ドル円、リスク回避ムード後退で急反発。米株および米金利の上昇が支援材料(12/7朝)

週明け6日(月)のドル円相場は安値圏から持ち直す展開。

ドル円、リスク回避ムード後退で急反発。米株および米金利の上昇が支援材料(12/7朝)

ドル円、リスク回避ムード後退で急反発。米株および米金利の上昇が支援材料

〇ドル円、米国時間午後にかけて、高値113.56まで急伸
〇オミクロン株を巡る過度な悲観論の後退を背景に株式市場、米長期金利が急上昇
〇オミクロン株、南ア保健当局者「軽度の感染を引き起こす」と言及
〇米政権の首席医療顧問ファウチ博士は「これまでのところ深刻さの度合いは高くない」と発言
〇ユーロドル1.12台後半で上値の重い展開
〇ドル円、112円台半ばで下値の堅さを再確認
〇オミクロン株めぐる懸念和らぐ場面での円売りも見込まれ、ドル円上昇要因水面下で増加
〇ドル円相場のアップサイドリスクを警戒
〇本日の予想レンジ:113.10ー114.00

海外時間のレビュー

週明け6日(月)のドル円相場は安値圏から持ち直す展開。@米保健当局者による「オミクロン株の感染が全米の約3分の1となる16州に拡大している」との発表や、A上記@を背景とした株式市場の軟調推移(リスク回避ムード継続→日経平均株価や米株先物が下落→リスク回避の円買い)が重石となる中、アジア時間朝方にかけては、112円台後半での上値の重い展開が継続しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると(先週末金曜日に記録した安値112.56をバックに押し目買い圧力が強まると)、Bオミクロン株を巡る過度な悲観論の後退(南アフリカの保健当局者が「軽度の感染を引き起こす」と言及した他、バイデン米政権の首席医療顧問アンソニー・ファウチ氏も「これまでのところ深刻さの度合いは高くない」と発言)や、C上記Bを背景とした株式市場の急上昇(リスク回避ムード後退→ダウ平均株価は一時776ドル超の急上昇→円ロングの巻き戻し)、

D米長期金利の反転上昇(リスク選好の債券売り→米10年債利回りは1.43%へ急上昇)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値113.56まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間12/7午前5時00分現在)でも、113.50前後で推移しております。尚、米ホワイトハウスのサキ報道官は、「米国は来年2月の北京冬季五輪に外交使節団を派遣しない」方針を発表しましたが、ドル円相場の反応は限定的となりました。

週明け6日(月)のユーロドル相場は上値の重い展開。欧州時間朝方にかけて一時1.1311まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、@米長期金利の上昇を背景としたドル高圧力(欧米金融政策の方向性の違いに着目したユーロ売り・ドル買い)や、A欧州圏で広がる新型コロナウイルスの感染拡大懸念(欧州経済の先行き不透明感)、Bドイツ10月製造業新規受注(結果▲1.0%、予想5.5%、※前年同月比)の冴えない結果が重石となり、米国時間にかけて安値1.1267まで反落しました。しかし、先週末金曜日の安値1.1265をバックに下げ渋ると、C株式市場の持ち直しや、D上記Cを背景としたリスク選好のクロス円買い(ユーロ円上昇→ユーロドル連れ高)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間12/7午前5時00分現在)では、1.1281前後まで持ち直す動きとなっております。

本日の見通し

ドル円は先週末金曜日に一時112.56まで下げ幅を広げるも、11/30に記録した直近安値112.53にあと一歩届かず下げ渋ると、週明け12/6に113.56まで反発しました。11/30、12/3共にほぼ同水準(112円台半ば)で下げ止まったことで、下値の堅さを再確認する結果となっております(112円台半ばをバックにロングポジションを取り易いチャート形状にシフト)。ファンダメンタルズ的に見ても、@米当局者によるタカ派的な発言が相次いでいること(ブラックアウト期間入り直前となる先週は、パウエルFRB議長やNY連銀ウイリアムズ総裁のみならず、複数の米当局者から同種のタカ派的発言が相次ぐ結果)や、A上記@を背景とした米長期金利の上昇懸念(現在は長期金利の上昇が抑制されているものの、近い将来米長期金利が急上昇に転じる恐れあり)、B新型コロナウイルス変異株(オミクロン株)の感染拡大懸念、C上記Bを背景としたリスク回避のドル買い圧力(現在はリスク回避の円買いが選好されているものの、一巡後はリスク回避の円買い→リスク回避のドル買いへのシフトが見込まれる公算大。

一方、昨日のようにオミクロン株を巡る懸念が和らぐ場面ではリスク選好の円売りが強まる為、オミクロン株に係るヘッドラインは今後ドル円の上昇要因にシフトする可能性あり)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が水面下で増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場のアップサイドリスクを警戒いたします(尚、本日は米経済指標の発表に乏しい他、ブラックアウト期間入りで米当局者の発言も予定されていない為、米長期金利や米主要株価指数を睨みながらの神経質な相場展開の継続を予想。先週の下落の反動が出易く、ドル円は早期に114円台を回復すると想定)。

本日の予想レンジ:113.10ー114.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、リスク回避ムード後退で急反発。米株および米金利の上昇が支援材料

ドル円日足

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