ドル円、安値圏から反発。パウエル議長証言は予想された程タカ派的とはならず(1/12朝)

11日(火)のドル円相場は安値圏から持ち直す展開。

ドル円、安値圏から反発。パウエル議長証言は予想された程タカ派的とはならず(1/12朝)

ドル円、安値圏から反発。パウエル議長証言は予想された程タカ派的とはならず

〇ドル円、FRB関係者の相次ぐタカ派発言に米国時間にかけ115.69まで上昇
〇その後、注目されたパウエル議長の議会証言の内容が穏当なものだったことから115円台前半に反落
〇ユーロドル、米国時間朝方に1.1313まで下落するも、米金利低下等で一時1.1375まで上昇
〇ユーロドル115円をバックに下げ渋る傾向、続落余地は乏しいか
〇パウエル議長証言は予想ほどタカ派ではなかったものの、年4回の米利上げが織り込まれつつある状況
〇ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇本日日本時間22:30に予定されている米12月消費者物価指数に要注目
〇本日の予想レンジ:114.90ー115.70

海外時間のレビュー

11日(火)のドル円相場は安値圏から持ち直す展開。前日海外時間には一時115.06まで下げ幅を広げましたが、心理的節目115.00をバックに下げ渋ると、@パウエルFRB議長証言を控えたポジション調整(ショートカバー)や、Aクリーブランド連銀メスター総裁による「経済が軌道に乗っていれば、3月の利上げを支持する」とのタカ派的な発言、Bアトランタ連銀ボスティック総裁による「初回の利上げは3月にも実施される可能性がある」とのタカ派的な発言、Cカンザスシティー連銀のジョージ総裁による「FRBは近い将来保有資産の圧縮に着手する必要がある」とのタカ派的な発言が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値115.69まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、D注目されたパウエルFRB議長証言が予想された程タカ派的ではなかったこと(パウエル氏はインフレ抑制への強い姿勢を示しつつも、利上げのタイミングや回数はデータ次第との姿勢を崩さなかった)や、E上記Dを背景とした米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、本稿執筆時点(日本時間1/12午前5時30分現在)では、115.30前後で推移しております。

11日(火)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。@レーンECB専務理事による「ユーロ圏のインフレ率が中期的に目標の2%を超えることはない」「2022年の利上げの可能性は非常に低い」とのハト派的な発言や、A米当局者によるタカ派的な発言(クリーブランド連銀メスター総裁など)、B上記@Aを背景とした欧米金融政策の方向性の違い、Cウクライナを巡る地政学的リスクが重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.1313まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、DラガルドECB総裁による「物価上昇を非常に深刻に懸念している」との発言や、Eナーゲル独連銀総裁による就任演説での「インフレ高進は一概には一時的とは言えない」との発言、F注目されたパウエルFRB議長証言が予想された程タカ派的ではなかったこと(米金利低下→米ドル売り)などが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.1375まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間1/12午前5時30分現在)では、1.1365前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は1/4に記録した約5年ぶり高値116.36をトップに反落に転じると、1/10には一時115.04まで急落しました。しかし、昨日は心理的節目115.00をバックに下げ渋る形で幾分持ち直す動きとなりました。@4営業日続落の後、反発に転じていること、A強い買いシグナルを示唆する三役好転及び、B移動平均線の強気のパーフェクトオーダーが続いていること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(続落余地は乏しく、一巡後の反発リスクに要警戒)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@米当局者による相次ぐタカ派的な発言(パウエルFRB議長証言は予想された程タカ派的な結果にならなかったものの、この2日間は、バーキン米リッチモンド連銀総裁、クリーブランド連銀メスター総裁、アトランタ連銀ボスティック総裁などから「3月利上げ開始はあり得る」とのタカ派的な発言が相次ぐ結果。市場では年4回の利上げ実施と、7月からの保有資産減少開始が織り込まれつつある状況)や、A日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大→ドル円上昇)など、ドル円相場の反発を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は日本時間22:30に予定されている米12月消費者物価指数に注目が集まります。市場予想を上回る結果となれば、米早期利上げ観測→米金利上昇→米ドル高の波及経路が見込まれるため、本日海外時間はドル円相場のアップサイドリスクに特に注意が必要でしょう(株式市場に調整一服感が見られることから、「米金利上昇→株式市場下落→リスク回避の円買い→ドル円下落」の波及経路は限定的と整理)。

本日の予想レンジ:114.90ー115.70

注:ポイント要約は編集部

ドル円、安値圏から反発。パウエル議長証言は予想された程タカ派的とはならず

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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