新規材料乏しく、基本的はレンジ取引か(12/6夕)

週明け6日の東京市場はドルが小高い。値幅は30ポイント強だったが、それでも緩やかなドル高が進行している。

新規材料乏しく、基本的はレンジ取引か(12/6夕)

新規材料乏しく、基本的はレンジ取引か

〇本日のドル円、112.75レベルを日中安値にドル高の流れ、16時現在113.05-10で推移
〇週間通して112.50-114.00での上下動、先週来レンジ脱却できるかに注目
〇目先はオミクロン株を波乱要因として警戒、来週米FOMCを注視する向きも少なくない
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは112.60-113.60、先週末高値113.61が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は112円半ばがかなり強いサポートか、割り込めば112円割れの可能性も

<< 東京市場の動き >>

週明け6日の東京市場はドルが小高い。値幅は30ポイント強だったが、それでも緩やかなドル高が進行している。

先週末は、7日に米露首脳がオンラインで会談を行うことが判明し話題に。ちなみに、ウクライナ問題などが協議されるという。一方、11月29日に再開された核合意の再建に向けた米国とイランの間接協議について、米高官が追加制裁を示唆する強い不満を示していた。
そうした状況下、ドル/円は寄り付いた112.75円レベルを日中安値にドルがしっかり。途中、岸田首相による所信表明演説の内容が伝えられたが、影響は限定的だった。ただドル高の流れは続き、113円を超えたのち一時上げ渋る局面も見られたが、夕方に掛けて再びドル買いが観測されると、16時現在では113.05-10円の日中高値圏で推移。そのまま欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「オミクロン変異種」と「中国恒大リスク」について。
前者は、週末にWHO幹部が講演で「オミクロン株にワクチン改良が必要かどうかの判断は時期尚早」と述べたほか、パニックの必要なしとの見解を示すなど、世界に蔓延している悲観論の払拭に奔走。しかし、最初に感染が確認された南アフリカでは保健相がオミクロン株急拡大で「第4波に見舞われている」ことを明らかにしたうえ、米当局も「オミクロン株を合計16州で確認」したと発表するなど、依然として厳しい状況が続いていることが改めて示されている。
対して後者は、先週末に恒大自らが「2.6億ドル分が債務不履行になる可能性がある」ことを示唆した発表に動きが思惑を呼ぶなか、日経新聞は「広東省政府や中国人民銀行など政府の全面的な監督・指導のもとで、債務再編を目指すことになった」と報じている。しかし、金融市場における警戒感はまったく緩んでおらず、それは実際の株価に表れていた。香港株式市場で、中国恒大株は一時2010年5月以来の安値を示現したという。まだまだ予断を許さない。

<< 欧米市場の見通し >>

先週のドル/円相場はなかなか激しい乱高下をたどったものの、大局的にはレンジ内。実際、週間を通して112.50-114.00円といったなかでの上下動、往来相場に過ぎなかった。週末に発表された米雇用統計が期待外れの内容だったにもかかわらず、レンジを抜け切れなかったこともあり、しばらくのあいだ次の方向性を探る動きが続く可能性も取り沙汰されていた。いずれにしても、まずは先週来のレンジを脱却できるか否かに注目だ。
日米欧英など各国の金融政策に依然として注目。そうしたなか、来週に予定されている今年最後の米FOMCをいまから注視している向きも少なくない。やや長めのスパンでは米金融政策などへの関心が高いなか、目先については引き続き新型コロナ・オミクロン株が波乱要因として警戒されている。いまだ不明な点は多いものの、第一報が伝えられたときから考えると、週内ぐらいには詳細な内容が判明してもおかしくない。果たして従来のワクチンは効果があるのか、重症化リスクはどうなのかなどについて金融市場も大いに注目している。

テクニカルに見た場合、先月末にかけ一時115.52円まで上昇したドル/円だが、そんなドルの上値追いもすでに過去の話。トレンドは一旦リセットされ、足もとの方向性は乏しい状況になっている感を否めない。次の一手が注目されるが、本稿執筆時に推移している113.10円レベルは、先週来のレンジ112.50-114.00円のほぼ真ん中で非常に居心地が良い水準だ。いましばらくレンジ取引が続くとの見方も少なくない。

材料的に見た場合、中長期的には、再び恒大集団を中心とした不動産リスクが指摘され始めている「中国情勢」、欧州を中心にそれ以外、米国などでも感染の広がりが伝えられているオミクロン株を中心とした「新型コロナ問題」、「日米欧英などの金融政策」、「原油供給問題」−−などに注目。
一方、本日はとくに目立った米経済指標の発表などは予定されていないほか、米通貨当局者らによる講演も決定しているものはとくにない。そうした意味では新規材料難で動きにくそうな雰囲気。ただ、米感謝祭を過ぎ、商いが少しずつ薄くなっていることもあり、「薄商い=乱高下」にも一応注意しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは112.60-113.60円。先週末高値113.61円が最初の抵抗で、抜ければ114円前後を目指す展開に。
対するドル安・円高方向は、先週末安値を含めた112円半ばはかなり強いサポートか。ただ割り込めば、112円割れも否定できないだろう。

新規材料乏しく、基本的はレンジ取引か

ドル円日足


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