ドル円 材料乏しく基本はレンジ、需給要因に注意
〇東京時間のドル円、115.00-15で動意に欠ける動き
〇年末年始モードで、参加者は極めて少なく、新規材料難ということもあり、積極的な売買は手控えられる
〇薄い市場での間隙を突くような荒っぽい変動にも一応注意
〇また、昨日NYダウは調整売りから小反落、本日も調整売り続くとの見方も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.70-115.50
<< 東京市場の動き >>
31日の東京市場でドル円は横這い推移。115円前半の極めて狭いレンジ取引で、ほぼ動意らしい動意はうかがえなかった。
ドル/円は115.00-05円で寄り付いたものの、すでに年末年始モードとなっており、参加者は極めて少ない。新規材料難ということもあり、積極的な売買は手控えられると、115.00-15円といった20ポイントにも満たない横這い推移に終始している。16時現在、ドル/円は115.10-15円で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、ドル/円以外でも全体的に動意を欠くなか、ひとり気を吐いていたのがカナダドル。対円やドルで週間高値を更新するなど、買いが先行している。
一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「米露協議」について。
前者は、引き続き欧州における感染拡大が話題に。イタリアの感染者が過去最多を更新したと発表されたほか、ロイターによると「ロシアのコロナ死者数が、ブラジルを抜いて世界2番目の多さになった」という。また米国についても、複数専門家が「オミクロン流行で来月は試練になる」と、かなり強めの警告を発していたようだ。折しも来週から新年、新たな月がはじまる。「年末年始明けで感染拡大」−−といった事態になってしまうのだろうか。
対して後者は、日本時間の本日早朝、バイデン米大統領とロシアのプーチン大統領は約50分間の電話会談を行った。緊迫するウクライナ情勢を中心に協議し、バイデン氏が「ウクライナに侵攻した場合、断固として対応する」などと制裁発動を警告するなか、プーチン氏は「前例のない制裁を科せば、関係は完全に決裂する」と応酬したという。双方の溝は埋まらず、さしたる進展もなかったもよう。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、本日東京でもおおむね115円台をキープするなどドル高値圏で推移。ドルロング・ポジションが蓄積されていることは間違いないが、リスクそのものはドル高方向にバイアスで、年初来高値115.52円も視界内に捉えられている。本日は名実ともに12月最終日で、薄い市場の中、間隙を突くような荒っぽい変動にも一応注意しておきたい。
いわゆる各国金利差に着目した場合、日本円を基本的に買い進めにくい環境に変化はない。ドル/円についても、ドルの底堅い値動きが予想されるが、リスク要因として米株の動きを警戒する声は多かった。実際にNYタウは昨日、調整と思しき動きから小反落して大引けており、年末調整の動きが本日も続くとした見方も取り沙汰されているようだ。なお、それとは別に前述したように「12月最終日」に当たることで、ロンドンフィキシングなどを含めた各種の需給要因にも警戒を強める市場筋も少なくない。
テクニカルに見た場合、今週のドル/円は115円台をしっかり回復するなど、なかなかの強さをうかがわせるが、値動きだけをみると週間を通して1円も動いていない。クリスマス明け、さらに年末年始週に当たることからすれば致し方なしとも言えるものの、最後の最後に巻き返し的な反動を見せる展開などにも一応要注意。
なお、指摘しているように、年間を通してみると今年は「年初安の年末高」。結果からすると、一年を通して一本調子のドル高進行となるか。
材料的に見た場合、中長期的には、ドイツが事実上の「北京五輪の外交的ボイコット」を表明した「中国情勢」、クリスマス明け同様に年末年始明けの感染拡大が懸念されている「新型コロナ・オミクロン株問題」、「原油供給問題」−−などに注目。
一方、本日は目立った米経済指標の発表がないだけでなく、冬休み入りしている要人も多いことで、講演などのイベントはとくに予定されていないようだ。基本的には動きにくそうな雰囲気だが、薄商いを狙った仕掛けなどには気を付けたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.70-115.50円。昨日高値の115.20円が最初の抵抗。超えれば、再び年初来高値115.52円が視界内に。
対するドル安・円高方向は、まずは115円レベルが目先のサポートとなっている感を否めず、攻防に注目。ただ割り込んでも114.70-80円などにサポートがあり、ドルは底堅いイメージだ。
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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