ドルはレンジ上限面合わせ、上抜け有無注視 (2/9夕)

9日の東京市場はドル小じっかり。一時115.65円レベルへと値を上げ、レンジ上限である1月28日の前回高値に面合わせする局面も観測されていた。

ドルはレンジ上限面合わせ、上抜け有無注視 (2/9夕)

ドルはレンジ上限面合わせ、上抜け有無注視

〇本日のドル円一時115.65レベルへ、1/28高値は抜けられず
〇欧米時間のドル続伸有無を注視、レンジ上限115.68抜けられるか
〇米積極利上げ見通しのなか、2/10の1月消費者物価指数に注目集まる
〇本日は米財務省10年債入札、ボウマンFRB理事など当局者講演を予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.10-115.90
〇ドル安・円高方向は115.30-35レベルがサポート

<< 東京市場の動き >>

9日の東京市場はドル小じっかり。一時115.65円レベルへと値を上げ、レンジ上限である1月28日の前回高値に面合わせする局面も観測されていた。

ドル/円は115円半ばで寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。寄り付きを中心にトータル30-35ポイントのなかで上下に振れる展開をたどっている。そうしたなか一時ドル買いが進行すると、前回高値115.68円に面合わせするも抜けられず、高値更新は欧米時間以降への持ち越しに。16時現在、小緩んだドル/円は寄り付きと同じ115円半ばで推移、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」と「新型コロナ」について。
前者は、対面式の仏露首脳を受け、フランス当局者から発せられた「ウクライナ周辺で当面、新たな軍事行動を起こさないと約束した」とのコメントをロシアサイドが否定。「ロシアとフランスはウクライナをめぐる緊張緩和で合意できていない」と述べるなど、やはり事態は少しも進展していないようだ。ただ、そうしたなか独仏ポーランド首脳がベルリンで会談し、「戦争回避へ対話の継続」で合意したと伝えられている。
対して後者は、イタリア政府が「屋外におけるマスク義務を解除」するなど、感染拡大はピークアウトしたとの見方も取り沙汰されるなか、米ジョンズ・ホプキンス大は、新型コロナウイルスの世界の累計感染者数が4億人を突破したと発表した。最近の約1ヵ月で感染者が1億人増加したという。やはり油断は禁物であるのかもしれず、実際にNZ首相からは「新たな変異株に備える必要がある」との警戒発言も聞かれていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は依然として115.68円を上限としたレンジ内。ただ、先でも指摘したように本日東京時間にその上限に一時面合わせする局面も観測されていた。このあとの欧米時間に果たしてドルは続伸するのだろうか。115.68円をめぐる攻防には引き続き注目で、しっかり超えれば116円台回復、年初来高値の116.35円も視界内に捉えられそうだ。
先週末に発表された雇用統計の好数字もあり、「米積極利上げ」見通しが復活するなか、市場では明日発表の1月消費者物価指数の内容を見極めたいとの声が少なくない。ちなみに、事前予想では前回数値を上回る前年比プラス7.0-7.5%といった伸びが予想されている。そうしたなか、本日は発表される米経済指標がやや小粒で、それよりも米財務省による10年債の入札や要人発言などが注視されているようだ。また、依然として「ウクライナ情勢」に関しても注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は2週間近くたどってきた114.16-115.68円という1.5円レンジからの脱却が間近に迫りつつある。昨日、「10日に発表される米消費者物価指数がレンジ放れのトリガーを引く、といった見方をする向きも少なくない」−−と報じたが、早ければ一日前倒しし本日中にも達成する可能性も否定できない。ただし、一時的に上抜けてもクローズレベルでは、元のレンジに回帰するといった見方から、「しっかり」超えていくにはいま少し時間が必要との声も。

材料的に見た場合、中長期的には日米欧など21ヵ国が共同声明を発表し「香港の報道抑圧」に懸念を示した「中国情勢」、日本の皇室で初の感染者ならびに「三笠宮瑤子さまのご入院」が明らかになった「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、12月の卸売在庫確報値などが発表されるものの、それほど関心は高くない。しかし、米財務省による10年債の入札が実施されるほか、ボウマンFRB理事など当局者の講演が予定されている。さらに、ウォルトディズニーやモトローラなどの米企業決算が発表にも一応要注意か。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.10-115.90円。本日東京高値も近い前回高値115.68円の攻防にまずは注目。しっかり上抜ければ116円台回復、そして年初来高値116.35円も視界内に。
対するドル安・円高方向は、本日東京では下値が115.30-35円と少しずつレベルが切り上がっている感。まずは同レベルがサポートで、割り込んでも下方向のテクニカルポイントは数多い。目先でいえば115円割れまでの下げがあれば御の字かもしれない。

ドルはレンジ上限面合わせ、上抜け有無注視

ドル円日足


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