材料乏しく基本はレンジ取引か(12/17夕)

17日の東京市場はドルが小安い。15日に114.27円の目先高値を示現後、少しずつ下値を切り下げる展開で、本日も直近安値を更新していた。

材料乏しく基本はレンジ取引か(12/17夕)

材料乏しく基本はレンジ取引か

〇本日のドル円、113.85前後へ値を上げるも113.40-45へ下落、上値は重く16時現在113.55前後で推移
〇昨日英中銀が予想外の利上げ、米欧も金利正常化を念頭に置いた措置示す
〇クリスマスを控えしばらく113.22-114.27レンジ内取引が続く可能性、次の動意は今年の最終週以降か
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.10-114.00、113.80-90が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値でもある113.40円前後がサポート

<< 東京市場の動き >>

17日の東京市場はドルが小安い。15日に114.27円の目先高値を示現後、少しずつ下値を切り下げる展開で、本日も直近安値を更新していた。

ドル/円は113.70円レベルで寄り付いたのち、当初はドル買い先行。113.85円前後へと値を上げている。しかし、買いは続かず軟落すると、午後には日中安値の113.40-45円へ。その後もドルの上値は重く、16時現在ドル/円は113.55円前後で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、トルコリラの下落はいまだ止まらず。対円では最安値を更新するとともに、初の7円割れも記録している。

一方、材料的に注視されていたものは、「欧英の金融政策」と「新型コロナ」について。
前者は、昨日英中銀が「8対1で金利の引き上げを決定」と発表したことがポジティブ・サプライズとなり、ポンドが一時急騰。事前に、「先行き利上げ示唆が示される可能性」といったやや強気見通しも聞かれていたが、予想を上回る強気な中銀対応だった。対してECBは「コロナ対応策を3月いっぱいで終了」するなど金利の正常化に動くとともに、「景気支援策は継続する」旨を明らかにしている。こちらは、ほぼ予想通りの内容だったと言えそうだ。
対して後者は、英国のコロナ感染者が15日に続き16日と「2日連続で過去最多になった」と伝えられている。前述した金利引き上げがポンドの買い要因だったが、こちらは逆に売り材料で、結果的に影響はほぼ相殺されていた。一方、日本についてはTBSが、「政府内で『水際対策』延長不可避の見方が広がる」と伝えたうえ、本日早朝に「岸田首相が米ファイザーCEOと電話会談を実施」したと報じられている。後者は、ワクチン確保に向けた協力を要請したという。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は15日、強めの内容となった米FOMCを好感。レンジを上抜け114円台へと乗せてきたものの、勢いは続かなかった。以降、本日には113.40円台までジリジリと値を崩している。ドルの下値リスクが大きく高まっている感はうかがえないものの、上値トライは仕切り直しで、来週末にクリスマスを控えてレンジ取引の色合いを強める可能性を否定できない。
主要国、日米欧英の金融政策は、英国が予想外の利上げに動いたほか米欧も金利正常化を念頭に置いた措置を示した反面、日銀は相変わらず。「大規模な緩和の枠組みは維持」されていた。度々指摘しているように、日米などの金利差という観点からは引き続き円を積極的には買いにくい状況だ。ただし本日は、前述した主要国中銀による金融政策発表という材料をこなしたあとの、週末に当たることからポジション調整の動きを警戒する声もある。目先という意味では、ドルの続落を見込む声も聞かれていた。

テクニカルに見た場合、ドル/円はレンジ上限を超えて114.27円を示現するも、そののち再びレンジ内へと回帰している。大きな流れはドル高方向にバイアスがかかるとみているが、ドルの上値トライも取り敢えずは仕切り直しか。しばらくはこれまでのレンジ、113.22-113.95円を上方向に拡大させた113.22-114.27円のおよそ1円レンジ内での動きが続く可能性もある。基本的に次の動意はクリスマスのあと、今年の最終週以降ということになりそうだ。

材料的に見た場合、中長期的には、米国との対立がさらに先鋭化している感もある「中国情勢」、クリスマスに向けた感染のさらなる拡大も警戒される「新型コロナ・オミクロン株問題」、「原油供給問題」−−などに注目。
一方、本日はとくに目立った米経済指標は予定されていないうえ、米通貨当局者らの講演など発言機会もとくになし。決定している材料は少なく、動きにくそうな雰囲気だ。ただ、商いが薄くなっているだけに、突発的なニュースなどによって一時的に乱高下する可能性までは否定できない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.10-114.00円。昨日再び下回ってきた移動平均の21日線(113.80-90円)が最初の抵抗。超えれば114円台を回復し、直近高値114.27円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値でもある113.40円前後がサポートとしてまず注目か。時間足など短期ベースでは何度か下げ止まっており、底堅いイメージも。また割り込んだ場合には113.22円、113円などを目指す。

材料乏しく基本はレンジ取引か

ドル円日足


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