ドル円見通し NYダウの連騰でリスクオン優勢の展開、11月30日以降の高値を連日更新(21/12/24)

23日夜には22日深夜高値を超えて24日未明には114.46円へ高値を切り上げた。

ドル円見通し NYダウの連騰でリスクオン優勢の展開、11月30日以降の高値を連日更新(21/12/24)

ドル円見通し NYダウの連騰でリスクオン優勢の展開、11月30日以降の高値を連日更新

〇ドル円、12/23夜に12/22深夜高値114.36を超え、12/24日未明114.46へ高値を切り上げる
〇NYダウは前日比196.67ドル高、ナスダックも131.48ポイント高で共に12/21から3連騰
〇米長期債利回りの上昇基調、株高によるリスクオンでのクロス円上昇が、ドル円における上昇を支える
〇昨日発表の米経済指標は良好、来年3月FOMCでの利上げ開始への判断に寄与するものとなる
〇114.20以上での推移中は上昇余地ありとし、114.60超えからは115円台への上昇を想定する
〇114.20割れからは114.05試しとするが、114.05割れ回避で114.50を超えるところから上昇再開とする

【概況】

ドル円は12月22日深夜に114.36円を付けて12月16日早朝のFOMC直後に付けた高値114.26円を上抜いてから23日午前安値114.05円まで小反落したが114円台を維持して持ち直して23日夜には22日深夜高値を超えて24日未明には114.46円へ高値を切り上げた。24日午前序盤にはさらに高値を切り上げている。
12月20日深夜からNYダウが反騰入りして21日から連騰となっているが、株高を先導役として金融市場全般がリスクオン優勢となり、ドルストレートではユーロドルの上げ渋りが若干みられるもののポンド、豪ドル、南アランド等が一段高へ進みドル安感が拡大、クロス円全般も上昇してドル円においても円安ドル高優勢の展開となっている。

【NYダウは3連騰、米長期債利回りは上昇】

12月23日のNYダウは前日比196.67ドル高と上昇、21日の560.54ドル高、22日の261.19ドル高から上昇幅はやや鈍っているものの3連騰となり、12月20日安値からの反騰で12月16日からの3日間の続落で千ドルを超える下落となった流れからV字回復してきている。ナスダック総合指数も23日に131.48ポイント高と上昇して12月21日から3連騰となった。
オミクロン株の感染力の強さは爆発的ではあるが南アや英国からのデータ解析ではデルタ株よりも重症化率が低そうだという見方が強まっていること、米食品医薬品局(FDA)が12月22日に米ファイザー社によるコロナ経口治療薬に緊急使用許可を出した事に続いて23日にはメルク社の経口治療薬にも緊急使用を認めたことで楽観が広がった印象だ。また米経済指標が総じて強めだったことも景気回復継続でリセッションには陥らないとの楽観ムードを助長した。

株高による債券売りで米長期債利回りは上昇、10年債利回りは前日の1.45%から1.49%へ上昇、2年債利回りも前日の0.67%から0.69%へと上昇した。株高によるリスクオンでのクロス円上昇に加え、米長期債利回り上昇基調がドル円における上昇を支えている。

【米経済指標は良好、来年3月の米連銀利上げに寄与】

米労働省による新規失業保険申請は12月18日までの週間で前週比変わらずの20.5万件となり市場予想通り、失業保険受給者総数は12月11日までの週間で185.9万人となり市場予想の182万人を上回ったものの前週から8000人減少した。
米商務省による11月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比5.7%上昇となり10月の5.1%から伸びが加速、市場予想通りだったが1982年7月以来39年ぶりの伸び率となった。またコア指数も4.7%上昇となり10月の4.2%から伸びが加速して市場予想の4.5%を上回った。これらは来年3月の米FOMCにおけるテーパリング終了と利上げ開始への判断に寄与するものとなった。

米商務省による11月の新築一戸建て住宅販売件数(季調済、年換算)は前月比12.4%増の74万4000戸で市場予想の77万戸を下回ったが、10月の前月比8.4%減少だった66.2万戸から改善した。販売価格中央値は前月比2.0%上昇で41万6900ドル。
米ミシガン大による12月消費者信頼感指数確報値は70.6で速報値の70.4から上方修正されて市場予想の70.4及び11月の67.4を上回った。
米商務省による11月の耐久財受注額は前月比2.5%増で10月の0.1%増から大幅改善となり市場予想の1.6%を上回った。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルにおいては、12月16日早朝高値から5日目となる22日深夜高値でいったんピークを付け、23日午前へ下落したところから一段高に入っているため、12月17日夜安値から3日半となる23日午前安値を直近のサイクルボトムとして新たな強気サイクル入りしたと思われる。高値形成期は28日夜から30日夜にかけての間とし、弱気転換は23日午前安値(104.05円)割れからとする。

60分足の一目均衡表では12月23日夜の一段高で先行スパンを突破した状況を維持、遅行スパンの好転も続いているので遅行スパン好転中は高値試し優先とする。先行スパンを上回るうちは一時的に遅行スパンが悪化してもその後の好転から上昇再開とし、先行スパンへ潜り込むところからは下落再開注意として遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は22日未明から22日深夜にかけての高値切り上げに際して指数のピークが切り下がる弱気逆行が見られたがその後の一段高により逆行による抵抗線をブレイクしてきているので70ポイント超えへの上昇余地ありとし、弱気転換は50ポイント割れから続落に入る場合とする。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、12月23日午前安値114.05円を下値支持線、114.60円を上値抵抗線とする。
(2)114.20円以上での推移か一時的に割り込んでも回復するうちは上昇余地ありとし114.60円超えからは115円台への上昇を想定する。114.85円以上は反落注意とするが114.25円以上での推移なら週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)114.20円割れからは114.05円試しとするが、114.05円割れ回避で114.50円を超えるところからは上昇再開とする。114.05円割れからは113円台後半(113.90円から113.50円)への下落を想定し、週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

12/24(金)
クリスマス休場、
 米国、ドイツ、スイス、スペイン、ギリシャ、ノルウェー、ポーランド、ハンガリー、ブラジル
短縮取引
 カナダ、香港、シンガポール、フランス、オランダ、ベルギー、イタリア、豪、NZ、フィリピン

11月の自動車大手8社の生産・販売・輸出実績
14:00 (日) 11月 新設住宅着工戸数 前年同月比 (10月 10.4%、予想 7.5%)



注:ポイント要約は編集部

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