米FOMC、パウエル会見の行方に注目(12/15夕)

15日の東京市場はほぼ横這い推移。NY時間に米FOMCの発表を控え、値動きはさらに小さくなり20ポイントにもとどかなかった。

米FOMC、パウエル会見の行方に注目(12/15夕)

米FOMC、パウエル会見の行方に注目

〇本日のドル円、20ポイントにも満たない値動き、16時現在113.65-70で推移
〇本日米FOMC結果発表予定、過去1週間推移する113.22-95を脱するとの予想多い
〇パウエル議長会見も予定、「タカ派」スタンスをどの程度貫けるかに注目
〇量的緩和の終了前倒しや利上げに前向き姿勢なら、改めてドル買いが進む公算大
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.20-114.20、113.80レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は113.20-30が強いサポート、割り込めば112円台突入の可能性も

<< 東京市場の動き >>

15日の東京市場はほぼ横這い推移。NY時間に米FOMCの発表を控え、値動きはさらに小さくなり20ポイントにもとどかなかった。

ドル/円は113.75円前後で寄り付いたものの、ほぼ開店休業状態。113.60-80円といった20ポイントにもみたない凪相場で、動意らしい動意はほぼうかがえず。中国の経済指標が発表されたほか、米上院そして同下院でも「債務上限引き上げ法案が可決された」とのニュースが伝えられたが、織り込み済みなのか影響は極めて限定的だった。16時現在ドル/円は113.65-70円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、トルコリラは対円などで最安値を更新することはなかったものの、売り先行。とくに夕方に掛けての下値模索が目に付いた。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「日本の金融政策」について。
前者は、イタリアが非常事態宣言を3月末まで延長する方針を示したほか、オランダも行動制限措置をクリスマス期間も継続すると発表している。欧州を中心とした感染状況は依然として予断を許さない。そうしたなか、先日初の「オミクロン株感染死者」が明らかになった英国は「渡航制限解除」と、流れに逆行するような動き。ただこれは、「世界各地でオミクロン株の市中感染が見られている。このため、国外からのオミクロン株の流入ペースを鈍化させるための渡航制限の効果は薄れている」ためとしていた。
対して後者は、本日はNY時間に注目のFOMCで米金融政策が示されるなか、東京時間には黒田日銀総裁が衆院予算委員会に出席し答弁を行っている。そのなかで、「金融緩和を粘り強く続けていく」、「スタグフレーションになっているとは思っていない」と述べ、金融引き上げ方向に動いている米欧との政策スタンスの違いを改めて示していた。単純に日米などの金利差を考えると、引き続き円を積極的には買いにくい。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は引き続きレンジ内での推移となっているだけでなく、形成レンジはさらに狭まっている感を否めない。実際、昨日は終日を通してわずか32銭の変動だった。そんな小動きがまだしばらく続く可能性ももちろん否定できないが、材料的には再三再四指摘しているFOMCによる米政策金利の発表がこのあと行われる見込みだ。少なくとも、過去1週間強推移している113.22-95円については、脱することが出来ると予想する声も少なくない。
各国の金融政策に対する関心は依然として高いなか、今週は日米欧英もそれぞれ中銀が政策金利に関する発表を行う見込み。そして、先鞭をつける格好で米国FOMC会合の結果が発表されるほか、パウエルFRB議長の記者会見も予定されている。新型コロナのオミクロン株感染が拡大する環境下、どれだけ「タカ派」のスタンスを貫けるのかを注視している向きが多いようだ。量的緩和終了前倒しや来年の利上げに前向きの姿勢が示されるようなら、ドルが改めて買い進められる公算も大きい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は1円にも満たない過去1週間程度のレンジ取引、雌伏の時間を経ていよいよ次の方向性が示されることになりそうだ。そんな期待を抱く市場参加者は少なくない。
いずれにしても、足もと113円台から解放され、方向性がドル高であればフィボナッチポイントの114.40円、底割れすると週間安値112.73円がまずはターゲットに。

材料的に見た場合、中長期的には、オーストリーも北京五輪への「外交的ボイコット」が明らかになった「中国情勢」、WHOの発表によると77ヵ国で感染者が確認された「新型コロナ・オミクロン株問題」、「原油供給問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、12月のNY連銀製造業景況指数や11月の小売売上高が発表されるものの、やはりもっとも注視されているものは米FOMCとその後のパウエル議長の記者会見か。今年最後の注目材料との指摘もきかれるなか、発表前後の金融市場は一時的に荒れる可能性もあり要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.20-114.20円。本日東京時間も上げ止まった113.80円レベルが最初の抵抗。抜けると113.95円、そして114.40円などが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、ドルの下値がジリジリと切り上げるなか、強いサポートとなると依然113.20-30円か。ただ、割り込めば112円台突入も否定できない。

米FOMC、パウエル会見の行方に注目

ドル円日足


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