レンジ上限超えなるか、114円の攻防注視(12/7夕)

7日の東京市場はドルが小幅に続伸。値幅は引き続き限られたが、それでも113.70円台まで値を上げ、先月末30日以来の高値を一時示現している。

レンジ上限超えなるか、114円の攻防注視(12/7夕)

レンジ上限超えなるか、114円の攻防注視

〇本日のドル円、113.45前後で寄り付き、株価の上昇などが好感され終盤に113.70-75まで値を上げる
〇先週末の戻り高値113.61を上抜ける、このあと欧米時間にドルが続伸し114円台へと乗せるのかに注目
〇足もとは112.50-114.00レンジ、上抜ければ114円半ばがターゲット、失敗なら下値トライの可能性
〇本日、10月貿易収支・7-9月期非農業部門労働生産性改定値発表、米露首脳のオンライン会談に要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.20-114.10、114円レベルの攻防に注目
〇ドル安・円高方向は113円半ば前後が弱いサポート、下げ始めると速い可能性も

<< 東京市場の動き >>

7日の東京市場はドルが小幅に続伸。値幅は引き続き限られたが、それでも113.70円台まで値を上げ、先月末30日以来の高値を一時示現している。

ドル/円は113.45円前後で寄り付いたのち、当初は揉み合い。株価などの動きをにらみつつ、動意に欠けたがじりじりとドルが買い進められると、終盤には日中高値の113.70-75円まで値を上げた。日経平均株価がザラ場ベースで600円を超える上昇をたどったことなどが好感されていたようだ。16時現在、そのままドルは113.70円前後の日中高値圏で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「オミクロン変異種」と「米中対立」について。
前者は、依然としてオミクロン株の感染拡大と、それに対する各国対応策などが話題に。前者でいえば、英保健相が「イングランドで市中感染を確認」と発言したほか、時事通信は「ロシアやアルゼンチンなど5ヵ国でオミクロン株の感染者を初確認」と報じていた。そうしたなか、米ルイジアナ州当局が「クルーズ船でクラスター発生」と発表したことに続き、「オミクロン感染疑いのある症例含む」としたことが一部で話題に。なお、NY市長は感染拡大への対抗策として、市内の全民間企業に対し「従業員へのワクチン接種を27日から義務付ける」と発表していた。

対して後者は、以前から通信社などが観測報道をしていた「米国による北京五輪外交ボイコット」が現実のものに。サキ報道官が記者会見で正式に発表している。そんな米国の決定にIOCも「全面的に尊重する」との声明を発表しているが、当事国である中国は強く反発。中国外務省が「対抗措置」を示唆したほか、在米中国大使館は「米のボイコットでも、北京五輪への影響はない。成功裏に開かれる」と平静を装ったコメントを発表していた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、先週末の米雇用統計発表前後につけたドルの戻り高値113.61円を上抜けるも、先月末から形成するレンジ上限の114円にはとどかず。個人的にはアッサリ超えていくことは想定外なのだが、ともかく、このあとの欧米時間にドルが続伸し、114円台へと乗せてくるのか否かにまずは注目だ。しっかり乗せれば、ドルはさらなる続伸も。
日米欧英など各国の金融政策に依然として注目で、早くも来週に予定されている今年最後の米FOMCが警戒され始めている感もある。ただ、目先的には米金融政策の行方をにらみつつも、引き続き新型コロナ・オミクロン株が波乱要因か。米政府の首席医療顧問のファウチ氏が、楽観的な発言をしていることもあってか、市場の警戒感も若干緩んでいるとは言え、いまだ不明な点も多く予断を許さない。観測報道などには依然として要注意。

テクニカルに見た場合、ドル高基調をたどっていたドル/円も方向性を失って早1週間余り。足もとは112.50-114.00円というレンジを形成し、そのなかでの往来相場をたどっている。ただ、先で指摘したように、本日東京で113.70円台を付けるなどレンジの上抜け期待も一部で取り沙汰されており、それが実現するか否かにまずは注目だ。上抜ければ114円半ばそして115円がターゲットとなる反面、失敗に終われば一転して下値トライの機運が強まる可能性もある。

材料的に見た場合、中長期的には、北京五輪の外交ボイコットで米国との亀裂が再び露呈した「中国情勢」、やや楽観論が優勢になりつつあるが依然として予断を許さない「新型コロナ問題」、「日米欧英などの金融政策」、「原油供給問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、10月の貿易収支や7-9月期の非農業部門労働生産性改定値などが発表される見込みだ。また、それとは別に米財務省による3年債入札が実施される予定になっている。そのほか来週の米FOMCを前にした「ブラックアウト期間」入りで米当局者の講演などは予定されていないが、米露首脳がオンライン形式の会談に臨む見込みで、そちらにはしっかりと注意しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.20-114.10円。移動平均の21日線も近くに位置する114円レベルの攻防にまずは注目。超えれば114円半ばがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、113円半ば前後が弱いサポートだが、意味あるレベルとなると113円前後か。ビッドがしっかりしているイメージながら、下げ始めると速いとの指摘もある。

レンジ上限超えなるか、114円の攻防注視

ドル円日足


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