ドル円、約4年8ヵ月ぶり高値更新後に急反落。115円トライにひとまず失敗(11/18朝)

17日(水)のドル円相場は急伸後に急反落。

ドル円、約4年8ヵ月ぶり高値更新後に急反落。115円トライにひとまず失敗(11/18朝)

ドル円、約4年8ヵ月ぶり高値更新後に急反落。115円トライにひとまず失敗

〇ドル円、アジア時間に114.97まで上昇するも、115円を前に伸び悩み米国時間に一時113.94まで反落
〇米10月住宅着工件数の不冴え、米主要株価指数の軟調、米長期金利低下が背景
〇ユーロドル一時1.1264まで下落するも、1.13台前半に自律反発
〇ドル円、テクニカルの地合い強く、ファンダメンタルズもドル円上昇の材料増える
〇昨日失敗した115.00の上方ブレイクに成功できれば、17年3月10日高値115.51が視野に
〇本日の予想レンジ:113.80ー114.60

海外時間のレビュー

17日(水)のドル円相場は急伸後に急反落。@日米金融政策の方向性の違いや、A米長期金利の急上昇、B米経済の回復期待(前日発表された米経済指標は軒並み力強い結果)、Cテクニカル的な地合いの強さ(強い買いシグナルが複数点灯→10/20に記録した直近高値114.71を上方ブレイク→短期筋のロスカット発動)が支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、2017年3月以来、約4年8ヵ月ぶり高値となる114.97まで急伸しました。しかし、心理的節目115.00をバックに伸び悩むと(利食い売りや戻り売りが活発化すると)、D米10月住宅着工件数(結果152.0万件、予想158.0万件)の冴えない結果や、E米主要株価指数の下げ幅拡大、F米長期金利の低下が重石となり、米国時間には一時113.94まで反落する場面も見られました。もっとも、売り一巡後は持ち直し、本稿執筆時点(日本時間11/18午前5時00分現在)では、114.20前後で推移しております。尚、バイデン米大統領は、次期FRB議長を感謝祭前に指名する方針を明らかにしました。

17日(水)のユーロドル相場は急落後に持ち直す展開。@欧米金融政策の方向性の違い(シュナーベルECB専務理事やデギンドスECB副総裁によるハト派的な発言)や、A英EU間における北アイルランド議定書を巡る警戒感、B欧州経済を巡る先行き不透明感(資源価格の高騰と新型コロナウイルスの感染再拡大の組み合わせ)、C地政学的リスクの高まり(ロシア軍によるウクライナ侵攻リスクやポーランドとベラルーシの軍事衝突リスク)、Dテクニカル的な地合いの弱さ(強い売りシグナルが複数点灯→心理的節目1.1300を下方ブレイク→短期筋のロスカット発動)が重石となり、アジア時間正午にかけて、昨年7/10以来、約1年4ヵ月ぶり安値となる1.1264まで急落しました。もっとも、大規模ロスカット発動後は自律反発主導で持ち直し、本稿執筆時点(日本時間11/18午前5時00分現在)では、1.1310前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時114.97まで上昇するなど、2017年3月14日以来、約4年8ヵ月ぶり高値圏へと急伸しました(10/20に記録した直近高値114.71を突破出来たことで年初来高値を更新)。強い買いシグナルを示唆する三役好転や強気のパーフェクトオーダーも成立するなど、テクニカル的に見て地合いは極めて強いと判断できます(115円トライ失敗後に急落しましたが、売り一巡後は再び持ち直す展開を想定)。ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違いや、A世界的なインフレ懸念(インフレが一過性で止まらないリスク)、B上記Aを背景とした米利上げの前倒し観測(テーパリングペースが加速すると共に、利上げ開始時期が7月よりも前倒しされる可能性)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が増えつつあります。

こうした中、本日は、米主要経済指標(米11月フィラデルフィア連銀景況指数、米新規失業保険申請件数、米10月景気先行指数)に加えて、米当局者発言(アトランタ連銀ボスティック総裁、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁、シカゴ連銀エバンス総裁、サンフランシスコ連銀デーリー総裁)に注目が集まります。今週発表されたその他の米経済指標同様、本日発表される米経済指標が力強い結果を示す場合や、米当局者よりタカ派的な発言が見られる場合などには、米主要株価指数の反発を背景としたリスク選好の円売り圧力と、米早期利上げ観測の高まりを背景とした米ドル高が組み合わさることで、ドル円には再び強い上昇圧力が加わるものと推察されます。

昨日失敗した心理的節目115.00の上方ブレイクに成功できれば、2017年3月10日に記録した約4年8ヵ月ぶり高値115.51が視野に入るため、短期的な上昇リスクに引き続き警戒が必要でしょう(昨日は米金利上昇・米ドル高→米株下落→リスク回避の円買い圧力の波及経路が見られましたが、本日のアジア株が値崩れしなければ=一定の底堅さを保つことができれば、ドル円は早期に上昇基調に戻ると予想)。

本日の予想レンジ:113.80ー114.60

注:ポイント要約は編集部

ドル円、約4年8ヵ月ぶり高値更新後に急反落。115円トライにひとまず失敗

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