ドル円、リスクオン再開で続伸。米株および米金利の上昇がドル円をサポート
〇ドル円、米国時間にかけて113.79まで上昇、底堅く推移
〇オミクロン株に対する過度な悲観論の後退、連邦債務上限引き上げ法案可決への動きがサポート
〇ユーロドル、欧州序盤に1.1300まで上昇後米金利上昇等で一時1.1228まで反落
〇ドル円、112円台半ばの堅さ確認市場に買い安心感、一目均衡表の「雲」上限も突破
〇ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:113.10ー114.00
海外時間のレビュー
7日(火)のドル円相場は底堅い展開。@バイデン米政権の首席医療顧問アンソニー・ファウチ氏による「オミクロン株はこれまでのところ深刻さの度合いは高くない(感染力は高いが毒性は低い)」との発言や、A上記@を背景としたオミクロン株に対する過度な悲観論の後退(悪材料の消化)、B株式市場の急上昇(リスク回避ムード終了→リスク選好ムード再開→世界的な株高→クロス円上昇→ドル円連れ高)、C米下院民主党ホイヤー院内総務による「連邦債務上限を引き上げる法案を週内にも下院で採決する可能性がある」との楽観的な発言、D米金利上昇に伴うドル高圧力(米10年債利回りは一時1.48%へ急上昇)が支援材料となり、米国時間にかけて、日通し高値113.79まで上昇しました。米国時間午後にかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間12/8午前5時00分現在)では113.61前後で推移しております。
7日(火)のユーロドル相場は上値の重い展開。@株式市場の堅調推移や、A上記@を背景としたリスクオン再開(ユーロ円上昇→ユーロドル連れ高)が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、日通し高値1.1300まで上昇しました。しかし、一目均衡表転換線に続伸を阻まれると、B欧米金融政策の方向性の違いに着目したユーロ売り・ドル買い圧力や、C米金利上昇に伴うドル高圧力、Dウクライナ情勢を巡る地政学的リスクが重石となり、米国時間にかけて、日通し安値1.1228まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間12/8午前5時00分現在)では、1.1258前後で推移しております。尚、昨日発表されたドイツ12月ZEW景況感調査(結果29.9、予想25.3、前回31.7)は市場予想を上回る結果となりましたが、相場への影響は限られました。
本日の見通し
ドル円は112.50前後のサポートをボトムに反発に転じると(※先週は11/30安値112.53および12/3安値112.56と二度同水準で続落を阻まれる結果)、昨日は一時113.79まで急伸しました。下値の堅さを再確認できたことで、市場全体に買い安心感が生まれつつあります(一目均衡表雲上限も突破しており、テクニカル的に見て地合いは好転)。ファンダメンタルズ的に見ても、@米当局者によるタカ姿勢の明確化(米テーパリングペースの加速と、米利上げの前倒しを織り込む展開)や、A上記@を背景とした米長期金利の上昇圧力、B新型コロナウイルス変異株(オミクロン株)の過度な悲観論後退(リスク選好の円売り圧力)など、ドル円相場の上昇を意識させる材料が増えつつあります。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。本日も特筆すべき米経済指標の発表が予定されておらず、またブラックアウト期間で米当局者の発言も手控えられることから、米長期金利や米主要株価指数の動きを睨みながらの底堅い展開が続きそうです(米金利上昇に伴うドル高圧力と、米主要株価指数上昇に伴う円売り圧力の組み合わせ。週末に予定されている米11月消費者物価指数に向けてドル高・円安基調が続くと予想)。
本日の予想レンジ:113.10ー114.00
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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