米消費者物価に注目、レンジ放れは如何に(12/10夕)

10日の東京市場は113円半ば挟みの揉み合い。引き続き値幅は20ポイント強にとどまるなど、積極的な売買は見送られている。

米消費者物価に注目、レンジ放れは如何に(12/10夕)

米消費者物価に注目、レンジ放れは如何に

〇本日のドル円、113円半ばを挟んだ揉み合い、積極的な売買は手控えられ20ポイント強の値幅にとどまる
〇今週の値幅は1.2円ほど、注目のFOMCを来週に控えしばらくは113円台を中心としたレンジ取引続くか
〇レンジを上抜けた場合には114.40がターゲット、底割れすると週間安値112.73などが視界内に入る
〇本日発表の11月消費者物価指数に注目、好数字が予想される
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.00-114.00、114円前後が強い抵抗として意識される
〇ドル安・円高方向は、引き続き113.30円前後をめぐる攻防に注目

<< 東京市場の動き >>

10日の東京市場は113円半ば挟みの揉み合い。引き続き値幅は20ポイント強にとどまるなど、積極的な売買は見送られている。

ドル/円は寄り付いた113.45円前後を中心に、上下10ポイント程度のレンジ取引。日経平均株価が終値ベースで287円安、週末ゴトー日ということでの仲値不足観測なども一時取り沙汰されたが、いずれも大きな影響はうかがえなかった。結局、16時現在ドル/円は113.50-55円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、大きく値を崩すことはなかったがトルコリラは弱含み。対円やドルで最安値圏、終日底割れをうかがう展開だった。

一方、材料的に注視されていたものは、「北京オリンピック」と「台湾情勢」について。
前者は、米英豪加の4ヵ国などが「外交的ボイコット」を発表するなど、すっかり政争の具になっている感の否めない北京オリンピックだが、フランスのマクロン大統領は「政治化すべきではない」と指摘したうえで、ボイコット追随の考えを否定している。そうしたなか、中国外務省は立場を明確にしない日本に対し、「中国は東京五輪の開催を全面的に支持した。今度は日本が支持する番だ」などとなかば脅しめいた牽制を行っていたようだ。
対して後者は、中国による日本の恫喝は前述したオリンピック問題だけでなく、台湾情勢に関しても観測されている。香港紙によると、中国の華外務次官補が垂駐中国日本大使に対し、「台湾をめぐりさらなる行動を取れば両国関係を『再考する』と脅した」という。また中米ニカラグアも中国と国交を結ぶことを明らかにした反面、「台湾と断交する」と発表していた。台湾への抑圧行動がさらに強まっているなか、逆に台湾とスロバキアは「関係強化をうたう宣言に調印」したことが明らかに。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は引き続きレンジ内の値動き。実際、今週の値幅を調べても1.2円ほどにとどまっている。上値も重いが下値も堅く、短期的な方向性を喪失していることは間違いない。来週に、注目の米FOMCを控えていることもあり、それに向けていましばらくは113円台を中心としたレンジ取引が続くのか否か、次の一手に要注意だ。
日米欧英など各国の金融政策に対する関心は依然として高く、米国については来週のFOMCがいまから注目されている。そうしたなか、本日は来週のFOMCを見極めるひとつの材料となりそうな米消費者物価指数の発表が予定されており、そちらにまずは要注意。また、引き続き新型コロナ・オミクロン株関連の情報や、昨日から続く米国主催の「民主主義サミット」なども場合によっては波乱要因となりかねないだろう。

テクニカルに見た場合、今週のドル/円は前述した1.2円レンジの動きだが、火曜日以降と考えると値幅は113.27-95円へと一気に狭まる。つまり、ここ数日はたったの70ポイントしか動いていないことになり、まずはその激狭レンジの脱却の有無に注目だ。ちなみに、上抜けた場合にはフィボナッチポイントの114.40円がターゲットとなる反面、底割れすると週間安値112.73円などが視界内に入ってくる。

材料的に見た場合、中長期的には、人権問題を中心とした米国との対立構造が再び取り沙汰されている「中国情勢」、極端な悲観論は後退しているがいまだ予断を許さない「新型コロナ・オミクロン株問題」、「原油供給問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、11月の消費者物価指数や12月のミシガン大学消費者信頼感指数速報が発表される予定となっている。ちなみに、事前予想をみると前年比でプラス6.8%程度と前回(6.2%)から、さらにインフレが加速することになりそう。強い数字はある程度織り込まれているものの、それでも好数字が出ればドル買いで反応する可能性も指摘されていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.00-114.00円。引き続き114円前後が強い抵抗として意識されている。超えればフィボナッチポイントにあたる114.40円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、引き続き113.30円前後をめぐる攻防に注目。昨日もドル下値は113.27円で下げ止まっている。割り込めば底堅いイメージながら、113円割れにも一応注意しておきたい。

米消費者物価に注目、レンジ放れは如何に

ドル円日足



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