ドル円、ポジション調整一巡後に持ち直す展開。良好な米経済指標が支援材料
〇ドル円、米経済指標の好調に、米金利の上昇等に米国時間に一時114.48まで反発
〇ユーロドル、仏経済見通し上方修正等で1.1370台に上昇
〇ドル円基準線、転換線に続落阻まれテクニカルには下値の堅さ確認
〇本日は5・10日の本邦公表決定にかけてのドル買い圧力、FRB関係者の発言に注目
〇ドル円上昇をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:113.80ー114.60
海外時間のレビュー
18日(木)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。アジア時間朝方に一時113.88まで下げ幅を広げるも、一目均衡表基準線に続落を阻まれると、@日米金融政策の方向性の違いや、A岸田政権による55.7兆円規模の経済対策期待(日経平均株価上昇→リスク選好の円売り)、B米11月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(結果39.0、予想24.0)の力強い結果、C米10月景気先行指数(結果0.9%、予想0.8%)の市場予想を上回る結果、D原油先物価格の下げ幅縮小、Eテクニカル的な地合いの強さ、E米金利上昇に伴うドル高圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値114.48まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/19午前4時45分現在)では、114.25前後で推移しております。
18日(木)のユーロドル相場は堅調な展開。前日アジア時間には、@欧米金融政策の方向性の違いや、AECB当局者によるハト派的な発言、B英EU間における北アイルランド議定書を巡る警戒感、C欧州圏における新型コロナウイルスの感染再拡大懸念、D欧州圏を巡る地政学的リスクの高まりなどを背景に、昨年7/10以来、約1年4ヵ月ぶり安値となる1.1264まで急落しましたが、一巡後に下げ渋ると、E大規模ロスカット発動後の自律反発(短期筋のショートカバー)や、FOECD(経済協力開発機構)によるフランスの経済成長率の上方修正(21年:6.3%→6.8%、22年4.0%→4.2%)、Gユーロクロス上昇に伴うユーロドルの連れ高圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.1375まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/19午前4時45分現在)では、1.1370前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は前日11/17に記録した約4年8ヵ月ぶり高値114.97(2017年3月14日以来)をトップに反落に転じると、昨日は一時113.88まで急落しましたが、一目均衡表基準線や転換線に続落を阻まれる形で結局114円台半ばへ持ち直す展開となりました(下値の堅さを再確認)。強い買いシグナルを示唆する三役好転や強気のパーフェクトオーダーも継続する中、テクニカル的に見て地合いは強い(下値余地は乏しい)と判断できます。こうした中、本日は日本時間9時55分の公表相場決定にかけてのドル買い・円売り圧力(5・10日要因に伴うドル不足)や、米国時間に予定されているウォラーFRB理事講演、クラリダFRB副議長講演に注目が集まります。
米当局者によるタカ派的な発言が見られる場合には、米利上げ前倒し観測→米金利上昇→米ドル高の経路でドル円には上昇圧力が加わるものと推察されます。日米金融政策の方向性の違いや、米経済の回復期待(今週発表された米国の主要経済指標は軒並み力強い結果)、世界的なインフレ懸念など、ファンダメンタルズ的なドル買い・円売り材料も継続する中、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(心理的節目115.00を早期に再トライする展開を想定)。
本日の予想レンジ:113.80ー114.60
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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