上昇一服もドル高傾向はまだしばらく継続(1/5夕)

5日の東京市場はドルが底堅い。前日回復した116円台を維持できず、一時115円台を示現するも大崩れには至らなかった。

上昇一服もドル高傾向はまだしばらく継続(1/5夕)

上昇一服もドル高傾向はまだしばらく継続

〇本日のドル円、一時115円台示現するも大崩れに至らず、16時現在115.95-00で推移
〇昨日欧米時間116.35まで一時値を上げる、117円方向に向けた動き注意
〇本日発表予定の米経済指標、12月ADP雇用統計、同総合PMI確報
〇12月14-15日にはFOMC議事録要旨公表予定、当局の利上げスタンス注視の声も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.50-116.40、昨日高値116.35が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は115.80前後が目先のサポート、割り込んでも下値堅い

<< 東京市場の動き >>

5日の東京市場はドルが底堅い。前日回復した116円台を維持できず、一時115円台を示現するも大崩れには至らなかった。

ドル/円は116.10円前後で寄り付いたのち、しばらくは強保ち合い。116.10-25円といったレンジ取引をたどるも、米長期金利の低下などを材料に、ジワリと下押し圧力が強まった。116円を割り込み、115.90円レベルへと一時下落している。しかし大崩れするには至らず、その後は116円挟みの揉み合いに。16時現在では115.95-00円で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、早朝に「北朝鮮が弾道ミサイルらしき飛翔体を日本海に向けて発射」と伝えられ、騒然としたが、為替市場への実際の反応は軽微にとどまっている。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「国際会議」について。
前者は、依然として欧州各国におけるコロナ拡大に歯止めかからず。実際イタリアや英国、ギリシャなどで一日の新規感染者数が過去最多を更新したと報じられていた。また、それとは別に「スウェーデン国王と王妃がコロナ感染」したとされ、思惑を呼んでいたようだ。またロイターの集計では「米国の一日当たりコロナ新規感染は100万人に達した」と指摘されており、物議を醸す。WHO幹部から「オミクロンは他の変異株より症状軽度との証拠が出てきている」との発言が聞かれたが、それでも医療逼迫への懸念などが取り沙汰され、危機意識を抱く向きは依然少なくない。

対して後者は、クリスマスや年末年始が明け、立て続けに二国間を含めた重要な国際会議などの日程が発表されている。たとえば、6日には「モリソン豪首相と岸田首相が防衛協力などに関するオンライン会談」を行うほか、7日は「テレビ方式で日米『2プラス2』が開催」される見込みだ。そのほか「パウエルFRB議長の指名承認公聴会を11日に開催」、「NATOロシア理事会を12日に開催予定」−−などが次々明らかになっている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、昨年高値115.52円を抜けたあとも上昇止まらず。昨日欧米時間に116.35円まで一時値を上げている。指摘しているように、116円台や117円台に目立ったテクニカルポイントが観測されないなか、軽い青天井状態となっている模様。本日東京時間に調整の動きが観測されたとはいえ、ドルの再上昇、117円方向に向けた動きには引き続き要注意だ。
いわゆる各国金利差に着目した場合、日本円を基本的に買い進めにくい環境に変化はないなか、ここ最近はドル買いの動きも活発だ。一部の市場筋からは、単なる投機だけでなく本邦勢による資本流出の可能性も取り沙汰されていた。事実とすれば、円安の動きはかなり息の長いものになる可能性もある。そうしたなか、本日は発表される米経済指標のほか、12月14-15日のFOMC議事録要旨を注視している向きが多い。後者については、「今後の利上げに向けた当局のスタンスを再確認したい」などとする声も聞かれていた。

テクニカルに見た場合、ドル/円はドル高傾向続くと一気に116円台へ。強い抵抗はしばらく存在せず、中期的なターゲットは118円台となるなか、ドルはさらなる続伸も。本邦当局者などからの「口先介入」も予想され、さすがに一本調子ではないにせよ、ドル高傾向そのものはまだしばらく続くことになりそうだ。ただ、ドル高進行のスピードが早ければ、逆にドル高は短命に終わる危険性も取り沙汰されている。

材料的に見た場合、中長期的には、開幕まで1ヵ月を切るなか、改めて北京五輪への警戒感が取り沙汰されはじめた「中国情勢」、欧米中心ながら日本も沖縄県の感染急増が由々しき事態になっている「新型コロナ・オミクロン株問題」、「原油供給問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、12月のADP雇用統計や同総合PMI確報などが発表されるほか、12月14-15日のFOMC議事録要旨公表が予定されている。うちADP雇用統計はプラス41万人程度が見込まれているものの、ここ最近は予想値から乖離した結果となることが多い。今回は果たして如何に!?

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.50-116.40円。昨日高値116.35円が最初の抵抗。超えればさらなるドル高、117円台接近も。
対するドル安・円高方向は、115.80円前後が目先のサポートで、割り込んでも下値は堅そう。114円台は目先遠のいたか。

上昇一服もドル高傾向はまだしばらく継続

ドル円日足


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