ドル円、FOMC後のドル買いに続伸するも日経平均急落で反落
27日午前の東京市場でドル円は114円台を続伸後に反落。朝方、114.61の高値圏で取引の始まったドル円は、9時台に114.79まで上値を伸ばしました。しかし、FOMCを受けて日経平均が大幅安となったことで、円買いが強まり、114.48まで反落。東京時間正午現在は114.56レベルで取引されています。
日経平均株価は、パウエル議長のタカ派姿勢に米株が反落した流れを受けて、寄り付きは買いが先行したものの次第に売りが強まり、下げ幅は一時700円を超えました。その後はやや買い戻しも入り結局690円の大幅安で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場で注目されたFOMCの結果公表では、声明文が冒頭から大幅に書き換えられ、緩和的政策による経済下支えから、インフレ対応に大きく舵を切ったことを明示しました。内容自体は事前の市場のタカ派予想の範囲内で、パウエル議長の記者会見でも、バランスシート縮小のスケジュールへの明言等もありませんでした。しかし同議長が、保有資産の圧縮に関してペースが前回圧縮時より早くなるだろうとしたことや、最近の金融市場の混乱についても、市場とのコミュニケーションが奏功した結果だともとれる発言をしたことなどが、想定よりも金融引き締めに強硬と捉えられたことから、会見後市場のリスクオフの反応が強まりました。結果公表後一旦は上昇していたNYダウは上げ幅を失い、一時落差800ドル以上を下落するなど、株式市場は総じて軟調に転じた一方、ドル円は米長期金利が再び上昇したことや、リスクオフに対して円買いドル買い双方が強まったことなどで上昇に転じ、発表前の114.30レベルから114.68レベルまで急伸、高値圏で東京市場につないでいます。
テクニカルにはドル円は未明の上昇で90日線をバックに反発し、本日114.81レベルの21日線に接近したものの、結局は両移動平均線の間での取引にとどまっています。
FOMC自体はほぼ市場の想定内の結果で終わった印象ながら、今後の見通しに関してはパウエル議長の想定以上のインフレに対する強硬姿勢に、金融引き締め加速懸念が残った形です。
これを受けて株式市場を中心としたリスクオフの流れが継続、株式市場が本格的な調整局面入りする可能性も強まっています。昨日は米株価指数のうちナスダック総合指数はプラスをかろうじて維持した形ですが、時間外のNYダウ先物も続落しており、昨晩FOMC前に大幅なプラスで終了している欧州株の反動売りは当然予想されることから、今晩以降の株価動向を引き続き要注視です。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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