前週の主要レート(週間レンジ)
始値 高値 安値 終値
ドル円 101.26 101.46 99.54 100.22
ユーロ円 113.05 113.93 112.37 113.50
ユーロドル 1.1164 1.1366 1.1153 1.1326
日経平均 16866.89 16932.11 16452.62 16545.82
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。
前週の概況
8月15日(月)
週明けの東京市場は、夏休みモードで方向感の無い動意薄の展開を続けていましたが、欧州市場序盤にユーロ買いが先行したことをきっかけにドル円が下落、一時100.87レベルの安値を付けました。しかし、100円台後半ではまだ買いたい向きもいる様子で、その後は取引自体は鈍いながらも101円台前半の先週末終値水準へ戻しての引けとなりました。ユーロドルは1.12台に乗せ、引けにかけてはやや押しが入ってのクローズとなりました。
8月16日(火)
東京市場が始まって早々に、これまでのもみあい下限となっていた100.80レベルを下回ると、参加者が少なくマーケットも薄い中、ストップオーダーをきっかけに一気に100円台前半へと水準を下げる動きとなりました。その後もじり安の流れを続け、NY市場の朝方には弱いCPIをきっかけに99.54レベルの安値を付けましたが、NY連銀総裁が9月利上げの可能性を示唆したことから反発、100円台半ばまで戻した後に若干押してのクローズとなりました。ユーロドルもドル円の動きに引っ張られて、東京市場からユーロ買いの動き。NY市場では一時1.1323レベルの高値を付け、1.12台後半へ押して引けました。
8月17日(水)
東京市場では、前日のNY連銀総裁の早期利上げを示唆する発言の影響が残っていたことに加え、株価も堅調な動きをしていたことから円安方向への動きが強まりました。後場には一時101.17レベルまで戻したものの、それまでのもみあい水準には戻しきれず、海外市場では再び円買いの動きとなり100円台半ばでFOMC議事録の公表待ちとなりました。議事録では利上げに対する意見が分かれていたことが示されていましたが、早期利上げにつながる内容でも無かったことからドル売りに。100円の大台目前まで下げた後にやや戻しての引けとなりました。ユーロドルはFOMC議事録公表までは動意薄のもみあいを続けていましたが、ドル円同様ドル売り(ユーロ買い)と取られ、1.13台に乗せた後やや押してのクローズとなりました。
8月18日(木)
前日NY市場に公表されたFOMC議事録に早期切り上げのきっかけが見つからなかったことによるドル売りの流れが継続、朝方に99.65レベルの安値を付けました。その後は本邦当局者の会合に対する警戒感や、16日安値をトライしきれず100円の大台割れでは買いが出て来ることもあって、欧州市場では100.50レベルの戻し高値を付けました。しかし、強い英国の経済指標に支えられたユーロ高の動きも手伝って、NY市場では再び99円台に入り込んでのクローズ。ユーロドルは昨日もじり高の動きを続け1.1366レベルまで上昇後、若干押して引けました。
8月19日(金)
金曜の為替市場は、狭いレンジでのもみあいを続け動意薄の一日となりました。ドル円、ユーロドルともに前日のNYの下げに対する調整が早朝に入って以降はほとんど動かないまま、ドル円は100円台前半、ユーロドルも1.13台前半を中心に、最近にしては珍しく静かな週末前となりました。
今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)
今週注目される経済指標と予定をあげてあります。FRB地区連銀総裁講演の内、2016年FOMCメンバー(ニューヨーク、ボストン、クリーブランド、セントルイス、カンザスシティ)ではない地区連銀はカッコ付で示しました。わかりやすさ優先で、あえて正式呼称で表記していない場合もあります。
8月22日(月)
**:** ドイツ、フランス、イタリア、EU首脳会談
21:30 米国7月シカゴ連銀全米活動指数
8月23日(火)
13:00 黒田日銀総裁挨拶
16:00 フランス8月製造業・サービス業PMI速報値
16:30 ドイツ8月製造業・サービス業PMI速報値
17:00 ユーロ圏8月製造業・サービス業PMI速報値
20:00 トルコ中銀政策金利発表
22:45 米国8月MarkIt製造業PMI速報値
23:00 米国8月リッチモンド連銀製造業指数
23:00 米国7月新築住宅販売件数
23:00 ユーロ圏8月消費者信頼感速報値
8月24日(水)
07:45 NZ7月貿易収支
15:00 ドイツ4〜6月期GDP確報値
17:00 南ア7月CPI
22:00 米国6月住宅価格指数
23:00 米国7月中古住宅販売件数
