ドル円、重要イベントを控えて模様眺めが継続。今晩はいよいよ注目の米CPI
〇ドル円、115円台半ばで値幅わずか32銭の方向感に欠ける動き
〇米長期金利の低下と、株式市場の堅調、FRB関係者のタカ派発言が綱引き
〇ユーロドル欧州時間朝方の1.1402から一時1.1448まで反発、ECBのタカ派傾斜観測が支援
〇ドル円、テクニカルの地合い好転、雇用統計以降は米早期利上げ、バランスシート縮小観測強まる
〇本日22時30分に発表される米1月消費者物価指数要注視
〇引き続きドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:115.00ー116.00
海外時間のレビュー
9日(水)のドル円相場は狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。アジア時間朝方にかけて、高値115.64まで上値を伸ばすも、1/28に記録した直近高値115.69をバックに伸び悩むと、@米金利低下に伴うドル売り圧力(米10年債利回りは前日に記録した約2年3ヵ月高水準となる1.97%から1.91%へ急低下)や、A今週のメインイベントとして注目されている米1月消費者物価指数を控えた警戒感が重石となり、一時115.32まで下落する場面も見られました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、B株式市場の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)や、Cアトランタ連銀ボスティック総裁による「25bpか50bpかはデータ次第」「できるだけ早期のバランスシート縮小開始を望む」といったタカ派的な発言が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間2/10午前5時00分現在)では、115.49前後で推移しております(重要イベントを控えて1日の値幅がわずか32銭)。
9日(水)のユーロドル相場は堅調な値動き。欧州時間朝方にかけて、安値1.1402まで下げ幅を広げるも、前日安値1.1396をバックに下げ渋ると、@米金利低下に伴うドル売り圧力や、A欧米株の堅調推移、Bドイツ連銀ナーゲル総裁による「インフレ情勢に変化がなければ、金融政策の正常化を提唱する」といったタカ派的な発言、C「ECB内でインフレ予測に不信を示す委員が増加」との一部報道、D上記BCを背景としたECBのタカ派傾斜観測が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.1448まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/10午前5時00分現在)では、1.1432前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は2/2に記録した安値114.15をボトムに反発に転じると、昨日は一時115.64まで上昇しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線を上抜けするなど、テクニカル的に見て、地合いの好転(ドル高・円安トレンドの再開)を印象付けるチャート形状となりつつあります。こうした動きの背景には、先週末金曜日に発表された米1月非農業部門雇用者数(NFP)や平均時給が予想以上の力強さを示したことで、米FRBが利上げやバランスシート縮小を急ぐとの見方が広がっていることが挙げられます。市場では3/15ー16に予定されている次回FOMCで50bpの大幅利上げに踏み切るとの予想も台頭しており、事実昨日はアトランタ連銀ボスティック総裁より「25bpか50bpかはデータ次第」との発言が見られました。
このため、本日22時30分に発表される米1月消費者物価指数が市場予想の7.3%を上回る結果を示す場合には、米FRBによる50bpの大幅利上げを織り込む形で、ドル円が1/4に記録した約5年ぶり高値116.36に向けて急伸するシナリオも想定されます。状況次第では、米10年債利回りが心理的節目となる2.00%を上回る可能性もありそうです。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(尚、本日は5・10日となるため、日本時間9時55分の公表相場決定にかけてのドル不足にも要注意)。
本日の予想レンジ:115.00ー116.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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