ドル円、タカ派な米FOMCを受けて急上昇。ドル高・円安トレンド再開か(12/16朝)

15日(水)のドル円相場はFOMCを経て急上昇。

ドル円、タカ派な米FOMCを受けて急上昇。ドル高・円安トレンド再開か(12/16朝)

ドル円、タカ派な米FOMCを受けて急上昇。ドル高・円安トレンド再開か

〇ドル円、FOMCを経て一時114.25まで急伸、FOMCではテーパリングペースの加速決定、
〇声明文からのインフレに関する「一時的」文言削除、23年末政策金利見通し1.6%に引き上げ示唆
〇米国立感染症研究所ファウチ所長「オミクロン株に特化したワクチンは今のところ必要ない」と発言
〇ユーロドル、FOMC後のドル買いで一時1.1222まで下落するも、ECB理事会前に1.1299まで反発
〇ドル円、約3週間ぶり高値圏、一目均衡表の「雲」下限にサポートされ地合い強い
〇本日はECB理事会とラガルド総裁会見に注目、総じてハト派の結果に終着するか
〇対ユーロでのドル買いが、ドル円に波及する展開を予想
〇本日の予想レンジ:113.60ー114.40

海外時間のレビュー

15日(水)のドル円相場はFOMCを経て急上昇。アジア時間および欧州時間は米FOMC(連邦公開市場委員会)を控えた様子見ムードで方向感に欠ける値動きが継続しましたが、米FOMCで、@テーパリング・ペースの加速(債券買い入れプログラムを来年3月に終了すること)が決定されると、A声明文から「一時的(transitory)」という文言が削除されたこと(代わりに「需給不均衡がインフレ水準の押し上げに寄与し続けた」との文言を使用)や、Bドットチャートで2022年末時点の政策金利見通しを0.90%、2023年末時点の政策金利見通しを1.6%へ引き上げ、各々年3回ずつの利上げが示唆されたこと、C上記@ABを背景に米金利上昇→米ドル高の流れが加速したこと(FF金利先物市場では来年4月までの利上げ確率を90%織り込む展開)、

D米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長が「オミクロン株に特化したワクチンは今のところ必要ない」と発言したこと(新型コロナウイルス・オミクロン株を巡る過度な悲観論の後退→リスク回避ムード後退)などが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値114.25(11/26以来、約3週間ぶり高値圏)まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間12/16午前5時35分現在)では、113.98前後で推移しております。

15日(水)のユーロドル相場は下落後に急反発。アジア時間および欧州時間は米FOMCを控えた様子見ムードで方向感に欠ける値動きが続きましたが、@米FOMCでタカ的なスタンスが示されると、A欧米金融政策の方向性の違いが意識され、一時1.1222まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、B米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長による「オミクロン株に特化したワクチンは今のところ必要ない」との発言(新型コロナウイルス・オミクロン株を巡る過度な悲観論の後退→リスク回避ムード後退)や、C米FOMCを通過したことに伴う材料出尽くし感、DECB理事会を控えたポジション調整などが支援材料となり、一転して、1.1299まで反発する展開となりました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間12/16午前5時35分現在)では、1.1298前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は米FOMCを経て上昇する展開となりました(11/26以来、約3週間ぶり高値圏)。一目均衡表雲下限にサポートされる形で上昇基調に転じており、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(11/30安値112.53、12/3安値112.56で下値の堅さを再確認→ドル高・円安トレンドの再開に期待)。こうした中、本日は日本時間21:45に予定されているECB理事会と、同22:30のラガルドECB総裁定例記者会見に注目が集まります。依然としてパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)を来年3月末に終了することを今会合で発表するとの見方が大勢であるものの、一部では、欧州圏における新型コロナウイルス・オミクロン株の感染拡大を考慮して、本決断を先送りするのではないかとの見方や、既存の資産購入プログラム(APP)の増枠を組み合わせるとの見方など、総じてハト派寄りの結果に終着する展開が見込まれます。

この為、欧米金融政策格差に着目したとしたユーロ売り・ドル買いが意識されやすく、対ユーロでのドル買いが、対円でのドル買いに波及し、結果としてドル高・円安が進むと予想されます。尚、本日はECB理事会以外にも、米11月住宅着工件数や、米12月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、米11月鉱工業生産、米12月製造業PMI速報値、米12月サービス業PMI速報値など米経済イベントが目白押しとなるため、良好な米経済指標→米主要株価指数上昇→リスク選好のドル円・クロス円上昇の波及経路にも注意が必要でしょう(ドル高・円安トレンドの再開を想定)。

本日の予想レンジ:113.60ー114.40

注:ポイント要約は編集部

ドル円、タカ派な米FOMCを受けて急上昇。ドル高・円安トレンド再開か

ドル円日足

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