ドル円、タカ派な米FOMC議事要旨を受けて反発。米金利の上昇が支援材料
〇ドル円、株価軟調で米国時間にかけ115.63まで反落
〇その後ADP雇用統計の好調やFOMC議事要旨でのタカ派姿勢確認、米長期金利上昇で116円台に持ち直す
〇ユーロドル、米国時間に1.1346まで上昇その後は米金利上昇等に1.13近辺まで反落
〇ドル円、日足のみならず週足、月足でも買いシグナル点灯
〇ファンダメンタルズもFOMCでの早期利上げ、資産縮小方針確認されドル買いトレンド継続を意識
〇ドル円相場の更なる上昇をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:115.70ー116.50
海外時間のレビュー
5日(水)のドル円相場は底堅い動き。@5・10日要因に伴うドル不足(公表相場決定にかけてのドル買い・円売り)を背景に、アジア時間朝方にかけて、高値116.25まで上値を伸ばすも、前日海外時間に記録した約5年ぶり高値116.36(2017年1月以来の高値圏)をバックに伸び悩むと、A前日の急激なドル買いの反動(利食い売りを契機にポジション調整を誘発)や、B新型コロナウイルスの感染拡大懸念(重症化リスクが小さくても病床逼迫に繋がる恐れ)、C時間外の米ダウ先物の冴えない動きが重石となり、米国時間朝方にかけて、安値115.63まで反落しました。
しかし、D米12月ADP雇用統計(結果80.7万人、予想40.0万人)が市場予想を大幅に上回ると、EFOMC議事要旨のタカ派的な内容(高インフレへの対応に向けて、予想より早期の利上げと、保有資産全体の縮小が必要になる可能性があるとの見解)や、F上記DEを背景とした米長期金利の急上昇(米10年債利回りは、昨年10/21以来となる1.70%へ急上昇)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間1/6午前5時00分現在)では、116.15前後まで持ち直す動きとなっております。
5日(水)のユーロドル相場は底堅い動き。アジア時間朝方にかけて、安値1.1277まで下げ幅を広げるも、前日安値1.1272をバックに下げ渋ると、@前日の急激なドル買いの反動(米ドル買いの流れが一服→ポジション調整誘発→ユーロドル反発)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.1346まで反発しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、A米FOMC議事要旨のタカ派的な内容や、B米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、本稿執筆時点(日本時間1/6午前5時00分現在)では、1.1305前後まで反落する動きとなっております。
本日の見通し
ドル円はポジション調整主導で一時115.63まで反落するも、結局116.15前後まで持ち直す力強い動きとなりました。強い買いシグナルを示唆する三役好転に加えて、移動平均線のパーフェクトオーダーも継続するなど、テクニカル的に見て、地合いの強さを決定付けるチャート形状となっております(日足のみならず週足や月足でも買いシグナル点灯中)。ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策の方向性の違い(FOMC議事要旨で示唆された通り、早期利上げや保有資産全体の縮小が織り込まれる米国と、金融緩和長期化が見込まれる日本との金融政策格差→日米名目金利差拡大を通じたドル買い・円売り)など、ドル買い・円売りトレンドの継続を意識させる材料が確認されます。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の更なる上昇をメインシナリオとして予想いたします(1/4に記録した約5年ぶり高値116.36を早期に上抜ける展開を想定)。尚、本日は日本時間10:45に予定されている中国12月財新サービス業PMIや、22:30の米新規失業保険申請件数、24:00の米12月ISM非製造業景況指数などに注目が集まります。中国及び米国の経済指標が良好な結果を示す場合には、株高を通じたリスク選好の円売り(クロス円上昇→ドル円連れ高)と、米金利上昇を通じた米ドル買いが重なることから、本日も引き続きアップサイドリスクに注意を要する1日となりそうです(新型コロナウイルスに係るネガティブ・ヘッドラインに反応しづらい相場環境)。
本日の予想レンジ:115.70ー116.50
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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