ドル円、米金利低下と神田財務官発言を受けて一時114円台半ばへ下落(2/2朝)

1日(火)のドル円相場は上値の重い展開。

ドル円、米金利低下と神田財務官発言を受けて一時114円台半ばへ下落(2/2朝)

ドル円、米金利低下と神田財務官発言を受けて一時114円台半ばへ下落

〇ドル円、米国時間朝方にかけ安値114.57まで下落
〇神田財務官による円安に否定的な発言や、FRB関係者のハト派発言が背景
〇売り一巡後は下げ渋り114.70前後での推移
〇ユーロドル、ECB理事会控え米国時間朝方にかけて高値1.1279まで反発
〇ドル円、基準線やボリンジャーミッドバンドを下抜け、テクニカルの地合いの悪化、但し、下値も堅い
〇ファンダメンタルズも日米金利差拡大に伴うドル高・円安基調が続くと予想
〇本日、米1月ADP雇用統計に注目
〇本日の予想レンジ:114.30ー115.30

海外時間のレビュー

1日(火)のドル円相場は上値の重い展開。@日経平均株価の堅調推移を背景に、アジア時間朝方にかけて高値115.19まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、A神田財務官による「(円安のデメリットとして)エネルギーや食品などの輸入価格が上昇し、消費者負担や企業の原材料費が増えることが挙げられる」との発言や、B上記Aを背景とした当局による円安牽制開始の思惑、Cカンザスシティ連銀ジョージ総裁による前日のハト派発言に端を発した米長期金利の低下圧力(米10年債利回りは1/26に記録した1.88%から1.73%へ急低下。米2年債利回りは1/28に記録した1.22%から1.13%へ急低下)、D前日安値114.93を下抜けたことに伴う短期筋のロスカット(上値の重さを嫌気した見切り売り)が重石となり、米国時間朝方にかけて安値114.57まで下落しました。

もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、E米主要株価指数の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)や、F米長期金利の低下幅縮小、G米経済指標の良好な結果(米1月製造業PMI改定値や、米1月ISM製造業景況指数、米1月ISM支払い価格指数が市場予想を上回る結果)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間2/2午前5時35分現在)では、114.72前後で推移しております。尚、昨日はフィラデルフィア連銀ハーカー総裁やセントルイス連銀ブラード総裁よりハト派的な発言(3月50bp利上げを過度に織り込む市場を牽制)が見られましたが、市場の反応は限定的となりました。

1日(火)のユーロドル相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて安値1.1221まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、@米金利低下に伴うドル売り圧力や、AECBによるタカ派傾斜観測(前日発表されたドイツ1月消費者物価指数速報値が市場予想を大幅に上回る結果)、BECB理事会に向けてのポジション調整(今週2/3に予定されているECB理事会に向けてのショートカバー)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて高値1.1279まで反発しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/2午前5時30分現在)では、1.1266前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は1/28に記録した高値115.69をトップに反落に転じると、昨日は一時114.57まで下落しました。この間、一目均衡表基準線やボリンジャーミッドバンドを下抜けするなど、テクニカル的に見て、地合いの悪化が確認されます。但し、ダウンサイドにはまだまだ主要なサポートライン(一目均衡表転換線や雲上下限)を残っているため、ここからの更なる下落は容易ではないと考えられます(短期的な底値を探る展開を想定→下値の堅さを確認後、一気に反発に転じる恐れあり)。

ファンダメンタルズ的に見ても、米国におけるインフレ加速(米中間選挙を控え、バイデン政権から米FRBへインフレ抑制に対する政治的圧力が加わり易い外部環境)や、それに伴う米FRBによるタカ派傾斜(パウエルFRB議長は先週のFOMC後の記者会見で、3月利上げ開始の可能性や、3月50bp利上げの可能性、3月・5月連続利上げの可能性、早期QT開始の可能性、QTペース加速の可能性をいずれも否定せず)が支援材料になると見られ、当面は日米金利差拡大に伴うドル高・円安基調が続くと予想されます(今週はここまで、米3月50bp利上げを過度に織り込む市場に対する米当局者からの火消しが増えていますが、市場による催促相場を止めることは出来ず、米長期金利には今後も上昇圧力が加わり易い)。

ドル円、米金利低下と神田財務官発言を受けて一時114円台半ばへ下落

こうした中、本日は今週末金曜日の米1月雇用統計の前哨戦として意識される米1月ADP雇用統計に注目が集まります。市場予想を上回る結果となれば、米金利上昇に伴うドル高圧力と、米株高に伴う円売り圧力が重なることから、ドル円には強い上昇圧力が加わると考えられます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の反発をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:114.30ー115.30

注:ポイント要約は編集部

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