後7時から岸田首相が「まん延防止」諮問方針を説明するとされる「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、2月のフィラデルフィア連銀景況指数や週間ベースの新規失業保険申請件数が発表されるほか、欧米通貨当局者らによる講演など発言機会も少なくない。ただし、やはり市場の関心はウクライナ情勢に高く、関連情報には要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.80-115.70円。一昨日高値115.88円はなかなか強い抵抗で、時間足などではその少し手前115.55円レベルも抵抗として育ちつつある感。まずは後者をめぐる攻防が注視されそうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の115.15円レベル、そして直近だけで2度止まっている115円レベルはかなり強いサポートか。ただ、割り込めば移動平均の21日線が位置する114円台後半を目指す。

露軍撤退報道あるもウクライナへの警戒感は強い

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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