23:30 米国週間原油在庫発表
8月25日(木)
15:45 フランス8月企業景況感
16:00 スペイン4〜6月期GDP確報値
17:00 ドイツ8月ifo景況感指数
18:30 南ア7月PPI
21:30 米国新規失業保険申請件数
21:30 米国8月耐久財受注
22:45 米国8月MarkItサービス業PMI速報値
**:** ジャクソンホール・シンポジウム
8月26日(金)
08:30 本邦7月CPI、8月東京区部CPI
15:00 ドイツ9月GFK消費者信頼感
15:45 フランス8月消費者信頼感指数
15:45 フランス4〜6月期GDP改定値
17:30 英国4〜6月期GDP改定値
21:30 米国4〜6月期GDP改定値
23:00 米国8月ミシガン大消費者信頼感指数確報値
**:** イエレンFRB議長講演(ジャクソンホール)
今週の週間見通し
短期的には99円台で買い
先週のドル円は、日足ベースでも3日、ザラバベースでは18日を中心に何度も99円台をトライしながらも結局は100円の大台を回復しての引けとなったことで、長期的な円高トレンドに変化は無いものの、短期的には99円台いったん買いで良いのではと思わせる週末クローズとなりました。
そして週末に飛び出してきたのがフィッシャーFRB副議長の発言です。21日にフィッシャー副議長は利上げの時期こそ示さなかったものの、完全雇用および2%の物価上昇率という目標に近づいているとの見方を示したことから、市場参加者は年内の利上げの可能性はかなり高いとの思惑で週初の早朝マーケットからドル買いで動いています。
26日イエレンFRB議長の講演に注目
先週には16日にダドリーNY連銀総裁が、9月も含めた早期利上げの可能性を示していたこともあり、少なくともFRBのナンバー2であるフィッシャー副議長、同ナンバー3のダドリーNY連銀総裁の二人が年内の利上げを示唆したこととなります。そして、今週25日木曜からカンザスシティ連銀の年次シンポジウムである通称ジャクソンホールと呼ばれる重要な金融イベントがあり、26日にはイエレンFRB議長の講演があります。
イエレン議長はFOMCメンバーの中でもハト派の代表として認識されていますが、同講演において利上げについてこれまで同様にハト派のスタンスを示すのか、あるいはダドリー、フィッシャー両氏に続いて、年内利上げの可能性を示すのか、ここで当面の米国の金融スタンスの方向性が見えてくることとなります。
日足はどちらにも動きうる中間地点
先週のコメントの最後に日柄について「18日(木)が変化日となっていますが、この変化日の中心配置は月食で、ドル売りにつながりやすい・・・その後22日NY市場から24日NY市場までは連続BUYシグナル、そして25日東京市場から26日NY市場までは連続SELLシグナルがあります。18日に下げた場合でも翌週にはいったんドルの買い戻しが入り、そこからもう一度下げる動きという展開が見えてきます」と書いたのですが、いまのところ、ほぼ沿った動きになっています。
すると、週前半は米国の利上げ思惑の高まりでドル買いが先行し、週後半はイベントを前に調整が入りやすいという流れを考えることが可能です。テクニカルにはどうでしょうか。
まず、日足チャートをご覧ください。大きなトレンドはいまだドル安・円高でピンクの下降チャンネルの中で、現状はどちらにも動きうる中間地点に位置している状態です。さらに短い足を見てみましょう。2時間足で英国国民投票後の戻し高値107.49レベルから直近の安値99.54までを示してあります。
ドル円2時間足
ジャクソンホールに向け米国の経済指標に一喜一憂しながらの週
先週の動きからいったん99円台で安値を付けたと考えると、107.49と99.54のフィボナッチ・リトレイスメントを考えることとなりますが、チャートに示されている通り38.2%戻しが102.58、また私はあまり使うことは無いのですが、23.6%戻しが101.42となっています。また7月の21日の高値と27日高値を結んだレジスタンスラインも、直近の8月8日高値と12日高値を結んだレジスタンスラインも、どちらも今週は38.2%水準から23.6%水準へと下げてきていることが見て取れます。テクニカルには102円前後を戻し高値のターゲットと考えることが妥当であると言えるでしょう。
今週はジャクソンホールに向け、GDP改定値(26日)をはじめとする米国の経済指標に一喜一憂しながらの週となりそうですが、これまでドル安方向に動いてきた分、ドルの買い戻しがやや優勢となるのではないかと見ています。レンジとしては、99.70レベルをサポートに、102.20レベルをレジスタンスとする流れとしておきます。
ドル円(日足)チャート
ドル円日足
ディスクレーマー
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