ドル円:8月31日のファンダメンタル分析
米雇用統計前には動きづらい中、日・米の中央銀行の動きを織り込む動き
先ずは日本、8月27日以降の黒田日銀総裁による米国訪問での発言を含め、政策対応が注目される中、昨日菅官房長官は講演で、外為市場における過度な動きに対して、断固として対応できる体制を取っていると述べ、財務省、金融庁、そして、日銀による三者会合が定例化したことを挙げ、常に為替には最大の関心を持っているとした上、必要に迫られれば、しっかり対応する体制ができている旨を強調、市場には円安方向への安堵を与えています。
そこでドル円は102台後半で試行錯誤が続く中、菅官房長官の発言にも反応はせずに膠着度を強めています。マイナス金利に対する不信感と、追加緩和策による経済効果への限界を懸念する声も多く、日銀への疑心暗鬼の評価が強まりつつあります。
そしてFOMCは、金利正常化に向けて利上げには異論がないのは明らかで、ドル買いニーズは高まっています。ただ、先のイエレンFRB議長や一連の各連銀総裁の強気な発言は世界経済への影響に配慮した土台作りの側面と見て、米大統領選挙を前にしての利上げは、米株価・ドル高懸念を煽る可能性あり。
FRBとしても世界経済への影響も未知数のはずで、利上げのタイミングは難しい。その中、金利先高観測にもかかわらず、米金利先物市場では9月の利上げの確率は低下、そして、債券利回りが軒並み低下するなど違和感が生じ始めています。米国を除く主要国が低金利政策を余儀なくされている状況下で、米利上げは、却って投機筋や機関投資家の運用対象になる可能性が高く、米金利の上昇は限定的なのでしょう。
しかも今週末の9月4?5日にかけては、中国の杭州でG20首脳会議が開催されます。
議長国である中国はG20会合の成功に向けて対外融和姿勢に転じ、G20に向けては米利上げ警戒などでも、中国の経済や金融市場の混乱制御が期待され、リスク・オフの円高の抑制になります。
ドル円:8月31日のテクニカル分析
ポイント:30日は更に続伸し、その後も102.50を維持しているため引き続き高値形成中とし、上値目途は、103.50から103.75までと想定します。
前回高値からも3日を経過したのでトップアウト注意期として、上昇中の5日線の102.03割れを弱気転換注意、前日安値の101.73割れからは弱気サイクル入りとして次の安値形成期への下落を想定します。その場合の下値目途は、上昇中の21日線の101.10を試す流れでしょう。
下十字の警戒足から反発、上方離脱に成功、ドル強気地合いが強まり、この流れを受けて買い転換の向きが多い。
大方のトレンドフォロー系は買いシグナルになり、本日はここ暫く横ばい推移の103.13基準線の上抜けの攻防に入っていて、ブレーク出来れば、一層の買い気が強まる状況。
注意点は、オシレータ系の割高感が目立ってきた事。
今日のレンジは102.50~103.50
上値目途は、前日高値圏103.13、節目の103.50が抵抗節目。
下値目途は、102.55の55日線、102.03の5日線が支持節目。
本日のポイントは、引け足レベルを要確認。
上値は、7月21日の107.49から8月16日への下げ幅に対する50%戻しの103.52、
61.8%戻しの104.46を意識します。
今日のレンジは102.50~103.50と見ます。
オーダー/ポジション状況
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