薄商い続くなか115円台乗せの有無を注視
〇本日のドル円、114.75-95といった20ポイント程度のレンジ取引だが、一時前日高値をわずかに上回る
〇薄商いのなか続伸、欧米時間に115円台に乗せるのかに注目
〇米株は堅調な動き、ドル買い・円売りを支援している様相
〇テクニカルには心理抵抗線の115円を超えれば、年初来高値115.52が意識される
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.50-115.30、115円前後が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、まずは114円半ばをめぐる攻防に注目、割り込めば114円前後がターゲット
<< 東京市場の動き >>
28日の東京市場はドルが小じっかり。レンジは非常に狭く20ポイント弱ながら、前日記録した戻り高値を一時更新する局面も。
ドル/円は114.80円前後で寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。日経平均株価がザラ場ベースで400円を超える上昇をたどったものの、年末相場となっていることもあってか、為替市場の反応はいまひとつ。114.75-95円といった20ポイント程度の値動きに終始したが、前日の高値114.91円はわずかながら一時上回っている。16時現在、114.85-90円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「トルコ情勢」について。
前者は、感染拡大の続く欧州においてギリシャが「1月3-16日に一段のコロナ制限措置を実施する」と発表した。また、米国もバイデン米政権のファウチ首席医療顧問が、大晦日の「年越しイベントを控えるよう呼び掛け」るなど、国によって程度の差はあれども感染対策強化に打ち込んでいる姿がうかがえる。ただ、その一方でオミクロン株は弱毒性との見方を背景とし、経済面や医療逼迫を理由に、オミクロン株抑制策の緩和を呼び掛ける動きも一部で拡大しつつあるようだ。
対して後者は、先週、トルコのエルドアン大統領が「リラ建て預金の価値を政府が保全する」と表明したことで、中長期的なリラ安の流れが変化したものの、そののち再び売りが先行する展開。本日東京は対円で9.5円近くまで再び下落している。ちなみに、前述した政策の実現を単純に疑問視する声のほか、仮に実現したとすれば今度は予算やインフレに与え得る悪影響も取り沙汰されており、継続的なリラ買いにはなりにくいとの声もある。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は薄商いのなか、続伸が続いており、本日東京時間では115円台乗せをうかがう局面も観測されていた。基本的なリスクは上方向にバイアスが掛かり、このあとの欧米時間には11月26日以来の115円台があるのかどうかにまずは注目だ。なお、以前にもレポートしたが、今年のドル/円は1月6日の102.60円が年間最安値で、足もとは115円近い年初来の最高値圏。つまり「年初安・年末高」、結果だけを見るとドル一段高で終わる可能性もある。
日米の金利差を考慮した場合に、日本円を基本的に買い進めにくい環境下、NYダウをはじめとする米株も堅調。さらなるドル買い・円売りを支援している感を否めない。新型コロナ・オミクロン株の感染拡大が引き続き懸念要因ではあるものの、本日も引き続きロンドン市場などが休場で薄商いが予想されるなか、米株が昨日同様しっかりとした動きをたどればドル/円も底堅い値動きとなりそうだ。115円台回復も否定できない。
テクニカルに見た場合、ドル/円は過去2週間程度推移していたレンジを上抜けたのち、さらに続伸。115円台回復が現実的な目標となっている。
ちなみに、年初来高値115.52円を起点とした下げ幅の76.4%戻し114.80-85円も上抜けており、フィボナッチ・リトレースメントの観点では、すでに100%戻しレベルしか上値メドが存在しない。心理抵抗線の115円を超えれば、高値115.52円が意識されそうだ。
材料的に見た場合、中長期的には、本28日に2本のドル建て債利払い期限を迎えた恒大集団の動きが再び注視されている「中国情勢」、クリスマス明けで感染拡大のニュースが多く聞かれるようになってきた「新型コロナ・オミクロン株問題」、「原油供給問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、10月のS&Pケースシラー住宅価格指数や12月のリッチモンド連銀製造業指数が発表されるほか、米財務省による5年債の入札も予定されている。「いつでも仕事に戻る姿勢」とされるがバイデン米大統領が短い冬休み期間に入ったこともあり、間隙を突くような突発的なニュースなどには一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.50-115.30円。本日東京高値を含めた115円前後が最初の抵抗。超えれば年初来高値115.52円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、まずは114円半ばをめぐる攻防にまずは注目で、割り込めば114円前後がターゲット。ただ、いずれにしても下値は堅そうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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