ドルは上値トライ失敗、再び調整局面か(11/18夕)

18日の東京市場はドルが小安い。一時113.80円台まで下落し、週間安値をうかがうも届かずに底堅かった。

ドルは上値トライ失敗、再び調整局面か(11/18夕)

ドルは上値トライ失敗、再び調整局面か

〇本日のドル円、日中安値113.85-90へと値を崩すも、結果は「行って来い」
〇ドル高調整、113.80-90に位置する21日線がサポート、第一波としては下げ止まったとの見方
〇本日は11月フィラデルフィア連銀景況指数や新規失業保険申請件数などの米経済指標要注視
〇本日の欧米時間ドル/円予想レンジは113.70-114.70
〇本日東京高値114.25-30が最初のターゲット、抜ければ115円が意識される

<< 東京市場の動き >>

18日の東京市場はドルが小安い。一時113.80円台まで下落し、週間安値をうかがうも届かずに底堅かった。

ドル/円は114.10円前後で寄り付いたのち、日中安値の113.85-90円へと値を崩すも、結果は「行って来い」。その後は断続的な買い戻しが入ると、レンジは狭いが114.20円台までVの字型の回復をたどっている。16時現在では114.15-20円という高値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、トルコリラは本日も冴えず、対円では10円割れを警戒する声も一部で取り沙汰されていたが、徐々に買い進まれると最終的には10.60円台の高値引け。

一方、材料的に注視されていたものは、「各国金融政策」と「日本の情勢」について。
前者は、欧州を中心としたインフレ懸念の台頭、さらに金融政策が話題に。たとえば昨日は発表された英消費者物価は10年ぶりの高水準となり一時はポンド買いに傾斜するなか、マン英中銀委員からは「インフレを目標の2%に回帰させると確信している」との発言が聞かれたこともあり、市場は数字ほど強気に傾斜せず。また、欧州もECB副総裁が「現在のインフレ高進が一過性であることが来年には証明される」とコメントするなど、やや楽観的な見解が目に付いた。

対して後者は、一部国内紙が肺疾患の長期治療専念を理由に「小池都知事が辞任検討」と指摘。また産経新聞が報じた「政府が『思いやり予算』増額を受け入れる方向で調整へ」と報じたことも思惑を呼ぶ。そうしたなか、日米韓3ヵ国の外務次官が米ワシントンで協議を行ったが、終了後に予定された3者共同記者会見を日本が拒否したことも、驚きをもって伝えられている。ちなみに、韓国の金警察庁長官が16日、島根県竹島に上陸したことを踏まえた措置だという。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は昨日東京時間に年初来高値を更新。一時114.97円まで続伸したが、115円は超えられずに反落に転じると、113.80円台まで1円を超える急反落をたどっている。基本的なリスクはドル高方向にバイアスが掛かるも、ドルの上値トライは一旦仕切り直しとなったことは間違いない。価格or時間のどちらなのか不明だが、ドル高の調整的な動きがいましばらく続く可能性もある。
日米欧英など各国の金融政策が引き続き注目されるなか、昨日は前述したように良好な経済指標を受けて英利上げ観測が一時強まった。本日も引き続き米国を中心に発表される経済指標の内容には要注意だ。また、それとは別に市場の注目を集めているものが原油相場。依然として高値圏ながら、昨日はバイデン米大統領が日中などに石油備蓄の放出を呼び掛けたことが明らかになっており、続報など関連情報を含め相場への影響も大いに注視されている。

テクニカルに見た場合、ドル/円は上方向の115円手前まで一時達するも超えられず。そののち1円強の下押しと、短時間でなかなか激しい上下動だ。
ドルの上値トライが失敗に終わっただけに、目先的には下値不安を警戒する声も聞かれており、価格的なドル高調整つまりドルの続落にも一応要注意。ただ、移動平均では113.80-90円に位置する21日線がサポートとして寄与している感もあり、第一波としては下げ止まったとの見方をする向きも少なくない。

材料的に見た場合、中長期的には、開催された米中首脳会談で新たな綻びも露呈した「中国情勢」、欧州以外でも再び感染拡大への懸念がジワリと取り沙汰されはじめている「新型コロナ問題」、「日米欧英などの金融政策」−−が注視されている。
一方、本日は米経済指標として、11月のフィラデルフィア連銀景況指数や同カンザスシティ連銀製造業活動指数、週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定だ。NY連銀総裁やアトランタ連銀総裁など、米当局者による発言機会は本日も多く、こちらも引き続き注意を要したい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.70-114.70円。本日東京高値に当たる114.25-30円が最初のターゲットか。抜ければ再び115円が意識されそうだが、上値は昨日よりも重くなっている。
対するドル安・円高方向は、同じく東京安値の113.85-90円をめぐる攻防にまずは注目。ただ割り込んでも底堅そうで、113.70円前後が次のサポートに。

ドルは上値トライ失敗、再び調整局面か

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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